米上院委員会、「コネクテッドビークル安全保障法案」を承認、本会議へ
この発表の要点
- 上院商務・科学・運輸委員会が「コネクテッドビークル安全保障法案」の修正案を承認し、本会議へ移行する見通し。
- 対象国(中国、ロシア、北朝鮮、イラン)が関与するコネクテッドカーや関連ソフトウエア・ハードウエアの輸入・製造・販売・組み込みが制限される。
- 資本支配率の閾値として、車両は15%超、ソフト・ハードは25%超が基準に設定されている。
企業・自治体への影響
自動車製造業や関連するサプライチェーン企業に対し、資本構成や部品・ソフトウエアの調達先に関する見直しを迫る重大な影響を及ぼす可能性がある。経営企画、法務、調達部門において米国の法制化動向の把握が必要となる。
対応すべきこと
- 公式出典や関連法案の詳細を確認し、自社のサプライチェーンや資本構成への影響を評価する。
- 法案の今後の審議状況や適用対象の定義に関する最新情報を継続的にモニタリングする。
- 関係部門(法務、調達、経営企画)へ情報を共有し、対応方針を検討する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国上院商務・科学・運輸委員会 |
|---|---|
| 業界 | 自動車 |
| 発表日 | 2026-07-27 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月27日
米国上院商務・科学・運輸委員会は7月22日、安全保障上の敵対国(foreign adversaries、以下、対象国)とされる中国、ロシア、北朝鮮、イランが関連するコネクテッドカーの輸入、製造、販売などや、関連ソフトウエア、ハードウエアの対象車両への組み込みを禁止する「コネクテッドビークル安全保障法(Connected Vehicle Security Act of 2026)」(S.4429)について、修正案を採択し、法案を承認した。法案は今後、上院本会議での審議に移る見通しだ。
同法案の原案は、バーニー・モレノ上院議員(共和党・オハイオ州)とエリッサ・スロットキン上院議員(民主党・ミシガン州)により、超党派で2026年4月29日に提出されたもの(2026年5月7日記事参照)。今回の修正案には、主に次の内容が盛り込まれた。
(1)コネクテッドカーの設計、開発、製造、供給が、対象国で行われた場合、または、製造者、開発者、設計者、供給者が、対象国の事業体から15%超の支配を受ける場合、2027年1月1日以降、当該コネクテッドカーの輸入、製造、販売などを禁止する、
(2)ソフトウエアの設計、開発、製造、供給が対象国で行われた場合、または、製造者、開発者、設計者、供給者が、対象国の事業体から25%超の支配を受ける場合、米国において、2027年1月1日以降に輸入、製造、販売などが行われるコネクテッドカーに対し、当該ソフトウエアを組み込むことを禁止する。ただし、対象となるコネクテッドカーは2027年モデル以降に限る。
(3)車載用ハードウエアの製造、供給が対象国で行われた場合、または、製造者あるいは供給者が、対象国の事業体から25%超の支配を受ける場合、米国において、2030年1月1日以降に、輸入、製造、販売などが行われるコネクテッドカーに対し、当該ハードウエアを組み込むことを禁止する(注1)。
今回の承認に対し、業界からは歓迎する声が相次いだ。国際ブランド車のディーラーを代表する米国国際自動車ディーラー協会(AIADA)のコーディ・ラスク会長兼CEO(最高経営責任者)は、「中国の自動車メーカーは、政府補助金や問題のある労働慣行に支えられた人為的に低い価格で米国市場に参入し、米国の自動車産業を壊滅させようとしている。彼らは米国自動車市場を支配し、米国民を中国製品や中国技術に依存させることを狙っている」と述べた。また、全米自動車労働組合(UAW)も「米国の製造業とアメリカンドリームを守るための重要な一歩だ」と評価した(注2)。
(注1)車載用ハードウエアについて、4月29日提出の原案では、ハードウエア自体の輸入、製造、販売などを禁止対象としていたが、修正案では、対象車両への組み込みを禁止する内容に変更された。
(注2)中国などが関与するコネクテッドカーの米国市場への参入を制限するため、米国では輸入・販売などを規制する制度が導入されている(2025年6月11日付地域・分析レポート参照)。しかし、同規制には特定許可制度が設けられており、同許可を取得した中国の吉利控股集団(ジーリー)傘下のボルボは米国での事業を継続する見通しだ(2026年5月28日記事参照)。一方、今回の法案が成立した場合、ボルボに加え、中国系投資家が約20%の株式を保有するメルセデス・ベンツも禁止対象となる可能性が指摘されている(CNBC 7月22日)。法案には前述のとおり、中国資本による15%超の株式保有を対象とする規定が盛り込まれているためだ。これについて、上院商業・科学・運輸委員会のテッド・クルーズ委員長は、メルセデス・ベンツを適用対象とすることは「決して考えていない」と述べ、法案成立に向けて内容を修正する必要があるとの認識を示した。
(大原典子)
(米国、中国、ロシア、北朝鮮、イラン)
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米上院委員会、「コネクテッドビークル安全保障法案」を承認、本会議へ
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/66e795cec48497dc.html
時系列
- 2026-04-29 バーニー・モレノ上院議員とエリッサ・スロットキン上院議員により法案(S.4429)が超党派で提出された。
- 2026-07-22 米国上院商務・科学・運輸委員会が修正案を採択し、法案を承認した。
主な数値
| コネクテッドカーの事業体による資本支配率の基準(対象国) | 15%超 |
|---|---|
| ソフトウエア事業体による資本支配率の基準(対象国) | 25%超 |
| 車載用ハードウエア事業体による資本支配率の基準(対象国) | 25%超 |
| メルセデス・ベンツにおける中国系投資家の株式保有率(報道による指摘) | 約20% |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、米国の安全保障上の観点から、敵対国とされる中国、ロシア、北朝鮮、イランが関与するコネクテッドカーおよび車載ソフトウエア・ハードウエアのサプライチェーンを排除する法案の動向である。資本関係の閾値(15%超・25%超)や適用時期が明文化されており、自動車メーカーやサプライヤーにとっては国際的な調達網や資本構成の見直しを迫られる重要な規制となる。現時点では上院委員会の承認段階であり、適用対象の解釈や修正の可能性も含めて今後の立法プロセスを注視する必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-27
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