経済・産業トレンド

中国開発のスパコン「霊晟」、計算速度の世界ランキング「TOP500」で首位を獲得

2026年7月3日、中国の国家超級計算深セン中心は、同センターが開発したスーパーコンピュータ「霊晟」が、世界ランキング「TOP500」で首位を獲得したと発表しました。これは中国にとって9年ぶりの快挙であり、実測持続性能は世界初の2.19エクサフロップスに達しました。「霊晟」はCPUアーキテクチャとAI向け行列演算アクセラレーション機能を特徴とし、スーパーコンピューティングとAIの融合を推進。今後、幅広い科学技術分野での活用が期待されています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

この発表は、高性能コンピューティングやAI関連技術を研究・開発するIT・ソフトウェア企業、および科学技術計算を多用する製造業や研究機関に影響を与えます。特に、AIを活用したシミュレーションやデータ解析の効率化に関心を持つ部門は、今後の技術動向を注視する必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 情シス 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 国家超級計算深セン中心
業界 IT・ソフトウェア
発表日 2026-07-03
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月03日

中国・広東省深セン市を拠点とする国家超級計算深セン中心(以下、同センター)は6月23日、スーパーコンピュータの計算速度の世界ランキング「TOP(トップ)500」において、同センターが主導して中国国内で開発したスーパーコンピュータ「霊晟(LineShine)」が首位を獲得したと発表した。同ランキングは、米国やドイツの研究者らが運営する国際的なスーパーコンピュータ評価プロジェクト「TOP500 Project」が作成し、毎年6月と11月の年2回公表される。今回のランキングは、ドイツ・ハンブルクで開催された国際スーパーコンピュータ会議「ISC High Performance 2026」(以下、ISC2026)において発表された。

同センターの公表によると、中国が同ランキングで首位を獲得したのは9年ぶり。「霊晟」スーパーコンピューティングシステムの実測持続性能は2.19エクサフロップス(注1)に達し、持続性能が2エクサフロップスを超えたスーパーコンピュータは世界初という。

ランキングの授賞式では、「霊晟」スーパーコンピュータシステムの総設計責任者であり、同センター主任、中山大学教授の盧宇彤氏が特別講演を行った。盧氏は、スーパーコンピュータの発展は「スーパーコンピューティングと人工知能(AI)の融合」という新たな段階に入ったと指摘した。その上で、「霊晟」はオンライン・アクセラレーションを採用したCPUアーキテクチャを特徴とし、従来のCPU-GPUの異種構成による制約を低減したと説明した(注2)。また、AI向けの行列演算アクセラレーション機能を内蔵し、複数の計算方式の効率的な連携を可能にするなど、科学技術分野におけるAI活用を後押しするとした。盧氏はこれにより、計算性能の向上と実用化の拡大の両立を達成したと述べた。「霊晟」は今後、大気・海洋、工学シミュレーション、材料科学、創薬、脳科学、AI4S(注3)など幅広い分野での活用が見込まれる。

(注1)1秒間に100京回の浮動小数点演算を行う能力を表す。
(注2)純粋なCPUアーキテクチャが持つ本質的な利点として、異種システムではCPUとGPUの間で頻繁にデータをやりとりする必要があり、そのデータ転送自体が性能面でのオーバーヘッドとなる。一方、CPU主体の同種システムではCPUとGPU間のデータ転送が不要となるため、その種のオーバーヘッドを低減でき、システム性能をより効率的に引き出しやすいとされる。
(注3)AI4Sとは、AI(特に機械学習・深層学習)を科学研究に応用し、シミュレーションやデータ解析、材料・薬剤探索などの科学計算を高速かつ高精度に行うことで、新しい発見や研究効率の飛躍的向上を目指す「AI for Science(科学のためのAI)」の総称。

(梁梓園)

(中国)

ビジネス短信 64fcfc7b10006be4

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中国開発のスパコン「霊晟」、計算速度の世界ランキング「TOP500」で首位を獲得

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/64fcfc7b10006be4.html

時系列

主な数値

TOP500首位獲得 1回
中国のTOP500首位獲得 9年ぶり
霊晟の実測持続性能 2.19エクサフロップス
持続性能2エクサフロップス超え 1台目

この事例から確認すべきポイント

本発表は、中国がスーパーコンピューティング分野で世界的なリーダーシップを再び確立したことを示しています。特に「霊晟」が達成した2.19エクサフロップスという性能は、従来の技術的限界を超える画期的な成果であり、CPUアーキテクチャとAI向け行列演算アクセラレーションの融合が次世代スパコンの方向性を示唆しています。この技術革新は、大気・海洋シミュレーション、材料科学、創薬、脳科学、AI4Sといった幅広い科学技術分野における研究開発を加速させる可能性を秘めています。企業や研究機関は、このような高性能コンピューティング資源の活用が、自社の競争力強化や新たな価値創造にどのように貢献しうるかを検討する必要があります。特にAIと科学計算の融合は、多くの産業でイノベーションの源泉となるでしょう。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-03

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