欧州司法裁判所、グーグルの上訴を棄却、競争法違反に約41億2,500万ユーロの制裁金を維持
この発表の要点
- 欧州司法裁判所は、グーグルのアンドロイドOSを巡る競争法違反に対する約41億2,500万ユーロの制裁金維持を確定した。
- この判決は、デジタル市場における支配的事業者の自社サービス優遇行為に対するEUの厳格な競争政策を示す。
- EUはデジタル市場法(DMA)により、ゲートキーパー事業者による自社サービス優遇行為を規制している。
企業・自治体への影響
IT・ソフトウェア業界、特にプラットフォームサービスを提供する企業は、欧州連合(EU)域内での事業展開において、競争法およびデジタル市場法(DMA)に基づく規制強化の影響を強く受ける可能性があります。自社のサービスが市場で支配的な地位にあると見なされる場合、自社製品・サービスの優遇行為が反競争的と判断され、巨額の制裁金や事業慣行の変更を求められるリスクが高まります。
対応すべきこと
- 自社の事業活動がEU競争法やデジタル市場法(DMA)の規制対象となる可能性がないか、法務部門と連携して確認する。
- 特にプラットフォームサービスを提供する企業は、自社サービスの優遇行為に関する慣行を見直し、コンプライアンス体制を強化する。
- EU域内で事業を展開する企業は、最新の競争法関連判決やDMAの適用事例を継続的に監視し、自社への影響を評価する。
- 関係部門(法務、事業開発、広報など)へ本件の情報を共有し、今後の事業戦略やリスク管理に反映させる。
対象部門: 経営者 法務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | IT・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-07-08 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月08日
欧州司法裁判所は7月2日、米国グーグルおよびその親会社アルファベットが提起した上訴を棄却し、アンドロイド・オペレーティングシステム(OS)を巡る競争法違反に関して、約41億2,500万ユーロの制裁金を維持する判決を下した(プレスリリース)。これにより、欧州委員会が認定したグーグルの反競争的行為に対する制裁措置が最終的に確定した。
欧州委は2018年、グーグルが課した次の3つの制限が支配的地位を維持・強化し、市場競争を不当に制限したとして、EU競争法違反に該当すると認定した。
モバイル端末メーカーがグーグルのアプリストア「Play Store」の利用ライセンスの供与条件として、検索アプリ「Google Search」およびブラウザ「Chrome」を事前搭載することを義務付ける。
モバイル端末メーカーは、Google SearchおよびPlay Storeを搭載するためのライセンス取得の条件として、グーグルが承認していないアンドロイド派生OSを搭載した端末の販売を制限した。
モバイル端末メーカーおよび通信事業者に対し、グーグルの広告収入の一部を分配する代わりに、一定の端末において競合する検索アプリを搭載しないよう求めた。
グーグルは、今回のアンドロイドOSを巡る競争法違反以外にも、自社の価格比較サービスにおける「グーグル・ショッピング」において、2024年に欧州司法裁判所より約24億2,400万ユーロの制裁金を最終的に科す判決を受けている。
これらの判決は、デジタル市場において支配的事業者が自社サービスを優先的に扱う行為に対し、厳格な競争政策を適用するEUの姿勢を改めて示すもの。EUは、その後施行されたデジタル市場法(DMA)においても(2022年7月19日記事参照)、大規模なプラットフォーム・サービスを提供するゲートキーパー事業者による自社サービスの優遇行為を規制対象としており、EU域内市場でのIT大手による支配的な地位の乱用を防止し、EUの中小企業がこうしたIT大手と公平に競争できる環境を確保することを進めている(注)。
(注)2025年4月、欧州委はアップルおよびメタのDMAにおける違反認定を発表。それぞれ5億ユーロ、2億ユーロの制裁金を科している。
(坂本裕司)
(EU、米国)
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欧州司法裁判所、グーグルの上訴を棄却、競争法違反に約41億2,500万ユーロの制裁金を維持
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/7110c964cb17f0c5.html
時系列
- 2018 欧州委員会がグーグルの反競争的行為を認定
- 2024 欧州司法裁判所がグーグル・ショッピングに関する約24億2,400万ユーロの制裁金を最終的に科す判決
- 2025-04 欧州委員会がアップルおよびメタのDMA違反を認定し、それぞれ5億ユーロ、2億ユーロの制裁金を発表
- 2026-07-02 欧州司法裁判所がグーグルの上訴を棄却し、アンドロイドOSを巡る競争法違反に対する約41億2,500万ユーロの制裁金を維持する判決を下す
主な数値
| アンドロイドOSを巡る競争法違反に対する制裁金 | 41億2,500万ユーロ |
|---|---|
| グーグル・ショッピングに関する制裁金 | 24億2,400万ユーロ |
| アップルのDMA違反に対する制裁金 | 5億ユーロ |
| メタのDMA違反に対する制裁金 | 2億ユーロ |
この事例から確認すべきポイント
本件は、欧州連合(EU)がデジタル市場における支配的事業者に対して厳格な競争政策を適用している姿勢を明確に示す事例です。特に、アンドロイドOSを巡るグーグルの反競争的行為に対する巨額の制裁金維持は、プラットフォーム事業者が自社サービスを優遇する行為が、市場競争を阻害し、EU競争法に違反すると見なされるリスクが高いことを示唆しています。デジタル市場法(DMA)の施行により、ゲートキーパー事業者はさらに厳しい規制に直面しており、自社サービスの優遇行為は直接的な規制対象となります。企業は、自社の事業活動が競争法やDMAの規制対象となる可能性がないか、特に市場における支配的地位を持つと見なされる場合、定期的な法務チェックとコンプライアンス体制の強化が不可欠です。また、過去の事例や他社の処分事例を参考に、自社のビジネスモデルが規制に抵触しないよう、継続的な監視と対応が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-08
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