米メリーランド州でQuantum World Congress(QWC)2026開催、量子分野の国際連携や事業化を議論
最終確認日: 2026-10-27
基本データ
| 分類 | 経済・産業トレンド |
|---|
発表された内容
2026年10月27日
量子分野の国際会議「Quantum World Congress (QWC) 2026」が9月23~25日、米国メリーランド州で開催された。QWCは米国最大級の量子イベントの1つで、首都ワシントンDC近郊という立地を生かし、産業界に加え、連邦政府、軍・安全保障関係機関、研究機関、投資家など多様な関係者が集う。州政府や大学、量子企業が連携するエコシステム形成が進む中、日本企業・スタートアップ(SU)も多数参加した。
マイケル・クラツィオス大統領府科学技術政策局長は、量子技術を国家競争力と安全保障の基盤と位置付け、大規模投資や耐量子暗号(PQC)への移行、同盟国とのサプライチェーン構築を通じて、量子コンピューティング・センシング・ネットワーク分野で世界的リーダーシップを維持する方針を示した。
メリーランド州のウェス・ムーア知事(民主党)は、同州を「世界の量子産業の中心地(Capital of Quantum)」とする方針をあらためて強調した。量子技術を州の重点産業であるライフサイエンス、IT、航空宇宙・防衛分野の競争力向上を支える基盤技術と位置付け、州政府、メリーランド大学、量子コンピューティング企業アイオンキュー(IonQ)などが参画する「Capital of Quantum Initiative」を通じ、2030年までに10億ドル規模の投資を目指すと述べた。
メリーランド州のムーア知事によるセッションの様子(ジェトロ撮影)
量子エコシステム関係者らのパネルでは、メリーランド大学なども参画する国際プログラム「Global Industry Challenge」が紹介された。三菱ケミカルグループやエネルギー省などが提示する課題に対し、50カ国超の研究者や学生、SUが量子コンピュータで解決策を競い、社会実装や人材育成を後押ししている。
会期中、ジェトロは、量子・AI融合技術ビジネス開発グローバル研究センター(G-QuAT)、量子技術による新産業創出協議会(Q-STAR)と連携し、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のブースと併せてジャパンパビリオンを形成。NEDOプロジェクトの事業者のSU企業7社が出展(注1)し、富士通は単独でブースを出展していた(注2)。
会期中の「Quantum Startup Pitch Competition」のファイナリストにも選出されたオプトキューシーは、「どの方式が業界標準となるか定まらない現在、まずはネットワークを構築し共同開発を始める動きが海外で広がっているため、いかに早い段階で市場に認知されるかが重要だ」と指摘した。ピッチ後には多くの来場者がブースを訪れ、知名度向上につながったという。
ジャパンパビリオンの様子(ジェトロ撮影)
量子産業団体国際カウンシル(ICQIA、注3)によるセッションでは、量子産業はグローバルなサプライチェーンを前提としており、国際連携の維持が重要との認識が共有された。欧州量子産業コンソーシアム(QuIC)のフリーケ・ヘイマン氏は、欧州で技術主権への関心が高まる中でも企業活動を阻害しないかたちでの国際協力の維持が重要と指摘。Q-STARの森弘史氏は、日本は顧客・供給者双方として重要な役割を担い、今後は供給者としての存在感拡大が期待されると述べた。
QWCは、各国・地域の産業界、研究機関、政策関係者が集い、量子分野の事業化や国際協力の方向性を議論する場となった。
(注1)LQUOM、OptQC、Yaqumo、JIJ、Quanmatic、キュエル(QuEL)、Nanofiber Quantum Technologiesの7社。
(注2)ジェトロではこのほか、G-QuAT、Q-STAR、NEDOの協力の下でサイドイベントとして「日本・北米量子イノベーション交流会(Japan-North America Quantum Innovation Exchange)」を開催した(2026年10月16日記事参照)。
(注3)量子分野の国際連携やルール形成を推進するために設立された国際産業団体。
(宮本希、遠藤壮一郎)
(米国、日本)
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/ff3dec538396b803.html
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公開日: 2026-10-27 / 最終確認: 2026-10-27
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編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-27
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