経済・産業トレンド

英政府、重要鉱物戦略資金提供プログラムを発表

英国政府は、2025年11月に公表された重要鉱物戦略の具体策として、重要鉱物の確保に向けた資金提供プログラムを発表しました。このプログラムは「マグネット・ハブ」「重要鉱物アクセラレーター」「需要集約プラットフォーム」の3つの柱で構成され、総額5,000万ポンド超の助成金が投じられます。希土類磁石の製造技術開発、重要鉱物の採掘・加工・リサイクル支援、国内需要の集約を目的とし、サプライチェーン強化と民間投資誘致を通じて、2030年3月までの実施期間で英国の産業基盤強化を目指します。

この発表の要点

企業・自治体への影響

英国の重要鉱物関連産業への投資を検討している製造業や鉱業関連企業、およびそれらの技術開発を行う研究機関は、本プログラムによる助成金獲得や事業連携の機会を検討する必要があります。特に、希土類磁石やリサイクル技術を持つ企業は、英国市場への参入やサプライチェーンへの組み込みの可能性を探るべきです。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理

対応期限:公募締切まで

基本データ

企業・団体 英国政府
業界 鉱業、製造業、先端技術産業
発表日 2026-06-22
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月07日

英国政府は6月22日、重要鉱物の確保に向けた資金提供プログラムを発表した。2025年11月に公表された重要鉱物戦略(2025年12月3日記事参照)で言及された鉱物関連プロジェクトへの支援の具体策で、次の3つの柱を通じて実施される。

マグネット・ハブ:2,000万ポンド(約42億6,000万円、1ポンド=約213円)を投じ、希土類磁石の製造技術の開発、試験、量産化を行う国立施設の設立と、技能育成および研修体制の整備を行う。助成金は、2段階の申請プロセスを経て、単一の主たる申請者に交付する。6月29日の週から2週間にわたる関心表明の受け付けを開始し、夏にかけて正式な申請を受け付け、選定された申請者には秋に交付する見込み。実施期間は2030年3月まで。

重要鉱物アクセラレーター:2,500万ポンドを投じ、重要鉱物の採掘、加工、リサイクルを支援し、イノベーションと商業化の機会を加速させる。また地域の成長と雇用創出を促進する。助成金は、2段階の申請プロセスを経て、複数の団体やプロジェクトに交付する。7月に第1回の申請を開始する見込みで、第2回の申請は2027年を予定。実施期間は2030年3月まで。

需要集約プラットフォーム:最大500万ポンドを投じ、新たなプラットフォームを立ち上げ、国内の異なる産業分野の重要鉱物の需要を集約する。産業界主導の戦略的パートナーシップを促進するとともに、公的資金を有効活用して民間投資を活性化させる。2026年秋に入札公告を予定している。

政府によると、重要鉱物は地政学的な緊張や混乱の影響を受けやすく、世界的にサプライチェーンの集中化が進み、英国はごく少数の海外の供給業者に依存してきた。重要鉱物戦略は、自給率向上とサプライチェーン強化を支援するとともに、最先端の技術への投資や、英国への民間投資の誘致を推進するとしている。

政府は、産業政策の基盤となる「産業戦略」の中で先端製造業や防衛産業といった「成長産業」を支える基礎産業(Foundational Industries)として重要鉱物を位置付けており、支援の対象としている(2025年6月25日記事、2026年3月13日付地域・分析レポート参照)。

(野崎麻由美)

(英国)

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英政府、重要鉱物戦略資金提供プログラムを発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/e6d94527da3abb0e.html

時系列

主な数値

マグネット・ハブへの投資額 20000000ポンド
マグネット・ハブへの投資額(日本円換算) 4260000000円
重要鉱物アクセラレーターへの投資額 25000000ポンド
需要集約プラットフォームへの最大投資額 5000000ポンド
為替レート 213円/ポンド
マグネット・ハブ実施期間 2030-03まで
重要鉱物アクセラレーター実施期間 2030-03まで

この事例から確認すべきポイント

英国政府が発表した重要鉱物戦略資金提供プログラムは、地政学的リスクやサプライチェーンの集中化に対応し、国内の重要鉱物サプライチェーンを強化する明確な意図を示しています。マグネット・ハブ、重要鉱物アクセラレーター、需要集約プラットフォームという3つの柱は、研究開発から採掘、加工、リサイクル、そして需要の集約まで、サプライチェーンの各段階を包括的に支援する設計となっています。これにより、英国は自給率向上と民間投資誘致を図り、先端製造業や防衛産業といった成長産業の基盤を固める狙いがあります。日本企業にとっては、英国の重要鉱物関連産業への投資機会や、サプライチェーン再編における新たなパートナーシップの可能性を探る上で注目すべき動向です。特に、希土類磁石や重要鉱物の採掘・加工・リサイクル技術を持つ企業は、助成金プログラムへの申請や、英国企業との連携を検討する価値があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-07

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