経済・産業トレンド 発表・予測改定

韓国銀行、2026年の成長率予測を3.3%に上方修正、半導体景気が押し上げ

韓国銀行は2026年8月27日に経済展望報告書を発表し、2026年の実質GDP成長率予測を前回5月の2.6%から3.3%へと0.7ポイント上方修正した。また、政策金利を2.75%から3.0%へ引き上げた。半導体景気の好調とAIインフラ投資拡大が主な押し上げ要因とされている。

この発表の要点

企業・自治体への影響

韓国経済の成長率上方修正および政策金利の引き上げは、半導体市場や対韓貿易・投資を行う企業にとって、需要の拡大と金融コスト変化の両面で影響を与える。関連する経営企画、財務、調達部門においてマクロ動向の把握が必要となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 韓国銀行
業界 金融・経済
発表日 2026-08-31
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年08月31日

韓国銀行(中央銀行)は8月27日、経済展望報告書を発表した。2026年の実質GDP成長率を3.3%と予測し、前回5月に発表した2.6%から0.7ポイント上方修正した。2027年の予測は、前回の2.1%から0.8ポイント上方修正して2.9%とした。同行は、中東情勢の不確実性が続くものの、半導体景気の好調とその波及効果により、高い成長が続くと予測した。また、消費者物価上昇率は前回同様、2026年が2.7%、2027年は2.3%とした。なお、同行は同日、成長見通しの上方修正や物価動向などを踏まえ、政策金利を2.75%から3.0%へ引き上げた(2026年8月28日記事参照)。

見通しの主な前提として次の3点を挙げた。第1に、世界的な人工知能(AI)インフラ投資の拡大を背景に、半導体輸出が堅調に増加すると想定した。韓国貿易協会のデータによると、2026年1~7月の半導体輸出額は、メモリー価格の上昇などを背景に前年同期比約2.7倍の2,333億7,500万ドルとなり、2025年通年実績を既に上回った(注)。また、実質GDPに反映される輸出数量の増加率は、2026年は10%台後半、2027年は10%台前半から半ばと想定し、5月時点からやや上方修正した。ただし、生産能力が徐々に拡大する中、輸出数量の伸び率は緩やかに鈍化すると予測した。

第2に、中東情勢を巡る不確実性は続くものの、下半期にはホルムズ海峡の航行が一部再開し、迂回ルートや中東以外からの原油供給も拡大することで、供給網の混乱が緩和すると仮定した。

第3に、米国の関税政策について、既に導入された通商法301条による追加関税措置(2026年7月24日記事参照)などが継続するとともに、今後、過剰生産を理由とする追加関税や半導体関税が導入されるとの想定を見通しに織り込んだ。

同行が発表した上方修正幅に対する要因別の寄与度をみると、好調な半導体景気が0.35ポイントと半数を占めたほか、3大メガプロジェクト(2026年7月2日記事参照)などによる投資の加速も0.1ポイント押し上げた。支出項目別では、純輸出が0.45ポイント、設備投資が0.2ポイント寄与した。

(注)分類は韓国独自コードMTIの831「半導体」を使用した。

(向野文乃)

(韓国)

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韓国銀行、2026年の成長率予測を3.3%に上方修正、半導体景気が押し上げ

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/925bcd01aa8f973a.html

時系列

主な数値

2026年実質GDP成長率予測 3.3%
前回5月時点の2026年実質GDP成長率予測 2.6%
上方修正幅(2026年GDP) 0.7ポイント
2027年実質GDP成長率予測 2.9%
前回時点の2027年実質GDP成長率予測 2.1%
上方修正幅(2027年GDP) 0.8ポイント
2026年消費者物価上昇率予測 2.7%
2027年消費者物価上昇率予測 2.3%
改定前の政策金利 2.75%
改定後の政策金利 3.0%
2026年1~7月の半導体輸出額 233,375百万ドル
半導体輸出額の前年同期比倍率 2.7倍
2026年輸出数量増加率の想定 10%台後半
2027年輸出数量増加率の想定 10%台前半から半ば
半導体景気による上方修正寄与度 0.35ポイント
3大メガプロジェクト等による投資加速の寄与度 0.1ポイント
純輸出の支出項目別寄与度 0.45ポイント
設備投資の支出項目別寄与度 0.2ポイント

この事例から確認すべきポイント

本発表は、韓国銀行がAIインフラ投資の拡大や半導体輸出の記録的好調を背景に、2026年の実質GDP成長率予測を大幅に上方修正し、同時に政策金利を引き上げた事例である。広報・実務の観点からは、中東情勢の不確実性や米国の関税政策(通商法301条の追加関税や今後想定される半導体関税など)といったマクロ経済リスクが事業計画やサプライチェーンに与える影響を継続的にモニタリングする必要がある。特に半導体関連産業や対韓取引を行う企業においては、輸出動向や金利・為替の変動リスクに備えた戦略的見直しが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-31

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