中国、住宅積立金管理条例を改正、多様な住宅関連支出ニーズに対応
この発表の要点
- 住宅積立金の拠出率は従業員の前年度月平均賃金の5%以上とし、省・自治区・直轄市人民政府の承認を受ける。
- 引き出し条件が家賃やリフォーム、管理費支払いなど多様な住宅関連消費に拡大された。
- 引き出し申請の審査は受理から3日以内、ローン審査期間は10日以内に短縮された。
企業・自治体への影響
中国に現地法人や事業拠点を有する企業の総務・人事・財務部門において、従業員の住宅積立金(住房公積金)の拠出管理や関連手続きの迅速化への対応が求められる。現時点で取得できた本文からは、詳細を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。
対応すべきこと
- 公式出典および関連規定を確認し、自社の現地法人における積立金拠出率の適合性を確認する
- 現地法人の総務・人事部門へ本改正内容を共有し、引き出しやローン手続きの期間短縮に対応する
- 中国における不動産市場の動向や現地従業員の住宅関連支出ニーズの変化を注視する
対象部門: 総務 人事 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 中国国務院 |
|---|---|
| 業界 | 不動産・建設 |
| 発表日 | 2026-08-20 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月20日
中国国務院は8月10日、「『住宅積立金(注)管理条例』改正に係る決定」を発表した(中国政府ウェブサイト掲載は8月18日)。今回の発表における主な改正点は次のとおり。
住宅積立金の拠出率に関して、「従業員および事業主の住宅積立金の拠出率は、従業員の前年度の月平均賃金の5%以上とし、国の規定する上限を越えないものとする。具体的な拠出率は、住宅積立金管理委員会が案を策定し、当該管理委員会と同じ行政レベルの人民政府の審査を経て、省・自治区・直轄市人民政府の承認を受けるものとする」に改正(第18条)。
住宅積立金の引き出し条件に関して、「従業員が以下のいずれかの状況に該当する場合、住宅積立金口座内の積立残高を引き出すことができる。(1)家賃を支払う場合。(2)自身が居住する住宅の購入、建設、改築または大規模修繕を行う場合。(3)住宅購入ローンの元本を返済する場合。(4)自身が居住する住宅のリフォームを行う場合。(5)自身が居住する住宅の管理費を支払う場合。(6)退職した場合。(7)労働能力を完全に喪失し、かつ事業主との労働関係が終了した場合。(8)海外へ移住・定住する場合。(9)その他、国務院が認める住宅関連消費に該当する場合。前項(6)、(7)、(8)の規定に基づき従業員が積立残高を引き出す場合、当該従業員の住宅積立金口座を同時に抹消することができる」に改正(第24条第1項および第2項)。
住宅積立金の引き出し申請審査に要する期間に関して、「住宅積立金管理センターは、申請受理日から3日以内に引き出しの可否を決定した上で、結果を申請者に通知する。引き出しを認める場合は、受託銀行が支払い手続きを行う」に改正(第25条)。
そのほか、住宅積立金ローンの審査期間が従来の15日以内から10日以内に短縮される(第26条第2項)など、手続きの簡便化が規定された。
司法部および住宅都市・農村建設部は8月18日の記者会見で、今回の条例改正の背景について、国内の不動産市場の発展や就業構造の変化に伴い、住宅関連の消費形態が多様化し、住宅積立金の使用・管理についても新たなニーズが発生していることを挙げた。また、同改正により、住宅積立金の引き出し・使用範囲が拡大することで、積立者の多様な住宅関連支出ニーズへの対応が可能になるとした。
条例改正の背景には、不動産市場の安定や、不動産市場の新たな発展モデルを構築することも含まれている。中国では不動産市場の不況が続いており、国家統計局の発表によると、2026年1~7月の不動産開発投資は前年同期比19.2%減と大幅に減少している(うち住宅開発投資は19.1%減)。
(注)住宅積立金(中国語で「住房公積金」)とは、中国の住宅保障制度のひとつで、企業と従業員が共同で積み立てる公的な住宅資金のこと。住宅購入、住宅ローン返済、賃貸住宅の家賃支払いなどに利用できる。
(西島和希)
(中国)
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中国、住宅積立金管理条例を改正、多様な住宅関連支出ニーズに対応
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/1cbb0033780e3875.html
時系列
- 2026-08-10 中国国務院が「『住宅積立金管理条例』改正に係る決定」を発表
- 2026-08-18 中国政府ウェブサイトへの掲載および司法部・住宅都市・農村建設部による記者会見の実施
- 2026-08-20 ジェトロビジネス短信にて発表内容を配信
主な数値
| 住宅積立金拠出率の下限 | 5% |
|---|---|
| 住宅積立金の引き出し審査期間 | 3日以内 |
| 住宅積立金ローンの審査期間 | 10日以内 |
| 2026年1〜7月の不動産開発投資の前年同期比減 | 19.2%減 |
| 2026年1〜7月の住宅開発投資の前年同期比減 | 19.1%減 |
この事例から確認すべきポイント
中国における住宅積立金管理条例の改正は、不動産市場の不況や就業構造の変化に伴う住宅関連消費の多様化に対応するためのものである。企業実務においては、従業員の福利厚生や給与・報酬関連の積立制度における拠出率の管理、手続きの迅速化(ローン審査10日以内、引き出し審査3日以内)への適応が求められる。現地法人を持つ企業や中国ビジネスに関与する組織の総務・人事・財務部門は、制度改正による労務管理上の影響や従業員のニーズ変化を正確に把握し、対応を検討する必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-20
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