経済・産業トレンド

オープン・イノベーション展示会「ビバテック」がパリで開催

欧州最大級のオープン・イノベーションとスタートアップの展示会「ビバテック2026」がパリで開催されました。来場者20万人超、165カ国から1万5,000社超のスタートアップが参加し、AIや技術主権が注目のテーマとなりました。日本からは地方自治体7団体、スタートアップ37社、大企業2社が参加し、「JAPAN VILLAGE」を出展。ジェトロはミートアップやリバースピッチなどのサイドイベントも開催し、国際的なビジネス機会創出を支援しました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

本発表は、AI、サイバーセキュリティ、半導体、宇宙、ヘルスケアなどの先端技術分野で国際的なビジネス展開を目指す企業、特にスタートアップや大企業の経営者、事業開発部門、広報部門に影響があります。欧州の技術主権確立に向けた動きは、欧州市場への参入戦略や技術提携の検討において重要な考慮事項となります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 情シス 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 日本貿易振興機構(ジェトロ)
業界 IT・スタートアップ・展示会
発表日 2026-07-09
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月09日

添付資料(1 MB)

欧州最大級のオープン・イノベーションとスタートアップの展示会「ビバテック2026」が6月17~20日に、フランスのパリで開催された。第10回となる今回、主催者発表では来場者数が20万人を超え、165カ国から1万5,000社を上回るスタートアップが参加した。

今回、注目のテーマは、人工知能(AI)、クラウド、サイバーセキュリティー、半導体、量子コンピューティング、防衛といった分野全般での欧州の自律を目指す「技術主権」で、特にAI分野では業務への実装に関しても議論された。展示会に先立ち、セバスチャン・ルコルニュ首相はAI分野への追加投資や、フランス政府が利用するAI分析基盤を、米国のAI企業からフランスのチャップ・ビジョン(ChapsVision)が提供する基盤に移行することを発表した(2026年6月19日記事参照)。会期中は、フランスとドイツによるデジタル政策の協力枠組み「Franco-German Forum for the Future」(注1)の再始動や、LVMHグループが自社システム用クラウドのプロバイダーにフランスのスカルウェイ(Scaleway)を選択したことの発表などがあり、AI基盤の構築における欧州協調と技術主権確立に向けた動きが見られた。そのほかの分野では、ジェフ・ベゾス氏と米国のブルーオリジンに加え、欧州企業のエクスプロレーション・カンパニー(The Exploration Company)やマイア・スペース(Maia Space)といった「欧州宇宙主権」における有力企業が登壇し、商業宇宙飛行や欧州の技術力について発信した宇宙分野、ロレアルやサムスンが長寿やウェルビーイング分野における取り組みを紹介したヘルスケア分野などが注目された。

日本からは、地方自治体7団体、スタートアップ37社および大企業2社が参加し、「JAPAN VILLAGE」を出展。出展企業の分野は、AI、気候テック、ヘルスケア、ロボティクス、バイオ・素材など多岐にわたった(出展企業一覧は添付資料参照)。特設ステージでは、ピッチやパネルセッションを開催。出展企業・自治体のみならず、フランスとの協業を目指す日本企業や、ジェトロのJ-StarX Europe Long-term Program (France)に参加するスタートアップも登壇し、自社事業やニーズについて紹介。さらに2026年10月に大阪で開催されるスタートアップ展示会「Global Startup Expo」の紹介セッションも行われた。

桜の花びらをモチーフにしたJAPAN VILLAGEの特設ステージでのピッチ(ジェトロ撮影)

ジェトロは複数のサイドイベントも開催した。まず、ユーラゼオ(Eurazeo)、ジョルト・キャピタル(Jolt Capital)といった有力ベンチャーキャピタル(VC)と連携し、欧州のVC、コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と日本のスタートアップとのコネクション形成支援を目的としたミートアップを実施し、120人以上が参加した。

活況を呈したミートアップイベント(ジェトロ撮影)

また、ジェトロのJ-Bridge事業(注2)の一環として、日本の大手企業6社(DNP Europa、フジタ、富士通、OKI Europe、三菱重工業、ソフトバンク)によるAI、サステナビリティー、ディープテック分野のリバースピッチを開催した。各社は、スタートアップや研究機関との連携・投資を見据え、自社の事業課題の解決や事業拡大に資する革新的な技術・ソリューションの提案を参加者に募った。

リバースピッチイベントでの質疑応答(ジェトロ撮影)

参加したスタートアップからは、「欧州・南米・アフリカなど、多数のビジネスコンタクトを獲得した」「欧州の投資家や業界関係者とのネットワーク構築につながった」「欧州VCの視点を学ぶことができた」といった評価が寄せられた。

次回のビバテックは2027年6月16~19日に開催される。

(注1)2019年1月、仏独協力の一層の深化を目的として締結したアーヘン条約(Aachen Treaty)第22条に基づく枠組み。デジタル主権に関する共通アジェンダの実施および発展を促進するべく再始動した。
(注2)日本企業とスタートアップなどの海外企業の国際的なオープン・イノベーション創出のためのビジネスプラットフォーム。

(鈴木七海、大野裕太郎)

(フランス、ドイツ、日本、米国)

ビジネス短信 b3ed35f7c1673416

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

オープン・イノベーション展示会「ビバテック」がパリで開催

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/b3ed35f7c1673416.html

時系列

主な数値

ビバテック2026来場者数 200000人
ビバテック2026参加スタートアップ数 15000社
日本からの参加地方自治体数 7団体
日本からの参加スタートアップ数 37社
日本からの参加大企業数 2社
ジェトロ主催ミートアップ参加者数 120人
J-Bridge事業リバースピッチ参加日本大手企業数 6社

この事例から確認すべきポイント

欧州最大級のオープン・イノベーション展示会「ビバテック」は、AI、サイバーセキュリティ、半導体、量子コンピューティングといった先端技術分野における欧州の「技術主権」確立に向けた強い意志と具体的な動きを示しました。フランス政府によるAI投資や基盤移行の発表、仏独のデジタル政策協力枠組みの再始動、欧州企業のクラウド選択などは、欧州市場における技術動向と政策的支援の方向性を明確にしています。日本企業にとっては、このような国際展示会への参加は、欧州市場への参入、最新技術トレンドの把握、有力スタートアップやVCとのネットワーキング、そして国際的なオープンイノベーション機会の創出に不可欠です。ジェトロによる「JAPAN VILLAGE」出展支援やサイドイベントの開催は、日本企業が国際舞台で存在感を示し、具体的なビジネス成果に繋げるための重要なプラットフォームを提供していると言えます。特に、リバースピッチは大手企業が具体的な課題を提示し、スタートアップとの協業を模索する点で、効率的なマッチングを促進する有効な手段です。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-09

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する