経済・産業トレンド

チリのインフレ加速、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.1%に上昇

チリ国家統計局(INE)が発表した2026年8月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.6%上昇し、市場予想を大きく上回った。前年同月比は4.1%となり、中央銀行のインフレ目標である3%を引き続き超過した。食料・飲料や交通が上昇を牽引しており、今後の金融政策や市場の利下げ観測への影響が注目されている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

チリ国内のインフレ加速と物価上昇は、現地に進出する企業や貿易関連企業における現地コスト、物流費、労務管理への影響および家計の購買力低下につながる可能性がある。関係する経営・経理・海外事業部門では動向の注視が必要である。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 チリ国家統計局(INE)
業界 経済・産業トレンド
発表日 2026-09-09
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月09日

添付資料(237 KB)

チリ国家統計局(INE)は9月8日、2026年8月の消費者物価指数(CPI)が前月比0.6%上昇したと発表した。上昇率は市場予想の0.3%前後を大きく上回り、2026年の累計では3.6%、前年同月比では4.1%となった(添付資料図参照)。前年同月比の伸び率は7月の3.5%から加速し、チリ中央銀行のインフレ目標である3%を引き続き上回った。

費目別では、「食料・飲料(酒類を除く)」と「交通」が上昇を牽引した。「食料・飲料(酒類を除く)」は前月比1.4%上昇し、全体を0.317ポイント押し上げた。肉類(2.7%)や野菜・豆類・イモ類(5.5%)の上昇が寄与し、とりわけ牛肉(3.9%)やジャガイモ(17.8%)の値上がりが目立った。また、「交通」は1.6%上昇し、全体への寄与度は0.201ポイントとなった。航空旅客輸送が24.6%上昇したほか、自家用車燃料も0.9%上昇した。

一方、携帯電話機器や映像コンテンツ配信サービス料金の下落を背景に「情報通信」は前月比0.3%減となり、全体を0.017ポイント押し下げた。CPIを構成する13費目のうち、9費目が月間変動率にプラスに寄与、3費目がマイナスに寄与、1費目は影響を与えなかった。

市場関係者は、今回の結果を金融政策運営に影響する重要な材料と受け止めている。中央銀行の経済見通し調査では前月比0.3%程度の上昇が見込まれていたため、実績値は予想の約2倍となった。金融政策金利は2025年12月以降4.5%に据え置かれており、今回のインフレ加速は今後の利下げ時期に関する市場の見方に影響を与える可能性がある(注)。

地元メディアでは、豪雨による農業地帯への影響や、アルゼンチンとの主要物流ルートである国境のロス・リベルタドーレス峠の豪雪による閉鎖が食料価格を押し上げたとの見方も伝えられている。経済学者で人民党(PDG)党首のフランコ・パリシ氏は、食肉価格の上昇を受け、食肉の購入が増える9月18日の独立記念日を前に家計への負担が増していると指摘している。今後も食料品や燃料価格の動向が注目される。

(注)なお、中央銀行は9月8日の金融政策決定会合で、政策金利を4.5%に据え置くことを全会一致で決定した。

(橋爪優太)

(チリ)

ビジネス短信 62f7945389b28e20

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

チリのインフレ加速、8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.1%に上昇

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/62f7945389b28e20.html

時系列

主な数値

2026年8月の消費者物価指数(CPI)前月比上昇率 0.6%
2026年8月の消費者物価指数(CPI)市場予想(前月比) 0.3%前後
2026年の累計CPI上昇率 3.6%
2026年8月の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率 4.1%
2026年7月の消費者物価指数(CPI)前年同月比上昇率 3.5%
チリ中央銀行のインフレ目標 3%
「食料・飲料(酒類を除く)」の前月比上昇率 1.4%
「食料・飲料(酒類を除く)」の全体への押し上げポイント 0.317ポイント
肉類の前月比上昇率 2.7%
野菜・豆類・イモ類の前月比上昇率 5.5%
牛肉の前月比上昇率 3.9%
ジャガイモの前月比上昇率 17.8%
「交通」の前月比上昇率 1.6%
「交通」の全体への寄与度 0.201ポイント
航空旅客輸送の前月比上昇率 24.6%
自家用車燃料の前月比上昇率 0.9%
「情報通信」の前月比減少率 0.3%減
「情報通信」の全体への押し下げポイント 0.017ポイント
金融政策金利の据え置き値(2025年12月以降) 4.5%

この事例から確認すべきポイント

本事例は、チリにおけるインフレ率の加速と中央銀行の金融政策への影響を示している。海外市場や現地に進出する企業にとっては、現地通貨建てコストの変動や家計の購買力低下、物流コストや原材料費の上昇リスクを注視する必要がある。広報・実務担当者としては、中南米地域におけるマクロ経済動向やインフレ指標の変化が自社の現地事業計画やコスト管理、価格転嫁戦略に与える影響を継続的にモニタリングし、関係部門と共有することが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-09

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する