第24回 医薬品等行政評価・監視委員会 議事録
この発表の要点
- 医薬品「タブネオスカプセル」の重篤な肝機能障害に関する注意喚起が議論された。
- 死亡に至った症例が20例報告され、うち2例は因果関係が否定できないとされた。
- 医療関係者向けの注意喚起において、医薬品副作用被害救済制度の案内を記載すべきかどうかが議論された。
企業・自治体への影響
製薬企業は、製品の安全性情報に関する迅速かつ適切な情報提供体制の再確認が求められます。医療機関や薬局は、医薬品の安全性速報の内容を従業員に周知し、患者への説明を徹底する必要があります。また、医薬品副作用被害救済制度に関する情報提供のあり方は、医療業界全体で検討される可能性があります。
対応すべきこと
- 製薬企業は、自社製品の安全性情報に関する迅速かつ適切な情報提供体制を再確認する。
- 医療機関・薬局は、医薬品の安全性速報(ブルーレター)の内容を従業員に周知し、患者への説明を徹底する。
- 医薬品副作用被害救済制度に関する情報提供のあり方について、関係省庁や業界団体の方針を確認する。
- 関係部門(法務、広報、品質管理など)と連携し、安全性情報に関するリスク管理体制を強化する。
対象部門: 経営者 法務 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 厚生労働省 |
|---|---|
| 業界 | 製薬・医療機器 |
| 発表日 | 2026-06-16 |
| 分類 | 企業プレスリリース |
発表された内容
令和8年6月16日(火) 10:00~12:00
場所
AP虎ノ門 会議室I(WEB会議併用)
出席者
出席委員(五十音順)
(会議室)
◎磯部哲
伊豆津健一
奥田真弘
戸部依子
花井十伍
(テレビ会議)
泉祐子
○佐藤嗣道
渡邉裕司
※◎委員長 ○委員長代理
行政関係出席者
厚生労働省
大臣官房厚生科学課
佐々木 昌弘(危機管理・医務技術総括審議官)
荒木 裕人 (厚生科学課長)
土岐 祥蔵 (医薬品等行政評価・監視委員会室長)
池上 貴啓 (医薬品等行政評価・監視委員会室長補佐)
医薬局
山下 雄大(総務課 課長補佐)
小川 雄大(医薬品審査管理課 課長補佐)
板垣 麻衣(医療機器審査管理課 課長補佐)
南 亮介 (医薬安全対策課 課長補佐)
議題
1.委員の求めに応じた個別事項への対応
・一般用医薬品の濫用に対する取組について(論点に対する回答)
・iPS細胞製品の承認について
・監視委員会の今後のありかたについて
2.医薬局からの定期報告
3.その他
議事
○土岐室長 ただいまより、第24回「医薬品等行政評価・監視委員会」を開始いたします。
委員の皆様におかれましては、御多用の折、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日の委員会は、ウェブ形式と併用して実施しており、会場にお越しいただいている委員と厚生労働省外からウェブにて御参加いただいている委員がおられます。オンラインで参加の先生におかれましては、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。ミュートになっていない場合は事務局側でミュートとさせていただく場合もございますので御了承ください。また、御発言がある際には挙手機能でお知らせいただく、またはチャット機能で発言を求める旨、お知らせ願います。会場での御参加の先生方は、手を挙げるなどしてお知らせください。
また、傍聴に関しましては、YouTubeでライブ配信を行っておりますので、事務局や担当部局からの説明、回答はできるだけゆっくり、はっきり御発言いただきますようお願いいたします。
傍聴の方は、YouTubeの機能で、字幕設定が可能なため、字幕アイコンから各自設定いただければと思います。
なお、資料は随時投影させていただきますが、通信環境が悪くなった場合は、通信負荷軽減の観点から資料の投影を中断し、音声配信を優先する等の対応を取ることがありますので御了承願います。
それでは、以後の議事進行は磯部委員長にお願いいたします。よろしくお願いします。
○磯部委員長 それでは、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
最初に、事務局から委員の出席状況の報告をお願いします。
また、利益相反の取扱い規程に基づいて、各委員の申告内容の報告をお願いいたします。
○土岐室長 まず、委員の出席状況をお知らせいたします。
本日は8名の委員が御出席の予定となっておりますが、現在、花井委員は、参加が遅れているようです。いずれにいたしましても、委員会開催の定足数5名に達していることを御報告いたします。
続きまして、利益相反について御報告いたします。まずは、利益相反の取扱い規程に基づく個別の医薬品を取り扱う際の議論参加基準に関する申告でございますが、本日は議事1の「委員の求めに応じた個別事項への対応」で、個別の医薬品の議論を行う可能性がありますことから、関連企業からの寄附金等の受取状況について、あらかじめ申告いただいております。
各委員の申告書につきましては、今回の監視委員会の資料と併せて厚生労働省のウェブサイトに掲載しておりますので併せてお知らせいたします。
以上です。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、本日の議題としては、今、投影されている「1 委員の求めに応じた個別事項への対応」で①から③、2、3を扱います。
本日の議題に入る前に、前回の委員会以降に厚労省から安全性速報、ブルーレター、これが発出されております。ブルーレターは監視委員会における報告事項となっておりますので、事務局より御報告をお願いいたします。
○池上補佐 事務局より、資料5-2に基づいて報告させていただきます。
5月21日付けで「『タブネオスカプセル10mg』投与患者における重篤な肝障害機能に関する注意喚起について」というプレスリリースが発出されております。
こちらに関しましては、タブネオスカプセル(成分名:アバコパン)につきまして、重篤な肝機能障害が発現されたということで、ブルーレターが発出されたというものでございます。
ブルーレター、安全性速報の概要に関しましては、2ページ上部に記載されております。
今回の医療関係者に対する注意喚起のポイントとしまして、重篤な肝機能障害が発現し、死亡に至った症例が報告されているという旨が注意喚起されております。
また、重篤な肝機能障害が現れることがあり、死亡に至った例も報告されているので、定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察することや、重篤な肝機能障害が見られた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うこと等の注意喚起がなされているところでございます。
報告は以上でございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
それでは、この点について、委員の皆様から御意見など、コメントをいただければと思いますが、何なりとどうぞ、いかがでしょうか。
では、まず、奥田先生からお願いいたします。その後、泉さん、お願いします。まず、奥田先生。
○奥田委員 会場の奥田でございます。御説明ありがとうございました。
この件に関連して、PMDAから5月21日付けで「アバコパンに係る調査結果」というのが公表されていると思います。
その中で、肝機能障害に伴い死亡に至ったと報告された20例のうち2例について、本剤との因果関係は否定できないということを判断して報告されていると思われますが、今回のブルーレターの中では、因果関係が否定できないものも含めて、できると解されるものも含めて、事例として挙げられているように認識しました。その辺りの経緯について、少し補足の御説明をいただければと思います。よろしくお願いします。
○磯部委員長 いかがでしょうか。
○医薬安全対策課 医薬安全対策課でございます。御質問ありがとうございます。
ブルーレターの中に死亡例を20例掲載させていただいておりますけれども、うち2例が因果関係を否定できないもの、残りの18例につきましては、因果関係が、現時点では不明なものということにはなっておりますけれども、これらについても、引き続き、企業等からの追加情報が得られましたら評価していくことになりますし、今回の対応に当たっては、これら2例以外も含めて因果関係が不明なものも評価して、今回の内容、検査頻度ですとか、中止の基準等を検討させていただいたものでございます。
以上でございます。
○奥田委員 ありがとうございました。
否定できないという以外のものは、否定できるという意味ではなくて、不明だということでの御認識のもとでということは理解できました。
結構です。ありがとうございます。
○磯部委員長 ありがとうございました。
では、泉さん、どうぞ。
○泉委員 ありがとうございます。
2ページ目の一番上のところに「今回の医療関係者に対する注意喚起のポイント」という言葉が入っています。そして、その下の2番の2行目に「薬剤師に相談するよう、患者に対して指導すること」と書いてありますが、この委員会の立場の委員として、違う視点で1つお願いをしたいことがあります。なぜ、ここに重篤な副作用になった方は、医薬品副作用被害救済制度があるということを書かれなかったのか、それは配慮が欠けたのか、それとも、もともとそんなことは入れるつもりはないのか、それをお聞かせください。お願いします。
○磯部委員長 いかがでしょうか。
○医薬安全対策課 医薬安全対策課でございます。御意見、御質問ありがとうございます。
このブルーレターの目的自体は、安全性情報の提供ということで、これまでのものでも救済制度については記載していないところでございます。
また、御意見につきましては、今後の対応に生かしていきたいと考えております。
○泉委員 私からお願いです。この委員会では、このブルーレターも含めて、いわゆる重篤な副作用になった方々に関しては、健康被害が生じているということでありますから、医薬品副作用被害救済制度があるという、そして、その対象であるということを、可能性があるということを知らせてあげなければいけないと思います。ですから、それは厚生労働省から、こういう発信をするときに、必ず、今後も含めて入れていただきたいと思いますので、御検討ください。よろしくお願いします。
○磯部委員長 ありがとうございます。
うなずいていただいていたところですが、やはり、こういう声を聞くのが、この委員会の役割でございます。ブルーレター自体は、医療関係者向けに、とにかく取り急ぎということでお伝えするものなのでしょう。しかし、薬剤師や医師に相談するようにというのは、本来患者さんが知っておくべき情報で、厚労省から直接患者さんに届けるというのは無理かもしれませんが、きっとこう書いておけば医者がやってくれるだろうと、その中で、いずれ医薬品副作用被害救済制度の話もしてあるだろうでは、多分物足りないのではないかという気がするということが根本にあるのだろうと思います。
○泉委員 財団法人の日本腎臓学会から出た資料には、この学会は、それを書いてあるのですね、医薬品副作用被害救
出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75135.html
時系列
- 2026-05-21 厚生労働省が「『タブネオスカプセル10mg』投与患者における重篤な肝障害機能に関する注意喚起について」のプレスリリース(ブルーレター)を発出
- 2026-05-21 PMDAが「アバコパンに係る調査結果」を公表
- 2026-06-16 第24回「医薬品等行政評価・監視委員会」開催
主な数値
| 死亡に至った症例数 | 20例 |
|---|---|
| 因果関係否定できない症例数 | 2例 |
| 委員会開催定足数 | 5名 |
| 委員出席予定数 | 8名 |
この事例から確認すべきポイント
本議事録は、医薬品の安全性情報伝達における課題と、患者への情報提供のあり方について重要な示唆を与えている。特に、重篤な副作用が発生し死亡例も報告されている医薬品に対し、迅速な注意喚起が行われた一方で、その情報伝達の範囲と内容が議論の対象となった点は注目に値する。医療関係者向けの速報性重視のブルーレターと、患者が知るべき救済制度の情報とのバランスは、広報実務において常に考慮すべき点である。企業は、製品の安全性に関する情報を発信する際、対象読者(医療従事者、患者、一般市民など)のニーズと理解度を深く考慮し、必要な情報を網羅的に、かつ分かりやすく提供する責任がある。また、行政機関の発表であっても、その内容が社会に与える影響を多角的に分析し、適切な情報補完や説明責任を果たす姿勢が求められる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-30
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