中国CCPIT、グローバル・サプライチェーンには脆弱性残るも主要な関連指数は改善と指摘
この発表の要点
- CCPITが「2026グローバル・サプライチェーン促進レポート」を発表し、サプライチェーンの分断リスクとグローバル化を支える要因を分析。
- 「グローバル・サプライチェーン強靭性指数マトリックス」を公表し、全体的な改善傾向の中で強靭性には依然脆弱性が残ると指摘。
- 安定的なサプライチェーン発展のため、一方的な関税引き上げや経済問題の政治化回避など4つの提言を行った。
企業・自治体への影響
グローバルに事業を展開する製造業、物流業、IT・ソフトウェア業などの企業は、地政学的リスクや貿易摩擦によるサプライチェーンの分断リスクを再評価し、強靭性向上のための戦略を見直す必要があります。特に、AI、3Dプリンティング、水素エネルギー、鉄鋼、トウモロコシ、海運といった特定分野に関わる企業は、現状分析と提言を参考に、事業継続計画や調達戦略を検討することが求められます。
対応すべきこと
- 自社のサプライチェーンにおける地政学的リスクや貿易摩擦の影響を再評価する。
- 「2026グローバル・サプライチェーン促進レポート」の公式詳細(もし公開されていれば)を確認し、自社事業への具体的な影響を分析する。
- サプライチェーンの強靭性向上に向けた具体的な対策(例: 調達先の多様化、在庫戦略の見直し)を検討する。
- 国際的な経済・貿易政策の動向、特に一方的な関税引き上げや行政介入に関する動きを継続的に監視する。
対象部門: 経営者 広報 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国国際貿易促進委員会(CCPIT) |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-01 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 中国 |
発表された内容
2026年07月01日
第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会が6月22日、北京市で開幕した。主催者の中国国際貿易促進委員会(CCPIT)は同日、博覧会開幕に合わせて「2026グローバル・サプライチェーン促進レポート」(注1)を発表した。
同レポートでは、グローバル・サプライチェーンの動向について、複数の指標を用いて分析している。2025年のグローバル・サプライチェーンを巡っては、地政学的緊張や関税障壁、貿易摩擦の増加などにより、サプライチェーンの分断リスクが高まっていると指摘した。一方で、インフラ整備の進展、途上国による地域貿易協定の推進、デジタル・グリーン技術の高度化、金融サービスの多様化などが、サプライチェーンのグローバル化を下支えしているとした。また、より安全で高効率かつ包摂的なグローバル・サプライチェーンの発展に向けて、中国が行っているインフラの連結性向上や対外開放の拡大、技術革新分野での協力などの取り組みを紹介した。さらに、人工知能(AI)、3Dプリンティング、水素エネルギー、鉄鋼、トウモロコシ、海運の6分野におけるグローバル・サプライチェーンの現状を整理した。
また、同発表では「グローバル・サプライチェーン強靭(きょうじん)性指数マトリックス」が公表された。同マトリックスは、前年に公表された促進指数、連結指数、イノベーション指数、強靭性指数の4指標で構成され、米国およびEUのサプライチェーン強靭性指数が新たに追加された(注2)。CCPIT研究院の趙萍院長は、2018年から2025年までの動向について、各指数はいずれも上昇傾向にあり、グローバル・サプライチェーンを取り巻く環境は全体として安定を保ちつつ改善していると指摘した。一方、強靭性指数の伸びは他の指数に比べて小さく、サプライチェーンの強靭性は依然として脆弱(ぜいじゃく)であり、回復は緩やかな段階にとどまっているとした。
上記を踏まえ、同発表ではグローバル・サプライチェーンの安定的な発展に向け、次の点が提示された。
関税の一方的引き上げや差別的措置・制裁による紛争解決の回避
経済・貿易問題の過度な政治化および安全保障化の抑制
冷戦的思考および排他的なブロック対立の排除
市場への過度な行政介入およびサプライチェーンの分業をゆがめる差別的措置の回避
「2026グローバル・サプライチェーン促進レポート」発表イベントの様子(ジェトロ撮影)
(注1)同レポートは2023年に開催された第1回中国国際サプライチェーン促進博覧会(2023年12月18日記事参照)で初めて発表され、今回が4回目の発表となる。
(注2)前年の内容は2025年7月24日記事参照。
(張敏)
(中国、世界)
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中国CCPIT、グローバル・サプライチェーンには脆弱性残るも主要な関連指数は改善と指摘
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/bf467a1b92369195.html
時系列
- 2026-06-22 第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会が開幕し、CCPITが「2026グローバル・サプライチェーン促進レポート」を発表
- 2026-07-01 本発表(JETRO記事)が公開された日
主な数値
| 中国国際サプライチェーン促進博覧会の開催回数 | 4回 |
|---|---|
| グローバル・サプライチェーン促進レポートの発表回数 | 4回 |
| グローバル・サプライチェーン強靭性指数の分析対象期間 | 2018年から2025年年 |
| 現状が整理された特定分野の数 | 6分野 |
| グローバル・サプライチェーン強靭性指数マトリックスの構成指標数 | 4指標 |
この事例から確認すべきポイント
この発表は、グローバル・サプライチェーンの現状と課題、そして中国の取り組みを包括的に示すものです。地政学的リスクや貿易摩擦による分断リスクが高まる一方で、インフラ整備やデジタル技術の進展がグローバル化を支えるという多角的な視点が提示されています。特に「グローバル・サプライチェーン強靭性指数マトリックス」の公表は、サプライチェーンの安定性を客観的な指標で評価しようとする試みであり、その中で強靭性の回復が緩やかであるという指摘は、企業にとって重要な示唆となります。また、安定的な発展に向けた提言は、国際的な経済活動における政治的・行政的介入の抑制を求めるものであり、今後の国際貿易政策の動向を注視する必要があることを示唆しています。企業は、サプライチェーンの脆弱性を認識し、強靭性向上のための戦略を再検討する上で、本レポートの内容を参考にすべきでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-01
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