経済・産業トレンド

米原子力大手ウェスチングハウス、サウスカロライナ州で次世代核燃料工場を新設へ、約10億ドルを投資

最終確認日: 2026-11-05

基本データ

分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年11月06日

米国の原子力大手ウェスチングハウス・エレクトリックは10月21日、サウスカロライナ(SC)州リッチランド郡ホプキンスにある既存の核燃料製造施設を拡張し、次世代核燃料「LEU+(低濃縮ウランプラス)」の量産工場を建設すると発表した。投資額は約10億ドルで、2030年に操業を開始する予定だ。同社によると、新工場は米国で50年以上ぶりに建設される大規模核燃料工場となる見込みで、米国の原子力燃料供給体制の強化につながることが期待されている。

同社のコロンビア燃料製造施設(CFFF)は1968年に操業を開始した世界最大級の核燃料工場の1つで、同社によると、米国の電力供給の約10%を支える原子力燃料を製造している。今回生産能力を拡大するLEU+は、従来の原子力燃料より高い5~8%の濃縮度を有する燃料で、原子炉の出力向上や燃料交換頻度の低減による運転効率改善が期待される。ウェスチングハウスは2025年に米国内で初めてLEU+燃料の商用導入を実現しており、今回の投資は同燃料の量産体制構築を目的とする。

今回の投資の背景には、米国のエネルギー安全保障上の課題がある。米国エネルギー省によると、米国はこれまで濃縮ウラン需要の20~25%をロシアからの供給に依存してきた。2024年にはロシア産低濃縮ウランの輸入を原則禁止する法律が成立し、米国政府は濃縮や燃料製造を含む国内の原子力燃料サプライチェーンの強化を進めている。LEU+燃料は、既存原子力発電所の出力向上や運転コスト低減にも寄与するとされるほか、人工知能(AI)向けデータセンターの拡大などに伴う電力需要の増加への対応策としても注目されている。

米国南東部では、テネシー州のオークリッジ国立研究所による研究開発、フランスのオラノによるテネシー州での大型ウラン濃縮施設建設計画(2024年9月10日記事参照)、ジョージア州のボーグル原子力発電所やテネシー川流域開発公社(TVA)の原子力発電所群による発電(2024年5月2日記事参照)、さらにSC州のウェスチングハウスによる燃料製造など、原子力産業を支える機能が集積している。

今回の投資は、SC州における次世代核燃料の製造能力を強化するもので、米国が進める原子力燃料サプライチェーンの強靱(きょうじん)化の動きを象徴する案件の1つといえそうだ。

(紀井寿雄)

(米国)

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公開日: 2026-11-06 / 最終確認: 2026-11-05

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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-11-05

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