EU理事会、対ロシア制裁第21弾を採択、原油価格上限の自動調整を停止
最終確認日: 2026-08-06
この発表の要点
- EUは対ロシア制裁第21弾を採択し、エネルギー、金融、貿易、軍産複合体への制裁を強化した。
- ロシア産原油の価格上限自動調整メカニズムを2027年7月まで一時停止し、輸出収入への下方圧力を維持する。
- 重要インフラへの取引禁止対象拡大、「影の船団」への港湾アクセス禁止、多数の金融機関・企業・個人・団体が追加された。
企業・自治体への影響
国際的に事業を展開する企業、特にエネルギー、金融、貿易、製造業に関わる企業は、今回のEU制裁強化がサプライチェーンや取引関係に与える影響を精査する必要があります。ロシアとの直接的・間接的な取引がある企業、または制裁対象となった第三国企業との関係を持つ企業は、コンプライアンスリスクが高まります。
対応すべきこと
- 自社の事業が今回の制裁対象となる分野(エネルギー、金融、貿易、軍産複合体)に該当するか確認する。
- 制裁対象リスト(個人、団体、企業、船舶、製品)を詳細に確認し、自社の取引先やサプライチェーンに該当がないかデューデリジェンスを実施する。
- 特に第三国企業との取引において、制裁回避に関与するリスクがないか、契約内容や取引実態を再評価する。
- 関係部門(法務、経理、貿易実務、広報など)と連携し、制裁内容の周知と対応方針を策定する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | EU理事会 |
|---|---|
| 発表日 | 2026-08-06 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月06日
EU理事会(閣僚理事会)は7月23日、第21弾となる対ロシア制裁パッケージを採択した(プレスリリース)。今回の制裁は、エネルギー、暗号資産を含む金融サービス、貿易、ロシアの軍産複合体に焦点を当てている。
今回の制裁の柱となるのが、第18弾制裁パッケージで合意されたロシア産原油の価格上限(2022年10月7日記事参照)を自動調整する仕組み(2025年7月22日記事参照)の一時停止だ。この仕組みは、ウラル原油の平均市場価格を基準に、上限価格を常に15%低い水準に設定するもので、2027年7月まで停止される。これにより、ホルムズ海峡の閉鎖による原油価格の上昇を反映した上限価格の引き上げを防ぎ、ロシア産原油輸出収入に対する強い下方圧力を維持することを狙う。
重要インフラに対する取引禁止措置の対象も拡大する。対象には、モスクワのシェレメチェボ空港を含む空港4カ所、港湾2カ所に加え、ロシア産原油を処理する第三国の製油所も対象としジョージアのクレビ製油所も含まれる。ただし、同製油所との取引禁止措置については、ロシア産原油からの依存脱却のための6カ月間の猶予期間を設けた後に適用される。
また、原油上限価格規制の回避に利用される「影の船団」に対する、EU域内港湾へのアクセス禁止措置(2024年12月18日記事参照)の対象に41隻を追加した。さらに、制裁対象船舶に補給や燃料供給を行う船舶、またはそれらの船舶から貨物を受け取る船舶についても制裁対象に指定できるようにした。
金融措置では、ロシアの金融機関33行を新たに取引禁止措置の対象に加えた。また、ロシアの決済システムと接続しているモンゴルとキルギスの銀行、およびロシアの銀行のインド支店も対象にした。さらに、制裁回避に関与するロシア国外の暗号資産プラットフォームおよび関連企業14社も対象に加えた。
貿易措置については、ロシアの軍産複合体の弱体化を目的に、輸出制限および輸入禁止措置の対象を拡大した。輸出制限の対象には、ニッケル粉末・金属・合金、ベリリウム粉末、自己接着フィルム・テープが、輸入禁止措置の対象には、銅鉱石、ニッケル鉱石、鉛鉱石、貴金属鉱石、未加工亜鉛、アルカリ金属およびアルカリ土類金属などが追加された。
このほか、制裁回避防止措置の対象として、ロシア企業24社と、中国企業14社およびトルコ企業4社を含む第三国の企業27社を追加した。また、資産凍結などの対象として、過去最大の個人48人と170の団体を新たに追加した。
(吉沼啓介)
(EU、ロシア)
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EU理事会、対ロシア制裁第21弾を採択、原油価格上限の自動調整を停止
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/ca965f6d13d7aa3b.html
時系列
- 2026-07-23 EU理事会が第21弾対ロシア制裁パッケージを採択
- 2027-07 ロシア産原油の価格上限を自動調整する仕組みの一時停止が終了
主な数値
| 対ロシア制裁パッケージ | 21弾 |
|---|---|
| 原油価格上限自動調整仕組みの停止期間 | 2027-07まで |
| 取引禁止措置の対象となる空港 | 4カ所 |
| 取引禁止措置の対象となる港湾 | 2カ所 |
| 「影の船団」に追加された船舶 | 41隻 |
| 取引禁止措置の対象に追加されたロシアの金融機関 | 33行 |
| 制裁回避に関与するロシア国外の暗号資産プラットフォームおよび関連企業 | 14社 |
| 制裁回避防止措置の対象に追加されたロシア企業 | 24社 |
| 制裁回避防止措置の対象に追加された第三国の企業 | 27社 |
| 資産凍結などの対象に追加された個人 | 48人 |
| ジョージアのクレビ製油所への猶予期間 | 6カ月間 |
この事例から確認すべきポイント
今回の発表は、EUが経済制裁を通じてロシアへの圧力を継続・強化する姿勢を示しています。原油価格上限の自動調整メカニズムの一時停止は、ホルムズ海峡閉鎖のような市場変動による価格上昇を反映した上限引き上げを防ぎ、ロシアの原油輸出収入への下方圧力を維持するための積極的な措置です。重要インフラへの取引禁止対象の拡大、「影の船団」への対策、第三国(金融機関、暗号資産プラットフォーム、制裁回避に関与する企業)の対象化は、抜け穴を塞ぎ、制裁回避を阻止しようとするEUの意図を明確に示しています。多数の個人、団体、特定の輸出入制限品目の追加は、ロシアの軍産複合体と金融能力を弱体化させるための包括的なアプローチを反映しています。国際的に事業を展開する企業、特にエネルギー、金融、貿易、製造業に関わる企業は、これらの制裁強化がサプライチェーンや取引関係に与える影響を詳細に確認し、コンプライアンスを徹底する必要があります。第三国企業の対象化は、域外適用とグローバルなサプライチェーンおよび金融ネットワークにおけるデューデリジェンスの重要性を強調しています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-06 / 最終確認: 2026-08-06
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-06
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