経済・産業トレンド

マレーシア政府、2027年国家予算公聴会を開催、「上限の引き上げ」「下限の引き上げ」を継続

マレーシア財務省は2027年国家予算案の策定に向け、プトラジャヤの同省庁舎で公聴会を開催した。第13次マレーシア計画やマダニ経済政策に沿い、生活費高騰対策や競争力強化など10の重点分野に基づいて策定される。公聴会には産官学から約400人が参加し、法人税制度の見直しや税制再導入などの要望が寄せられた。予算案は10月9日に国会へ提出される予定である。

この発表の要点

企業・自治体への影響

マレーシア国内で事業を展開する企業や輸出入を行う企業に対し、税制(法人税・GST・SST等)や補助金、労働環境・介護関連のインセンティブなど経営コストや事業環境に直接影響を与える可能性がある。特に経営企画、財務・経理、総務部門において今後の法改正や予算案の動向注視が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 経理

対応期限:公募締切まで

基本データ

企業・団体 マレーシア財務省
業界 製造
発表日 2026-08-31
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月31日

マレーシア財務省は8月18日、プトラジャヤの同省庁舎で、2027年国家予算編成に係る公聴会を開催した。アミル・ハムザ・アジザン第2財務相は、2027年予算案について、国民や企業、各種団体の意見を幅広く取り入れながら策定する方針を示した。予算案は、第13次マレーシア計画(13MP、2025年8月12日記事参照)および「マダニ経済政策」に沿って策定される。13MP下で2回目となる同予算案は、「マレーシア・マダニ:価値観を礎に、さらなる高みを目指して」をテーマに掲げ、前年に続き「上限の引き上げ」「下限の引き上げ」「ガバナンス改革の推進」を柱とする(2025年8月14日記事参照)。

同相は、予算案について、生活費高騰への対策、社会保障制度の強化、教育・医療サービスの充実、労働者福祉の向上、国内企業や「メード・バイ・マレーシア」製品の競争力強化、投資誘致と高付加価値雇用創出など、10の重点分野に基づくと説明した。

また、同相は、アンワル・イブラヒム政権下で進めてきた改革の経済面での成果を強調した。2026年第2四半期の実質GDP成長率は前年同期比6.0%となり、統計局の事前予測(5.8%)を上回った。また、2025年の貿易総額は前年比6.3%増の3兆600億リンギ(約120兆円、1リンギ=約39円)と、初めて3兆リンギを突破した。さらに、リンギは2025年に対米ドルで約10.2%上昇し、アジアで最もパフォーマンスの高い通貨となった。このほか、マレーシアは、スイスのビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD)が発表した、世界競争力ランキング2026で15位(前年23位)となり、2015年以降の最高記録を更新した。

公聴会には、産官学の関係者ら約400人が参加し、各団体が政府に対して意見や要望を投げかけた。マレーシア製造業者連盟(FMM)は、製造業の競争力強化に向けて、中小企業向け法人税制度の見直しを要望した。また、3%での物品・サービス税(GST)の再導入や売上サービス税(SST)の再評価を求めた。

このほか、高齢化社会へ移行することを見据え、介護従事者向け支援や人材育成・研修制度、各種インセンティブや手当の拡充を求める提案があった。また、輸入飼料の免税措置、環境・持続可能性関連施策の強化など、さまざまな分野で予算への反映を求める提案が寄せられた。

なお、財務省は予算案に対する国民からの意見を専用ウェブサイト上で募集しており、企業や市民からの提案を踏まえて2027年予算案を策定する。同予算案は10月9日に国会へ提出される予定だ。

(ニサ・モハマド)

(マレーシア)

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マレーシア政府、2027年国家予算公聴会を開催、「上限の引き上げ」「下限の引き上げ」を継続

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/2fe682393a308aab.html

時系列

主な数値

2026年第2四半期実質GDP成長率 6.0%
統計局の事前予測GDP成長率 5.8%
2025年貿易総額の前年比増減率 6.3%増
2025年貿易総額 3兆600億リンギ
2025年貿易総額(日本円換算) 約120兆円
為替レート換算基準 約39円/リンギ
2025年対米ドルリンギ上昇率 約10.2%
世界競争力ランキング2026順位 15位
世界競争力ランキング2025順位 23位
公聴会参加者数 約400人

この事例から確認すべきポイント

マレーシア財務省による2027年国家予算編成に向けた公聴会の開催は、同国の経済政策や重点分野の方向性を把握する上で重要な情報源である。現地に進出している、または進出を検討している日系企業にとっては、生活費高騰対策、社会保障、労働者福祉、税制見直し(法人税やGST、SSTの動向)、インセンティブの拡充といった現地施策の変更が自社の事業活動やコスト構造に直結する。広報・実務担当者としては、専用ウェブサイト等を通じたパブリックコメントの動向や、10月9日の国会提出に向けた財政・税制方針の変化を注視し、関連部門へ迅速に共有する必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-31

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