経済・産業トレンド

インドの乗用車販売、第1四半期は過去最高

2026年度第1四半期(4~6月)のインド国内自動車販売は、乗用車と三輪車が過去最高を記録し、全体で前年同期比21.4%増の738万台超と好調に推移しました。特に乗用車は25.9%増の127万台超となり、UV(多目的車)が販売全体の約68%を占め需要を牽引。6月単月でも主要メーカーが軒並み高い伸びを示し、低金利融資や祭礼シーズンに向けた需要拡大が背景にあると見込まれています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

インド市場で事業を展開する自動車メーカーや部品サプライヤー、関連サービス企業は、市場の成長機会を捉えるための戦略見直しが求められます。特にSUVや電動二輪車分野への投資や製品開発が重要となるでしょう。また、原材料価格の変動は収益に影響を与える可能性があるため、サプライチェーン管理部門は動向を注視する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 自動車
発表日 2026-07-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月27日

添付資料(162 KB)

インド自動車工業会(SIAM)は7月15日、2026年度第1四半期(2026年4~6月)および6月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。

2026年度第1四半期の国内販売台数は、乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕が前年同期比25.9%増の127万3,811台、二輪車が20.3%増の562万8,675台、三輪車が29.7%増の21万4,339台となった。乗用車と三輪車は第1四半期として過去最高の販売を記録し、自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車、その他を含む)でも21.4%増の738万1,656台と好調だった(添付資料表1参照)。

乗用車販売をセグメント別にみると、UVが前年同期比28.6%増の86万1,918台となり、乗用車販売全体に占める割合は約68%まで上昇した。一般乗用車も21.3%増と堅調に推移しており、インド市場でSUVを中心とした需要拡大が続いていることがうかがえる。

6月単月の乗用車の国内販売台数は、タタ・モーターズ・パッセンジャー・ビークルズ(以下、タタ・モーターズ)の販売台数(6万2,076台、前年同月は3万7,083台)を含めると、前年同月比24.1%増の38万8,144台となった(注)。二輪車は18.6%増の185万1,400台となり、スクーター(39.1%増)とモペッド(50.4%増)が大幅に伸長した一方、オートバイは6.4%増にとどまった。三輪車も26.1%増の7万7,951台と大きく伸びた(添付資料表1参照)。

6月のメーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキが前年同月比23.8%増の14万7,187台と好調だった。SIAM統計に含まれないタタ・モーターズも67%増の6万2,076台と大きく伸びた。一方、現代は10.0%減の3万9,635台と主要10社で唯一前年同月を下回った。日系では、トヨタ・キルロスカが7.6%増、ホンダが13.5%増、日産は2.3倍と高い伸びを記録した(添付資料表2参照)。

二輪車のメーカー別販売では、首位のヒーローが前年同月比4.2%減の50万2,890台となった一方、2位のホンダは20.6%増の46万8,956台、3位のTVSモーターは46.3%増の41万1,014台と大幅に伸長し、首位との差を縮めた。ロイヤルエンフィールドは33.8%増の10万2,930台となり、スズキ(9万1,264台)を上回って5位に浮上した。ヤマハも49.9%増と高い伸びを記録した。電動二輪メーカーのエイサー・エナジーは81.2%増の3万1,063台と、引き続き高成長を維持した(添付資料表3参照)。

SIAMは、物品・サービス税(GST)2.0改革(2025年9月25日記事参照)による車両購入費用の低下や低金利融資の継続に加え、祭礼シーズンに向けた需要拡大を背景に、2026年度第2四半期(7~9月)も自動車販売は堅調に推移すると見込んでいる。一方で、中東情勢を巡る不確実性から原材料や燃料価格の動向については引き続き注視が必要との見方を示した。

(注)SIAM発表の統計では乗用車の6月の販売台数は32万6,068台、前年同月比増加率は18.2%だが、この数字には、タタ・モーターズの販売台数は含まれていない。自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)にも同社の販売台数は含まれていない。なお、同社のデータは四半期ベースでのみ提供されるため、第1四半期の乗用車販売台数と自動車販売台数には同社の販売台数も含まれている。

(小柴里沙)

(インド)

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出典: www.jetro.go.jp
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時系列

主な数値

2026年度第1四半期の国内乗用車販売台数 1273811台
2026年度第1四半期の国内二輪車販売台数 5628675台
2026年度第1四半期の国内三輪車販売台数 214339台
2026年度第1四半期の国内自動車販売全体台数 7381656台
2026年度第1四半期のUV販売台数 861918台
2026年6月単月の国内乗用車販売台数(タタ・モーターズ含む) 388144台
2026年6月単月の国内二輪車販売台数 1851400台
2026年6月単月の国内三輪車販売台数 77951台
2026年6月単月のマルチ・スズキ乗用車販売台数 147187台
2026年6月単月のタタ・モーターズ乗用車販売台数 62076台
2026年6月単月の現代乗用車販売台数 39635台
2026年6月単月のヒーロー二輪車販売台数 502890台
2026年6月単月のホンダ二輪車販売台数 468956台
2026年6月単月のTVSモーター二輪車販売台数 411014台
2026年6月単月のロイヤルエンフィールド二輪車販売台数 102930台
2026年6月単月のスズキ二輪車販売台数 91264台
2026年6月単月のエイサー・エナジー電動二輪車販売台数 31063台

この事例から確認すべきポイント

インドの自動車市場は、2026年度第1四半期に過去最高の販売台数を記録し、特に乗用車と三輪車が顕著な成長を示しました。この好調は、物品・サービス税(GST)2.0改革による車両購入費用の低下、低金利融資の継続、そして祭礼シーズンに向けた需要拡大といった複数の要因に支えられています。乗用車市場ではUV(多目的車)が全体の約68%を占めるなど、SUVを中心とした需要拡大が明確に見て取れます。メーカー別では、マルチ・スズキやタタ・モーターズが大幅な伸びを記録する一方、現代のように販売を落とす企業もあり、競争環境の激化がうかがえます。二輪車市場でもホンダやTVSモーターが大きく伸長し、電動二輪車メーカーも高い成長を維持しています。SIAMは第2四半期も堅調な販売を見込む一方で、中東情勢に起因する原材料や燃料価格の変動リスクを指摘しており、今後の市場動向を注視する必要があることを示唆しています。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-27

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