米商務省、ボッシュのSiC半導体製造に2億2,500万ドルの助成を発表
この発表の要点
- 米国商務省はCHIPSプラス法に基づき、ボッシュのSiC半導体製造に最大2億2,500万ドルの助成を発表した。
- ボッシュはカリフォルニア州ローズビル工場をSiC半導体製造施設へ転換し、2026年内に量産開始を予定している。
- ボッシュは今後5年間で米国に75億ドルを投資する計画であり、SiC半導体はBEVやデータセンターの効率化に貢献する。
企業・自治体への影響
半導体製造、自動車部品、データセンター関連企業は、米国政府のCHIPSプラス法に基づく補助金政策が、国内産業基盤強化とサプライチェーン安定化に与える影響を注視する必要があります。特に、SiC半導体技術の進展は、電気自動車やAIデータセンターのエネルギー効率に直結するため、関連する製造業やITインフラ部門は、技術動向と市場変化への対応が求められます。
対応すべきこと
- 米国での事業展開を検討している企業は、CHIPSプラス法に基づく補助金制度の詳細を公式出典で確認する。
- SiC半導体技術の動向が自社製品やサービスに与える影響について、研究開発部門や事業開発部門と情報共有を行う。
- 米国政府の経済安全保障政策が、サプライチェーンや投資戦略に与える中長期的な影響を評価する。
- 関連する業界団体や専門家からの情報収集を継続し、自社の事業戦略に反映させる。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務 総務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 米国商務省CHIPSプログラム局 |
|---|---|
| 業界 | 半導体製造 |
| 発表日 | 2026-07-13 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月16日
米国商務省傘下の国立標準技術研究所(NIST)は7月13日、同省CHIPSプログラム局が、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、ドイツに本社を置く自動車部品・電動工具メーカー、ボッシュの米国子会社であるロバート・ボッシュ・セミコンダクターに対して、最大2億2,500万ドルを助成する直接資金提供契約を結んだと発表した。ボッシュと商務省は、バイデン前政権下の2024年12月に予備的覚書(PMT)を結んでいた(2024年12月19日記事参照)。
ボッシュは20億ドルを投じ、カリフォルニア州ローズビルにある既存の製造施設を、最先端の炭化ケイ素(SiC)半導体製造施設へ転換する計画を進めていた。今回の助成金は、SiC半導体生産のための新たなクリーンルームスペースおよび先進的な製造ラインの開発に活用される。商務省によると、試作はすでに開始しており、2026年内に量産開始の予定だ。ローズビル工場は、同社にとって米国初の半導体生産拠点となる。今回の助成金交付に伴い、ボッシュは今後5年間で米国に75億ドルを投資する。
ボッシュも同日プレスリリースを発表し、ボッシュ北米法人社長のポール・トーマス氏は、「当社は、グローバル事業ポートフォリオにおける北米、特に米国が占める割合を高めるため、米国での成長と投資に注力している」と述べた。同社によれば、SiC半導体は、高電圧、高温、高速スイッチングをより効率的に処理できるため、バッテリー式電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)の航続距離の延伸や充電効率の向上に貢献する。さらに、高効率で高出力の電力変換を、発熱を抑えつつ実現できる上、部品の小型化を可能にするため、データセンターのエネルギー消費効率化などにも活用できる可能性があるという。米国では現在、人工知能(AI)向けデータセンターの需要急増に伴う、電力不足が大きな社会課題の1つになっている(2026年7月2日記事参照)。
CHIPSプラス法はバイデン前政権下で成立した法律だが、トランプ政権下でも同法に基づく助成が相次いでいる。2026年6月には今回のケースと同様、バイデン前政権下でPMTを結んでいた光半導体メーカーのコヒレントに対し、最大5,000万ドルを助成すると発表した(2026年6月19日記事参照)。2025年9月以降は、米国のマイクロエレクトロニクス技術を前進させる先端半導体やAI、量子技術などの研究開発プロジェクトを募集しており、これまでに11社への助成を発表している(2026年6月30日記事参照)。トランプ政権は、半導体など経済安全保障で重要となる戦略分野では、補助金を活用して米国内の産業基盤の強化に努めている。
(赤平大寿)
(米国)
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米商務省、ボッシュのSiC半導体製造に2億2,500万ドルの助成を発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/2394426e11a66d16.html
時系列
- 2024-12 ボッシュと商務省が予備的覚書(PMT)を締結
- 2025-09 米国のマイクロエレクトロニクス技術研究開発プロジェクトの募集開始(以降)
- 2026-06 光半導体メーカーのコヒレントに対し、最大5,000万ドルの助成が発表される
- 2026-07-13 米国商務省CHIPSプログラム局がボッシュへの助成を発表
- 2026年内 ボッシュのSiC半導体の量産開始予定
主な数値
| 助成金額 | 225000000ドル |
|---|---|
| ボッシュの米国投資(計画) | 2000000000ドル |
| ボッシュの将来投資(5年間) | 7500000000ドル |
| コヒレントへの助成金額 | 50000000ドル |
| CHIPSプラス法に基づく助成企業数 | 11社 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、米国政府がCHIPSおよび科学法に基づき、半導体産業の国内基盤強化を強力に推進している現状を示すものです。特に、ボッシュのようなグローバル企業が米国での大規模投資を決定し、政府からの助成を受ける事例は、経済安全保障の観点から戦略分野への投資を促す政策効果を明確にしています。SiC半導体は、電気自動車やデータセンターのエネルギー効率向上に不可欠であり、米国内での生産能力強化は、サプライチェーンの安定化と技術的優位性の確保に寄与すると考えられます。企業は、自社の事業が関連する国の政策動向を注視し、補助金制度や投資インセンティブの活用可能性を検討することが重要です。また、半導体技術の進化が、自動車産業やITインフラに与える影響も継続的に把握する必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-16
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