USMCAやサンルイスポトシ州の投資環境を解説、大阪でセミナー開催
この発表の要点
- USMCAの原産地規則は交渉継続中も現行規定が有効であり、その理解が重要である。
- メキシコ、特にサンルイスポトシ州は、投資優遇制度、治安、インフラ整備、給与税免税など、日系企業にとって魅力的な投資環境を提供している。
- 本セミナーには210人以上が参加し、日本企業のメキシコ投資環境および自動車産業への関心の高さが示された。
企業・自治体への影響
自動車部品製造業や関連サプライチェーン企業は、USMCAの動向とメキシコへの投資機会を注視する必要があります。特に、メキシコ進出を検討する企業は、サンルイスポトシ州のような地域の投資優遇制度やインフラ状況を調査することが推奨されます。
対応すべきこと
- USMCAの自動車分野における現行の原産地規則を再確認する。
- メキシコ、特にサンルイスポトシ州の投資優遇制度(給与税免税など)について情報収集を行う。
- メキシコへの事業展開を検討している場合、現地の治安状況やインフラ整備状況を調査する。
- 関係部門(経営企画、海外事業、法務、経理など)へ本発表内容を共有し、今後の事業戦略に活かす。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 自動車・製造業 |
| 発表日 | 2026-07-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 大阪 |
発表された内容
2026年07月29日
大阪商工会議所、サンルイスポトシ州日本事務所、日本自動車部品工業会(JAPIA)、ジェトロは7月21日、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の共同見直し(2026年2月20日付地域・分析レポート参照)などを踏まえ、メキシコ全体とサンルイスポトシ州の投資機会を解説するセミナーを大阪市内で開催した。
セミナー冒頭では、在日メキシコ大使館のセルヒオ・シエラ・ベルナル経済担当公使が、メキシコのマクロ経済状況と経済・産業政策、投資優遇制度、自動車産業の概況、日本との経済関係に関する説明を行った。2025年の日本・メキシコ間の貿易総額は約210億ドル、日本の対メキシコ投資は22億9,300万ドルを記録し、進出日系企業の拠点数は1,600拠点以上に上っているとし、「これは日本によるメキシコへの信頼の証し」だと評した。
ジェトロ調査部米州課の中畑貴雄主幹は、USMCAの概要と自動車分野の原産地規則、今後の見通しなどについて解説した。2026年7月1日のUSMCAの見直しにおいて米国が延長に反対した結果、毎年交渉を継続するかたちになった(2026年7月2日記事参照)が、最大10年間となる交渉の継続中は現行規定が引き続き有効であるため「まずは現行の原産地規則を理解することが重要」と強調した。今後の見通しについては、米国の政権交代の可能性を考慮すると、いずれ延長合意に至る可能性が高いと指摘した。
メキシコの投資環境について紹介するサンルイスポトシ州自動車工業会のアルベルト・ロサレス会長(ジェトロ撮影)
後半では、メキシコ中部バヒオ地域の自動車産業とサプライチェーン、同地域にあるサンルイスポトシ州の投資環境に関する講演(注1)があった。加えて、同州に進出している日系企業2社が、メキシコでの事業や投資環境などを紹介した。
京都府京丹後市に本社を構える自動車部品、工作機械・ツールの生産や医療機器開発などを手掛ける日進製作所グループは2012年10月にサンルイスポトシ州に進出し、エンジンやトランスミッションなどの部品を製造している。同社の平野卓代表取締役会長は、同州への進出の決め手になったのは、立地や投資インセンティブに加え、良好な治安状況やインフラ整備の進展によって駐在員が安心して生活できる環境が整っている点だと指摘した。
ダイキン工業の在メキシコ空調機器製造拠点であるダイキン・マニュファクチャリング・メキシコの岡田聡総務部長は、同州への進出にあたり、まず州の経済開発局とインセンティブパッケージ基本合意書を締結したことを紹介した。これにより、給与税(注2)の免税のほか、従業員の採用・研修、電力調達、日本人出向者の労働許可の取得などに対する支援を受けることができ、計画どおりに操業することができたと語った。
本セミナーは対面・オンラインの合計で210人以上の申し込みがあった。自動車産業などの製造業向けに工場用安全管理機器の輸出営業を強化したい関西企業などが参加していたほか、関西地域以外からも参加があり、メキシコの投資環境や自動車産業に対する関心の高さがうかがえた。
(注1)サンルイスポトシ州自動車工業会のアルベルト・ロサレス会長、ルイス・アルベルト・ゴンザレス事務局長、およびサンルイスポトシ州日本事務所のロドルフォ・ゴンザレス代表が講演した。
(注2)従業員に支払う給与などの総額(ペイロール)に一定税率を掛けて算出される州税で、雇用主が負担する。サンルイスポトシ州の税率は3%。
(齋藤寛)
(日本、メキシコ)
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USMCAやサンルイスポトシ州の投資環境を解説、大阪でセミナー開催
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/bd4ff87d64b4f668.html
時系列
- 2012-10 日進製作所グループがサンルイスポトシ州に進出
- 2026-02-20 USMCAの共同見直しに関する地域・分析レポート参照
- 2026-07-01 USMCAの見直しにおいて米国が延長に反対
- 2026-07-02 USMCAの見直しに関する記事参照
- 2026-07-21 大阪市内でセミナー開催
- 2026-07-29 本発表日
主な数値
| 日本・メキシコ間の貿易総額 | 210億ドル |
|---|---|
| 日本の対メキシコ投資 | 22.93億ドル |
| 進出日系企業の拠点数 | 1600拠点以上 |
| セミナー参加申し込み数 | 210人以上 |
| サンルイスポトシ州の給与税率 | 3% |
この事例から確認すべきポイント
本セミナーは、USMCAの動向とメキシコ、特にサンルイスポトシ州への投資機会に関心を持つ企業向けに開催されました。USMCAの原産地規則は交渉継続中も現行規定が引き続き有効であるため、その理解の重要性が強調されました。また、米国の政権交代の可能性を考慮すると、いずれ延長合意に至る可能性が高いとの見通しも示されました。在日メキシコ大使館や進出日系企業からの具体的な事例紹介を通じて、メキシコへの投資優遇制度、良好な治安状況、インフラ整備の進展、給与税免税といった進出メリットが多角的に提示されました。特に、日進製作所グループやダイキン・マニュファクチャリング・メキシコの事例は、具体的な進出理由やインセンティブ活用方法を示しており、メキシコへの投資を検討する企業にとって実用的な情報源となります。210人以上の参加者数から、日本企業、特に自動車関連製造業のメキシコ市場への関心の高さがうかがえます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-29
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