EU調和型化粧品技術規則の本格導入を延期
この発表の要点
- ウクライナの化粧品技術規則の本格導入日が2026年8月3日から2027年7月31日に延期された。
- 移行期間が延長され、2027年7月30日以前に市場投入された製品は、新規則に適合せずとも販売が認められる。
- ウクライナの規則はEU規則に準拠しつつも、ウクライナ居住の責任者指定、独自の電子通知制度、ウクライナ語でのラベル・書類整備といった独自要件がある。
企業・自治体への影響
化粧品製造・販売企業、特にウクライナ市場への輸出を検討している企業は、新たな技術規則への適合準備期間が延長されたことで、対応計画の見直しや準備の猶予が得られる。ただし、ウクライナ独自の要件には引き続き注意が必要であり、法務・品質管理・国際事業部門が影響を受ける。
対応すべきこと
- ウクライナ市場向け化粧品の製造・販売計画について、延期された本格導入日と移行期間を考慮し、対応スケジュールを見直す。
- ウクライナ独自の要件(責任者、電子通知、ウクライナ語表示など)について、詳細を公式出典(保健省令第2147号など)で確認し、必要な準備を進める。
- 関係部門(法務、品質管理、国際事業、広報など)へ本発表の内容を共有し、連携して対応方針を検討する。
- 今後もウクライナの化粧品規制に関する動向を継続的に監視し、最新情報を把握する。
対象部門: 経営者 法務 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 化粧品製造業 |
| 発表日 | 2026-08-14 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月14日
ウクライナ閣僚会議は、EU制度と調和させた「化粧品に関する技術規則」の本格的導入日を、2026年8月3日としていたところ、2027年7月31日に延期した(7月29日付閣僚会議決定第976号)。
「化粧品に関する技術規則」は、2021年1月20日に承認され、2024年8月3日から施行された。ただし移行期間が設けられ、2026年8月2日以前に市場に投入された製品については、新たな技術規則を満たさない場合でも継続して販売することを認めていた。閣僚会議決定第976号により、移行期間が延長され、2027年7月30日以前に市場に投入された製品についても、技術規則の適合によらず販売を認めることとした。一方で、第976号に先立ち6月4日に承認され12月13日に発効する予定の閣僚会議決定第737号では、2026年8月2日以前に市場に投入された製品については、2030年8月2日までの販売・流通を認めることとしている。
ウクライナの「化粧品に関する技術規則」はEUの化粧品規則1223/2009におおむね準じているが、一部ウクライナ独自の要件となっている。主な内容は次のとおり。
成分規制:技術規則の付属書にて配合禁止成分、配合制限物質、配合可能な色素、防腐剤、紫外線吸収剤が掲載されている。CMR物質(発がん性・変異原性・生殖毒性物質)やナノマテリアルを含め、EU規則にほぼ準拠しているが、EU規則と異なりCMR物質使用の例外的使用要件は設定されていない。
「責任者」の設定:技術規則の順守に責任を負う。ウクライナ居住者の法人または個人を指定する。
製品情報の通知:保健省が管轄する電子通知システムを通じて、責任者は市場投入前の製品情報を通知する。通知内容には、製品名・分類、責任者の氏名・住所・連絡先、原産国、ラベル情報、ナノマテリアルやCMR物質に関する情報、処方名・骨格処方または独自処方、緊急時の医療対応に必要な成分情報などが含まれる(注)。
製品情報ファイル(PIF):責任者はPIFを整備し、最終製造ロットの市場投入日から10年間保存する義務を負う。PIFには製品情報、化粧品安全性報告書、製造方法および適正製造基準(GMP)への適合宣言、効能の根拠資料、動物実験情報などを記載する。
ラベル表示:責任者の名称・住所、原産国、内容量、使用期限や開封後品質保持期間、使用上の注意、ロット番号、用途、成分一覧などを記載し、ラベルや使用説明書はウクライナ語で作成する必要がある。
動物実験:規則への適合性確認のためウクライナ国内で動物実験を行うこと、妥当性が検証・承認された代替法以外による動物実験が行われた化粧品または化粧品原料を含む化粧品を販売することは禁止されている。
ウクライナの「化粧品に関する技術規則」はEU規制と高い整合性を有しているが、ウクライナ国内の責任者の指定、独自の電子通知制度、ウクライナ語によるラベル・書類整備といった独自要件に留意が必要だ。
(注)詳細は2023年12月18日付保健省令第2147号を参照。
(洞ノ上佳代)
(ウクライナ、EU)
ビジネス短信 e5b2db080c2169c2
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EU調和型化粧品技術規則の本格導入を延期
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/e5b2db080c2169c2.html
時系列
- 2021-01-20 「化粧品に関する技術規則」が承認された。
- 2024-08-03 「化粧品に関する技術規則」が施行された。
- 2026-08-02 移行期間の当初終了日(この日以前に市場に投入された製品は、新たな技術規則を満たさない場合でも継続して販売を認められていた)。
- 2026-08-03 「化粧品に関する技術規則」の本格的導入の当初予定日。
- 2027-07-30 移行期間の延期後終了日(この日以前に市場に投入された製品は、技術規則の適合によらず販売を認めることとした)。
- 2027-07-31 「化粧品に関する技術規則」の本格的導入の延期後導入日。
- 2030-08-02 閣僚会議決定第737号により、2026年8月2日以前に市場に投入された製品の販売・流通を認める期限。
主な数値
| 本格導入日の当初予定日 | 2026-08-03日付 |
|---|---|
| 本格導入日の延期後 | 2027-07-31日付 |
| 移行期間の当初終了日 | 2026-08-02日付 |
| 移行期間の延期後終了日 | 2027-07-30日付 |
| PIF保存義務期間 | 10年間 |
| EU化粧品規則 | 1223/2009規則番号 |
| 閣僚会議決定(延期) | 第976号決定番号 |
| 閣僚会議決定(販売・流通期限) | 第737号決定番号 |
| 保健省令(製品情報通知詳細) | 第2147号省令番号 |
| 2026年8月2日以前投入製品の販売・流通期限 | 2030-08-02日付 |
この事例から確認すべきポイント
ウクライナによるEU調和型化粧品技術規則の本格導入延期は、同国市場で事業を展開する、または輸出を検討する化粧品企業に対し、新たな規制への適合準備期間の延長という猶予を提供する。しかし、この延期は規制環境の流動性を示唆しており、企業は引き続きウクライナ独自の要件(責任者の指定、独自の電子通知制度、ウクライナ語によるラベル・書類整備など)に細心の注意を払う必要がある。また、複数の閣僚会議決定が存在することから、規制内容の正確な把握と解釈の重要性が浮き彫りになる。企業は、この期間を利用して、コンプライアンス体制の再確認と必要な調整を進めるべきである。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-14
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