中国外交部、AI協力イニシアチブに関する米国の対応について態度表明、各国がパートナーを選択する権利を主張
この発表の要点
- 中国外交部が米国のAIイニシアチブにおける二者択一の要求に反対し、パートナー選択の権利を主張。
- 世界AI協力機構の設立や署名国の参加状況が言及された。
- 米国による中国AIモデルの「蒸留」調査や制裁の動きなど、米中間のAI摩擦が継続している。
企業・自治体への影響
米中のAI分野における陣営対抗や規制強化の動きは、国際的なIT・AI関連企業やグローバルサプライチェーンを持つ製造業等において、技術調達や市場展開の戦略見直しを迫る影響を与える可能性がある。
対応すべきこと
- 公式出典や関連報道を通じて米中間のAI規制・ガバナンス動向を確認する。
- 自社のAI関連技術の調達先や開発拠点における地政学リスクを評価する。
- 法務・情シス部門等で関連する国際的法制度の変化を共有・管理する。
対象部門: 経営者 法務 情シス 総務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 中国外交部 |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-08-21 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月21日
中国外交部は8月19日、米国政府が「人工知能(AI)の機会に関する共同声明」(注1)の署名国に対し、米国のイニシアチブと衝突する他のメカニズムに同時に加入しないよう求めたと報じられたこと、また、米国政府関係者が、本件の趣旨は米国と中国両国のAIエコシステムには同時に加入できないことを各国に明確に示すことにあると指摘したことについて質問を受け、回答した。
外交部は、AIは全人類共通の知恵の結晶かつ貴重な宝であり、国際社会はAIに関して広く協力することを期待しており、各国には自国の状況や発展のニーズに基づいて協力パートナーを選ぶ権利があると指摘した。その上で、中国はAIの問題において、どちらか一方を選ばせる行為や陣営による対抗に断固反対すると表明した。また、各国に対して、ゼロサム思考を捨て、心を合わせて協力するとともに、各国のデジタル主権を尊重し、公正かつ合理的なグローバルAIガバナンスシステムを共に構築し、AIを、共通の繁栄を促進し共通の安全を維持する重要なエネルギー源とするよう呼びかけた。
なお、中国は習近平国家主席が7月17日、上海市で開催された「2026世界AI大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議」の開幕式において、世界AI協力機構の設立を宣言した(2026年7月23日記事参照)。同機構に関しては発足当初に29カ国が署名したとされている。加盟国の一覧は現時点で公表されていないが、中国外交部の公表している情報によると、同機構の設立協定署名式にはカザフスタン、ラオス、パキスタン、ロシア、インドネシアなどが参加したほか、ブルネイ、トーゴ、イラン、スーダン、ベトナム、ジョージア、タンザニア、ドミニカ共和国が署名したとされている。
このほか、中国商務部は7月27日、米国政府高官が中国のAI企業による米国の先端AIモデルの「蒸留」(注2)に対する調査を表明した件について談話を発表し、一部の中国AIモデルは既にトップの位置にあるとし、米国による制裁の威嚇は典型的なAI覇権主義的行動だと指摘した(2026年8月6日記事参照)。米中摩擦がAIにも拡大する傾向にあり、今後の米中間の協議などで本問題がどのように扱われるか注目される。
(注1)同共同声明は米国国務省が6月25~26日、ワシントンで第2回「パックス・シリカ・サミット」を開催した際に発表されたもの。AI関連のサプライチェーンの安全性を確保しつつ、同分野における成長やイノベーションを促進する規制を協力して構築するための取り組みで、35カ国・地域が署名した(2026年6月30日記事参照)。
(注2)大規模で高性能なAIモデルの学習データを、より小規模なモデルに移転させる行為。
(小宮昇平)
(中国、米国)
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中国外交部、AI協力イニシアチブに関する米国の対応について態度表明、各国がパートナーを選択する権利を主張
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/ca03b19ed3310b4d.html
時系列
- 2026-06-25 米国国務省がワシントンで第2回「パックス・シリカ・サミット」を開催、35カ国・地域が「人工知能(AI)の機会に関する共同声明」に署名
- 2026-07-17 上海市で開催された「2026世界AI大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議」開幕式で世界AI協力機構の設立を宣言
- 2026-07-27 中国商務部が米国政府高官による中国AI企業の先端AIモデルの「蒸留」調査表明について談話を発表
- 2026-08-19 中国外交部が米国のAI協力イニシアチブへの対応について態度表明を実施
主な数値
| 米国共同声明の署名国・地域数 | 35カ国・地域 |
|---|---|
| 世界AI協力機構の発足当初の署名国数 | 29カ国 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、米国のAI関連イニシアチブと中国が主導する世界AI協力機構の間で、各国・企業がパートナー選定を迫られる国際的なガバナンス摩擦の動向を示している。AI分野におけるサプライチェーン規制や陣営対抗の動きは、グローバルに展開するIT企業や製造業のサプライチェーン、技術調達戦略に多大な影響を及ぼし得る。実務においては、米中間のAI関連規制や動向を注視し、各国の法規制やデジタル主権に関するリスク管理を継続的にアップデートすることが求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-21
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