経済・産業トレンド

トランプ米政権、対カナダ追加関税の対象を修正、民主党からは中間選挙を見据えた動きとの批判も

最終確認日: 2026-10-27

基本データ

分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年10月27日

米国のドナルド・トランプ大統領は10月23日、1930年通商拡大法338条に基づく対カナダ追加関税措置(2026年8月24日記事参照、注1)の対象品目を修正する大統領布告を発表した。2026年10月30日午前0時1分(米国東部時間)以降に輸入される、または消費目的で倉庫から引き取られる製品に適用される。

米国は8月22日以降、338条に基づき、カナダから輸入する特定品目に50%の追加関税を課している。対象品目は3種類の大統領布告で指定しており(注2)、今回の措置は、このうち自動車への差別的措置を理由に発出された大統領布告の対象品目を見直すものだ。

ホワイトハウスが同日に発表したファクトシートによると、今回の修正では、合板シートや一部の紙製品、特定の機械など22品目を338条関税の対象から除外した一方、特定のバルブやカーペットなど100品目を新たに対象とした(注3)。これまで同様、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の原産地規則を満たす品目にも適用される。また、1962年通商拡大法232条に基づく関税の対象品目には、338条関税が上乗せされる。

今回の修正に至った経緯について、大統領布告では、行政機関の高官から提供された情報などに基づいて実施したとの記載にとどめている。一方、今回の措置は、11月3日に予定される中間選挙を見据えたものとみられる。特に連邦上院選挙では、共和党・民主党の接戦が予想される。接戦州の1つでカナダと隣接するメーン州では、米国の関税措置やカナダの報復措置による影響が大きく、関税政策が選挙戦の争点となっている。

こうした中、現職のスーザン・コリンズ上院議員(共和党)は大統領布告の発表に先立ち声明を発表し、米国通商代表部(USTR)のジェミソン・グリア代表やハワード・ラトニック商務長官らと、338条関税の適用除外について協議したことを明らかにした。その上で、今回の対象品目の見直しが同協議を経て実現したとして、成果を強調した。

これを受け、民主党の対立候補であるトロイ・ジャクソン氏は同日、SNSへの投稿で、メーン州民がトランプ政権の関税措置による物価高に長く苦しんできたと主張し、「われわれにはトランプ氏に立ち向かう上院議員が必要だ」と訴えた。このほか、民主党のロン・ワイデン上院議員(オレゴン州)は同日、「コリンズ議員の政治生命を救おうとするトランプ氏の必死の土壇場での試みは、米国の有権者が同氏の有害な関税政策を拒否していることを認めるものだ」との声明を発表するなど、批判の声が相次いだ。

「米国第一の水産物戦略」発表、メーン州などへの恩恵を強調
トランプ氏は同日、「米国第一の水産物戦略」を発表した。同日発表されたファクトシートによると、同戦略は、米国の漁師を国内の経済力や食料安全保障、沿岸地域の繁栄などに不可欠な存在と位置付け、収益性の回復や不公正な競争からの保護、規制緩和を通じたインフラ再建の促進などに向けた行動計画を定めた。ファクトシートでは、具体例として、メーン州のロブスター漁業への支援・保護やアラスカ州の水産加工業への投資を挙げた。アラスカ州はメーン州と同様、連邦上院選挙での接戦州であることから、ファクトシートで両州に言及したことは、中間選挙を見据えたものだと指摘されている(「インサイドUSトレード」10月26日)。

(注1)トランプ氏は9月8日にも、338条関税の対象品目拡大、カナダ産アルコール飲料や大型バイク、電動式自転車などの輸入禁止を発動する大統領布告を発表した(2026年9月9日記事参照)。
(注2)「アルコール飲料への差別的措置に対する関税措置」「乳製品への差別的措置に対する関税措置」「自動車への差別的措置に対する関税措置」の3種類で、それぞれ対象品目の米国関税分類番号(HTSコード)を定めている。
(注3)338条関税の対象から除外・追加された品目の詳細は、付属書Iを参照。パートAが除外品目、パートBが追加品目となっている。

(滝本慎一郎)

(米国、カナダ)

ビジネス短信 654dedf4ed6d01f9

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

トランプ米政権、対カナダ追加関税の対象を修正、民主党からは中間選挙を見据えた動きとの批判も

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/654dedf4ed6d01f9.html

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-10-27 / 最終確認: 2026-10-27

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-27

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する