経済・産業トレンド

米財務省、COINS法の規則案を公示、対外投資規制を拡充へ

最終確認日: 2026-10-27

基本データ

分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年10月27日

米国財務省は10月26日、2025年12月に成立した「2025年包括的対外投資国家安全保障法(COINS法)」の施行規則案を官報で公示した。COINS法は米国人による「懸念国」向け投資を規制する法律で、同規則案は、既存の対外投資規制プログラム(OISP)を拡充する内容となっている。財務省は12月7日までパブリックコメントを募集し、最終的な規則を策定する予定だ。

2025年1月に施行されたOISPは、米国人(注1)による半導体・マイクロエレクトロニクス、量子情報技術、人工知能(AI)の3分野における対中投資について、財務省への届け出を義務付け、国家安全保障に特に深刻な脅威をもたらす場合には取引を禁止している(2024年10月30日記事参照)。COINS法の規則案は、このOISPの規制枠組みを維持しつつ、規制対象分野などを拡大・修正するものだ。

財務省が発表したファクトシートによると、規則案は、特定の技術分野に関わる「懸念国」の事業体への投資などを対象とする。懸念国は、OISPで指定されている中国(香港とマカオを含む)のほか、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシアを含む(注2)。

規制対象となる技術分野は、OISPの3分野に、高性能計算・スーパーコンピューティング、極超音速システム、バイオ技術を加えた合計6分野を指定した。バイオ技術はCOINS法の条文には含まれていないが、同法で認められている財務長官の権限に基づき、対象として追加された。

各技術分野の取引に関し、財務省は届け出対象となる条件(「届け出技術」)と禁止対象となる条件(「禁止技術」)をそれぞれ定めた。AIシステム(注3)について、OISPでは届け出と禁止の両方を規定しているが、規則案では届け出技術を定めず、あらゆるAIシステムの開発に関係する取引を禁止技術に位置付けることを提案した。半導体や量子情報技術に関しても、OISPよりも幅広い技術や製品を禁止技術に含める案を示した。

一方、規則案が適用されない例外取引も設けた。市場で取引されている証券への投資や、米国の親会社から外国の子会社への特定の資金移動などがこれに該当する。また、届け出対象となる取引について、過去12カ月の総投資額が5万ドル以下である場合に届け出を免除する規定(デミニミス取引)も盛り込んだ。

規則案に関するパブコメは、連邦政府のポータルサイトから提出できる。COINS法で財務省は、同法制定から450日以内(2027年3月13日まで)に施行規則を制定することを義務付けられており、同省はそれまでに最終規則を官報で公示する見通しだ。COINS法に基づく最終規則の施行後、現行のOISPの規則は失効することになる。

(注1)米国市民または合法的永住者、米国法または米国内の管轄区域の法律に基づき設立されたあらゆる事業体(当該事業体の外国支店を含む)ならびに米国在住者。米国企業の外国子会社などによる取引も規制対象となる(2026年10月9日記事参照)。
(注2)COINS法では、懸念国としてマドゥーロ政権下のベネズエラも指定されていた。しかし、米国が2026年3月、ベネズエラの国家元首としてデルシー・ロドリゲス大統領代行を正式に承認したため、同国はCOINS法に基づく懸念国に該当しないと財務省は判断した。
(注3)ドナルド・トランプ大統領が9月に署名した大統領令(2026年10月1日記事参照)に基づき、規則案ではAIシステムを「超知能(SI)システム」と記している。

(甲斐野裕之)

(米国、中国、キューバ、イラン、北朝鮮、ロシア)

ビジネス短信 94e13485ed8ab9d4

関連情報

dummy

もっと見る

ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース

米財務省、COINS法の規則案を公示、対外投資規制を拡充へ

ジェトロ公式SNSアカウント

出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/94e13485ed8ab9d4.html

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-10-27 / 最終確認: 2026-10-27

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-27

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する