ジェトロ、4月以降施行の輸出管理関連法令を解説するセミナーを大連で開催
この発表の要点
- 中国では2026年1月以降、輸出管理規制が強化されており、日系企業の実務負担が増加している。
- 企業信用区分の細分化、両用品目輸出時の申告義務化、法定検査対象品目の拡大、特定設備・ドローンの輸出申告厳格化など、複数の新法令が施行されている。
- HSコードの誤認や不適切な品目分類が船積み遅延につながる事例が増加しており、事前の精査と規制該当性確認が重要である。
企業・自治体への影響
中国で事業を展開する製造業を中心とした日系企業は、輸出管理関連法令の頻繁な改正により、コンプライアンス体制の見直しと実務プロセスの変更が求められます。特に、輸出部門、法務部門、経理部門は、新たな申告義務や検査対象の拡大、信用区分制度の変更に対応し、船積み遅延などの事業リスクを回避するための対策を講じる必要があります。
対応すべきこと
- 中国の輸出管理関連法令(海関総署公告等)の最新情報を継続的に収集し、自社事業への影響を確認する。
- 自社の輸出製品・サービスが、両用品目輸出管理リストや法定検査対象品目に該当しないか、HSコードを含め品目分類を精査する。
- 輸出申告手続きの厳格化に対応するため、規制該当性の自己申告、技術指標の記載、技術資料の添付体制を整備する。
- 関係部門(輸出、法務、経理、生産管理など)と連携し、社内コンプライアンス体制および実務フローを見直す。
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-07-01 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月01日
ジェトロは6月24日、中国の遼寧省・大連市で輸出管理に関する最新法令を解説するセミナーを開催した。製造業を中心とした日系企業が参加した。中国では、2026年1月以降、一部鉄鋼製品の輸出許可証管理や両用(デュアルユース)品目に対する輸出規制が強化され、中国進出日系企業からは実務負担の増加を懸念する声などが上がっている。こうした状況を踏まえ、ジェトロは4月16日に「大連における輸出管理の動向と対応」をテーマとしたセミナーを開催した(2026年4月24日記事参照)。今回のセミナーは、その第2弾として実施された。
前回に引き続き、昶徳東来物流(大連)の関国哲総経理が講師を務め、4月以降に施行された税関関連公告を中心に、制度改正の内容や企業実務への影響について解説した。
具体的には、4月1日施行の海関総署公告2026年第282号(2026年2月2日記事参照)では、企業信用区分を従来の3段階から5段階へ細分化した。例えば、「厳重失信企業(甚大な信用失墜企業)」を新設し、違反企業に対する管理を強化した。一方、悪意のない軽微な違反については、是正の機会を設けるなど過度な処分を回避する仕組みも導入された。
また、4月29日施行の第40号公告では、両用品目輸出管理リスト掲載製品の輸出時に、輸出貨物通関申告書(報関単)への「禁限管制識別コード」および「禁限管制申告要素」の入力が義務化された。さらに6月1日施行の第57号公告では、法定検査対象品目が拡大され、児童用品、電子製品、低電圧電気器具などで抜き取り検査の対象となるリスクが高まったと説明した。
このほか、6月30日施行の第77号公告および第78号公告(2026年6月11日記事参照)では、旋盤やフライス盤、研削盤などの材料加工設備ならびにドローンおよび関連物品を対象に、輸出申告手続きが厳格化された。規制該当性の自己申告や技術指標(注)の記載、技術資料の添付が義務付けられる。越境ECを含む全ての通関形態に適用される点も注目されると指摘した。
実務上の留意点として、HSコードの誤認や不適切な品目分類により、開梱(かいこん)検査や再申告が繰り返され、船積みの遅延につながる事例が増えていると説明し、事前の品目分類の精査と規制該当性の確認の重要性を強調した。
参加者アンケートでは、「最新の政策動向をタイムリーに把握できた」「制度改正の背景だけではなく、実務経験に基づく具体的な解説が参考になった」などの声が寄せられた。
(注)「禁限管制申告要素」の入力には、両用品目輸出管理リストの要件に従い、主要技術指標を記載し、判断根拠を示す必要がある。
(呉暁東)
(中国)
ビジネス短信 6927edf56c958dd3
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ジェトロ、4月以降施行の輸出管理関連法令を解説するセミナーを大連で開催
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/6927edf56c958dd3.html
時系列
- 2026-01 中国で一部鉄鋼製品の輸出許可証管理や両用品目に対する輸出規制が強化され始める
- 2026-04-01 海関総署公告2026年第282号が施行され、企業信用区分が3段階から5段階へ細分化
- 2026-04-16 ジェトロが「大連における輸出管理の動向と対応」をテーマとしたセミナーを開催(第1弾)
- 2026-04-29 第40号公告が施行され、両用品目輸出時の「禁限管制識別コード」および「禁限管制申告要素」の入力が義務化
- 2026-06-01 第57号公告が施行され、法定検査対象品目が拡大
- 2026-06-24 ジェトロが中国大連市で輸出管理に関する最新法令を解説するセミナーを開催(第2弾)
- 2026-06-30 第77号公告および第78号公告が施行され、材料加工設備やドローン等の輸出申告手続きが厳格化
主な数値
| 企業信用区分の段階数(旧) | 3段階 |
|---|---|
| 企業信用区分の段階数(新) | 5段階 |
| セミナー開催回数 | 2回 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、中国における輸出管理関連法令の頻繁な改正と、それに対する日系企業の対応の重要性を示唆しています。特に、企業信用区分の細分化は、違反企業への管理強化と同時に、悪意のない軽微な違反に対する是正機会の提供という二面性を持つため、企業は自社の信用区分を正確に把握し、適切なコンプライアンス体制を構築する必要があります。また、両用品目や特定設備・ドローンに関する輸出申告手続きの厳格化は、HSコードの誤認や不適切な品目分類が船積み遅延に直結するリスクを高めており、事前の精査と規制該当性の確認が不可欠です。越境ECを含む全ての通関形態に適用される点も、広範な企業活動に影響を与えるため、関連部門間での情報共有と連携が求められます。ジェトロが複数回にわたりセミナーを開催していることからも、この問題の複雑性と重要性がうかがえ、企業は継続的な情報収集と社内体制の見直しを行うべきです。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-01
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