風力大手ベスタスの株価、好業績で2023年末以来の高値に
この発表の要点
- ベスタスの2026年第2四半期決算が好調で、売上高が前年同期比26.1%増、株価が前日比19.7%上昇し2023年末以来の高値を記録した。
- 好業績を受けて2026年通期のEBITマージン見通しを7〜9%へ引き上げた。
- 日本国内において、ナセル最終組み立て工程を福岡県北九州市に移管する計画が経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」に採択されている。
企業・自治体への影響
製造業やエネルギー関連産業の企業・自治体に対し、風力発電市場における採算悪化局面の脱却期待や、グローバル企業の日本国内(北九州市)でのサプライチェーン構築に向けた動きに関する情報を提供するものであり、関連サプライヤーや調達部門における市場環境分析への影響があります。
対応すべきこと
- 公式出典および関連報道により、再エネ市場・風力発電関連の動向を確認する。
- サプライチェーンや調達部門において、海外エネルギー関連企業の日本国内進出や事業展開が自社取引に与える影響を把握する。
対象部門: 経営者 総務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ(日本貿易振興機構) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-08-19 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
| 地域 | 福岡県 |
発表された内容
2026年08月19日
風力発電設備の世界最大手であるデンマークのベスタス(Vestas Wind Systems)の株価(ナズダック・コペンハーゲン)は8月12日に大きく上昇し、2023年末以来の高値を記録した。同日に発表された2026年第2四半期(4~6月)決算が市場予想を大幅に上回ったことを受けたもので、前日比で19.7%の上昇となった。同日付の公共放送局のデンマーク放送協会(DR)の報道によると、1日の上昇幅としては、2012年以来最大だった。同社の第2四半期の業績をみると、売上高は前年同期比で26.1%増、粗利益は約2倍、EBIT(利払い前・税引き前利益)マージン(利益率)は1.5%から9.4%に増加した。
近年、風力発電産業は原材料費高騰やサプライチェーンの混乱などによる採算悪化に直面していたが、ベスタスは第2四半期に、陸上・洋上双方の風力事業の受注量の増加が牽引し、業績が大幅に改善した。同社はこれまでの低迷を脱したとの見方が示されている(「DR」8月12日)。
好調な業績を受け、ベスタスは2026年通期の売上高見通しを200億~220億ユーロで据え置きつつも、EBITマージンの見通しを6~8%から7~9%へ引き上げた。
ベスタスのヘンリック・アンダーセンCEO(最高経営責任者)が第2四半期決算発表で、「安全で手頃な価格かつ持続可能なエネルギーへの需要拡大を背景に、風力発電増設の需要は引き続き強い」と述べたほか、同社は、今回の結果は米国、ドイツを中心にプロジェクトの実施が底堅く推移していることが1つの要因だと説明している(「Investing.com」8月12日)。デンマーク政府や業界団体による公式声明は確認されていないものの、ベスタス経営陣は風力発電需要の堅調さを強調しており、市場では風力発電業界が採算悪化の局面を脱しつつあるとの期待が広がっている。
なお、同社は7月10日、日本でのビジネス展開に関連してナセル(注)の最終組み立て工程を日本に移管する計画が、経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」の支援対象として採択されたことを発表した。必要となる専用治具および設備の拠点を福岡県北九州市に設置し、そこから洋上風力発電建設プロジェクトのベースとなる港に輸送し最終組み立てを行う計画だ。
(注)風力タービンの中核部分で、インバーターや変圧器などの主要機器が収納されている部分。
(安岡美佳)
(デンマーク、日本)
ビジネス短信 8a02d21246e7300a
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風力大手ベスタスの株価、好業績で2023年末以来の高値に
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/8a02d21246e7300a.html
時系列
- 2026-07-10 日本でのビジネス展開に関連し、ナセルの最終組み立て工程を日本に移管する計画が経済産業省の「GXサプライチェーン構築支援事業」の支援対象として採択されたことを発表
- 2026-08-12 2026年第2四半期決算を発表し、市場予想を上回る好業績を受けて株価が前日比19.7%上昇、2023年末以来の高値を記録
主な数値
| 株価上昇率 | 19.7% |
|---|---|
| 売上高増減率 | 26.1%増 |
| EBITマージン(前年同期) | 1.5% |
| EBITマージン(当期) | 9.4% |
| 2026年通期売上高見通し | 200億〜220億ユーロ |
| 2026年通期EBITマージン見通し(改定後) | 7〜9% |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、原材料費高騰やサプライチェーンの混乱に直面していた風力発電産業において、主要企業の業績が受注増を背景に大きく回復し、市場環境が好転しつつあることを示しています。広報および経営企画部門においては、グローバルな再生可能エネルギー市場の動向や主要プレイヤーの業績変動が自社のサプライチェーンや調達コストに与える影響を継続的にモニタリングすることが重要です。また、海外企業の日本市場への投資・拠点設置(本件における北九州市への移管計画など)が関連産業や地域経済に及ぼす波及効果についても、最新動向を正確に把握して事業戦略へ反映させる必要があります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-19
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