中国、スポーツ分野の5カ年規画を発表、2030年までにスポーツ産業規模を7兆元超へ
この発表の要点
- 中国国家体育総局が2026年から2030年までの「体育強国建設『第15次5カ年』規画」を発表した。
- 2030年までにスポーツ産業規模を7兆元超(約168兆円)に拡大することを目指す。
- 国民向けスポーツ施設の整備(5,000カ所以上新設・改修)やアウトドアスポーツ拠点の整備(100カ所)など、具体的な施策が示されている。
企業・自治体への影響
中国のスポーツ産業に関わる企業(スポーツ用品、施設運営、イベント企画、観光、テクノロジーなど)は、市場拡大の機会を捉えるため、この規画の詳細を分析し、事業戦略に反映させる必要があります。特に、施設整備やイベント展開、アウトドアスポーツ振興は、関連する日本企業にとっても中国市場参入や連携の可能性を示唆します。
対応すべきこと
- 中国のスポーツ産業関連市場の動向を継続的に情報収集する。
- 自社の製品・サービスが中国のスポーツ振興策に合致するか評価する。
- 中国市場への参入や既存事業拡大の可能性について、関係部門(経営企画、海外事業、営業など)と協議する。
- 中国のパートナー企業との連携や投資機会について調査を開始する。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国国家体育総局 |
|---|---|
| 業界 | スポーツ / レジャー |
| 発表日 | 2026-07-22 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月03日
中国国家体育総局は7月22日、「体育強国建設『第15次5カ年』規画」(以下、同規画)を発表した。同規画は「国民経済と社会発展第15次5カ年(2026~2030年)規画綱要」(2026年3月11日記事参照)ならびに「体育強国建設綱要」(注1)に基づき制定された。
同規画は、2030年までの国民向けスポーツサービスの一層の充実、競技スポーツの国際競争力の向上、スポーツ産業による経済・社会発展への寄与の拡大などを目指すとした。また、1人当たりスポーツ施設面積を約4平方メートル、定期的にスポーツ活動に参加する人の割合を約40%、スポーツ産業規模を7兆元(約168兆円、1元=約24円、注2)超とするなど、5つの主要指標を設定した。同規画で示された主な基本方針は次のとおり。
国民向けスポーツサービスの充実と健康増進の推進
競技スポーツ管理体制の改革と国際競争力の向上
青少年スポーツの強化と次世代人材の育成
3大球技(サッカー、バスケットボール、バレーボール)の振興
スポーツ産業の高度化と市場の拡大
スポーツ文化の振興
スポーツ分野における対外交流・協力の深化
スポーツ発展を支える基盤の整備
安全管理とガバナンスの強化
このうち1.については、都市部と農村部におけるスポーツ施設の一体的整備を推進するとともに、高齢者や子供に配慮した施設整備およびバリアフリー化を進めるとした。また、住民が身近に利用でき、アクセスしやすい小規模スポーツ公園、フィットネスセンター、多目的運動場、一般向けスケート場などを5,000カ所以上新設または改修するとした。
2.については、科学・デジタル技術の活用によるトレーニング水準の向上や、近代的な競技スポーツ大会運営システムの構築、プロスポーツの発展を推進するとした。
5.については、フィットネス・レジャー産業の多様化、スポーツイベント産業チェーンの高度化、自主IP(知的財産)を中心としたスポーツイベントエコシステムの構築を推進する。また、「スポーツイベントを楽しみ、中華の食文化を味わう」などのイベントの展開や「試合観戦のための旅行」などのイベントを継続するとともに、地域横断的なスポーツイベントの開催を支援する。さらに、山岳、水上、氷雪、低空域などアウトドアスポーツの発展に注力し、全国で100カ所の質の高いアウトドアスポーツ拠点を整備するとした。
(注1)「体育強国建設綱要」は、中国国務院が2019年に発表したスポーツ振興に関する中長期方針。2020年、2035年、2050年の3段階の目標を設定しており、2035年までに、定期的にスポーツ活動に参加する人の割合を45%以上に引き上げ、2050年までに社会主義現代化スポーツ強国を全面的に建設し、スポーツ分野の総合力や国際的影響力を世界トップレベルに引き上げることを目指すとしている。
(注2)2024年のスポーツ産業規模は3兆8,400億元だった。
(張敏)
(中国)
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中国、スポーツ分野の5カ年規画を発表、2030年までにスポーツ産業規模を7兆元超へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/6090844f19815ebb.html
時系列
- 2019-01-01 中国国務院がスポーツ振興に関する中長期方針「体育強国建設綱要」を発表
- 2024-01-01 中国のスポーツ産業規模が3兆8,400億元に達する
- 2026-07-22 中国国家体育総局が「体育強国建設『第15次5カ年』規画」を発表
- 2030-01-01 スポーツ産業規模を7兆元超、定期的にスポーツ活動に参加する人の割合を約40%、1人当たりスポーツ施設面積を約4平方メートルとすることを目指す
- 2035-01-01 定期的にスポーツ活動に参加する人の割合を45%以上に引き上げること(「体育強国建設綱要」の目標)
- 2050-01-01 社会主義現代化スポーツ強国を全面的に建設すること(「体育強国建設綱要」の目標)
主な数値
| スポーツ産業規模目標 | 7兆元 |
|---|---|
| スポーツ産業規模目標(円換算) | 168兆円 |
| 1人当たりスポーツ施設面積目標 | 4平方メートル |
| 定期的にスポーツ活動に参加する人の割合目標 | 40% |
| 新設または改修する小規模スポーツ施設数 | 5000カ所以上 |
| 質の高いアウトドアスポーツ拠点整備数 | 100カ所 |
| 2024年のスポーツ産業規模 | 3.84兆元 |
| 規画の主要指標数 | 5つ |
| 基本方針の数 | 9つ |
この事例から確認すべきポイント
中国が発表した「体育強国建設『第15次5カ年』規画」は、2026年から2030年までのスポーツ分野における国家戦略を示すものであり、スポーツ産業の成長を国家目標として明確に位置づけている点が注目されます。2030年までにスポーツ産業規模を7兆元超に拡大するという目標は、関連産業にとって大きなビジネスチャンスを意味します。特に、スポーツ施設の新設・改修、フィットネス・レジャー産業の多様化、スポーツイベント産業の高度化、アウトドアスポーツ拠点の整備といった具体的な施策は、スポーツ用品メーカー、施設運営企業、イベント企画会社、観光業など、幅広い企業に影響を与える可能性があります。また、科学・デジタル技術の活用や自主IPを中心としたエコシステム構築の推進は、テクノロジー企業やコンテンツプロバイダーにも新たな市場機会をもたらすでしょう。日本企業にとっては、中国市場への参入や既存事業の拡大を検討する上で、この規画の動向を注視し、具体的なニーズや投資機会を分析することが重要となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-03
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