経済・産業トレンド

カナダ中銀、政策金利を2.5%へ引き上げ、インフレ再加速リスクに対応

最終確認日: 2026-11-05

基本データ

分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年11月05日

カナダ中央銀行は10月28日、政策金利を0.25ポイント引き上げ、2.5%とすると発表した(政策金利レート推移参照)。金利の引き上げは2023年7月の会合以来3年3カ月ぶりとなる。また、経済見通しを示す金融政策報告書も併せて発表した。

中銀は声明で、インフレ率が7月時点の想定より高く、かつ長期化する見通しとなったことから、物価安定への信認維持に向け利上げを決定したと説明した。その上で、「追加利上げの必要性が生じる可能性もあるが、不確実性を踏まえ慎重に判断していく」との姿勢を示した。

発表の主なポイントは次のとおり。
〇国内経済:カナダの実質GDP成長率は2026年第2四半期に前期比年率3.3%となり、第3四半期も約2%の成長が見込まれる。個人消費は人口増加の鈍化にもかかわらず堅調に推移し、企業投資も石油・ガス分野や機械設備投資を中心に回復。対米関税の影響を受ける業種には弱さが残るものの、底堅い米国からの需要やエネルギー生産の増加を背景に輸出全体は拡大している。一方、失業率は数カ月にわたり約6.5%で推移しており、経済にはなお過剰供給が存在すると分析している。中銀は、米国の追加関税の影響により2026年第4四半期には成長が鈍化するものの、その後は投資、輸出、財政措置に支えられて回復すると見込んでいる。

〇物価動向:原油価格の高止まりを背景に消費者物価指数(CPI)上昇率は4月以降おおむね3%前後で推移しているが、2026年末には約3.5%に達すると予想。他方、ガソリンを除くインフレ率は9月時点で2.2%、コアインフレ指標も2%近辺にとどまっているが、燃料価格の上昇により生産・輸送コストが高まり、輸入される工業製品や電子部品の価格も上昇している。企業の価格転嫁が今後さらに進む可能性があることから、中銀はインフレの持続性に警戒感を示した。

〇国際情勢・リスク要因:中東情勢の緊張が長期化しており、エネルギー価格の高騰が継続することによる、他の商品・サービス価格へ波及リスクを懸念。また、カナダ・米国間の通商関係を巡る不確実性も引き続き経済見通しの下振れ要因として挙げた。
発表を受けて同日、モントリオール銀行(BMO)のマネージング・ディレクター、ベンジャミン・レイツ氏は、追加利上げの可能性は残るものの、今後の判断は経済指標次第になるとの見方を示した。また、景気減速見通しや通商を巡る不確実性が中銀の慎重姿勢を支える一方、景気の上振れが追加利上げの契機になると指摘した。

中銀の次回の政策金利発表は12月9日に予定されている。

(井口まゆ子)

(カナダ、米国)

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公開日: 2026-11-05 / 最終確認: 2026-11-05

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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-11-05

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