第211回労働政策審議会労働条件分科会 議事録(2026年9月16日)
最終確認日: 2026-10-21
この発表の要点
- 破綻時の資産保全要件における「6営業日以内の全額弁済」という現行の指定要件を維持する方針が確認された。
- 資金決済法の改正を踏まえ、保証額の積み増し運用や資金決済法に基づく保全要件との関係整理をガイドラインで明確化する。
- 指定代替口座について預貯金口座等に限定している現行の指定要件を維持し、引き続きニーズ把握に努める。
企業・自治体への影響
賃金のデジタル払い導入を検討している企業や、関連する労務・経理部門に対して、制度運用の方向性や安全性確保に関する基準の現状維持・明確化が影響します。
対応すべきこと
- 厚生労働省の公開する審議会資料および今後のガイドライン改定情報を確認する。
- 自社における賃金支払方法の多様化やデジタル払い導入のニーズ・影響を社内で共有する。
対象部門: 経営者 総務 法務 経理
対応期限:公募締切まで
基本データ
| 企業・団体 | 厚生労働省労働基準局労働条件政策課 |
|---|---|
| 業界 | 行政・公共 |
| 発表日 | 2026-09-16 |
| 分類 | 補助金・支援制度 |
| 地域 | 東京都 |
発表された内容
2026年9月16日 第211回労働政策審議会労働条件分科会 議事録
2026年9月16日 第211回労働政策審議会労働条件分科会 議事録
労働基準局労働条件政策課
日時
令和8年9月16日(水) 10:00~12:00
場所
厚生労働省専用第22~24会議室
(東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎5号館18階)
出席者
公益代表委員
安藤委員、川田委員、神吉委員、首藤委員、原委員、水島委員、山川委員
労働者代表委員
市川委員、亀田委員、櫻田委員、佐藤(好)委員、椎木委員、菅村委員、春川委員、古川委員
使用者代表委員
加藤委員、鈴木委員、田中委員、田上委員、鳥澤委員、兵藤委員、福本委員
事務局
岸本労働基準局長、長良審議官(労働条件政策、働き方改革担当)、牛島審議官(労災、賃金担当)、佐藤総務課長、川口労働条件政策課長、竹野労働関係法課長、田邉労働条件確保改善対策室長、横田賃金課賃金支払制度業務室長、田上労働条件政策調整官、平山労働条件政策課長補佐、来嶋労働条件政策課長補佐
オブザーバー
熊崎金融庁企画市場局デジタル・分散型金融企画室長
議題
(1)資金移動業者の口座への賃金支払制度について
(2)労働基準関係法制について
議事
○山川分科会長 おはようございます。それでは、定刻になりましたので、ただいまから第211回「労働政策審議会労働条件分科会」を開催いたします。
本日の分科会は、会場とオンラインの双方での御参加による開催としております。
議事に入ります前に、本分科会委員の交代につきまして、事務局から説明をお願いします。
○労働条件企画専門官 事務局でございます。本分科会委員の交代につきまして御報告いたします。
お手元の参考資料No.1として、労働条件分科会委員名簿を配付しております。
労働者代表の松田惣佑委員が御退任され、全国生命保険労働組合連合会中央書記長の市川勝也委員に御就任いただいております。
また、本年8月付で事務局の異動がございましたので、御紹介させていただきます。
大臣官房審議官(労働条件政策、働き方改革担当)の長良でございます。
大臣官房審議官(労災、賃金担当)の牛島でございます。
総務課長の佐藤でございます。
労働関係法課長の竹野でございます。
賃金課賃金支払制度業務室長の横田でございます。
事務局からは以上でございます。
○山川分科会長 どうぞよろしくお願いいたします。
本日の委員の御出欠ですが、使用者代表の佐藤委員、それから、公益代表の黒田委員が御欠席と承っております。
カメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきます。
それでは、本日の議事に入りたいと思います。
まず、議題の(1)は「資金移動業者の口座への賃金支払制度について」でございます。
本議題につきましては、金融庁の所管する事項に関係しますことから、労働政策審議会運営規程第4条に基づきまして、金融庁の担当者の方にオブザーバーとして御出席いただいております。
では、事務局から説明をお願いします。
○賃金課賃金支払制度業務室長 賃金課の横田でございます。私から資料No.1に基づいて説明させていただきます。
賃金のデジタル払いに関しましては、前回、前々回と2回にわたりまして、規制改革実施計画に記載され検討が求められていた点を中心に御意見をいただいたところでございます。本日は、今までいただいた御意見をまとめたもの、それを踏まえて事務局で作成した具体的な方向性について御説明させていただき、御意見をいただきたく思っております。
まず、資料の1ページ目でございます。規制改革実施計画を入れております。
破綻時の資産保全要件、指定代替口座の必置要件、その他要件の3点について、見直しの要否を含め検討し、結論を得次第、速やかに必要な措置を行うこととされておりました。
2ページ目でございます。1つ目の論点である、破綻時の資産保全要件について、資産保全要件につきましては、賃金という性質上、労働者保護の観点から、ガイドラインにおいて、破綻時から6営業日以内に弁済を行う仕組みを有することとしているところでございます。規制改革実施計画において、資金決済法の改正を踏まえ、資産保全要件の廃止または大幅な見直しを検討することが求められているところでございます。
本分科会において、委員の皆様からは、ニーズ調査でも破綻時の安全性への懸念を挙げる回答が相当数であり、6営業日以内の全額弁済の要件は残すべき。賃金支払いの安全性や確実性を低下させる見直しは行うべきではない。中小企業や労働者のニーズが少なく、現時点での見直しの必要を感じない、といった御意見をいただきました。また、破綻しても6営業日以内に債務を全額弁済できるような確実な方法が別途存在するのであれば、分科会で議論してもよいのではないかともいただいたところでございます。
これらの御意見を踏まえまして、今後の方向性としましては、破綻時から6営業日以内に全額弁済という現行の指定要件を維持することとさせていただくとともに、労働者保護の観点を損なわない部分として2点の明確化を行いたいと考えております。1つ目は保証額について、2つ目は資金決済法の改正による影響について、それぞれ資料の3ページ目、4ページ目で説明させていただきます。
資料の3ページ目でございます。保証額については、受入上限額である100万円に最大口座数を乗じた額とガイドラインに記載されておりまして、現在のところ、資金移動業者が想定している最大数の口座数を保証するように運用しているところでございます。つまり、例えば5万口座の開設を計画した場合につきましては、実際に開設されている口座が1万口座分であったとしても5万口座分の保証が必要と運用を行っていたところでございます。
これについて、随時、保証額を積み増すことで、実際に口座開設予定が立った口座分の額について保証の用意ができれば、利用者保護の観点からそれを損なわないため、それで要件を満たすことを明確化していきたいと考えております。
4ページ目でございます。2つ目の点、令和8年6月に施行された資金決済法の改正によりまして、賃金のデジタル払いの保証との関係を整理したものでございます。
賃金のデジタル払いの指定を受ける資金移動業者は、資金決済法に基づく登録も行うことが必須でございます。賃金のデジタル払いのための保証のほかに、資金決済法で求めている口座残高全額の保全が必要となっております。この保全は、資金移動業者が破綻した際には、利用者に供託経由で返還されることが必要でございました。一方で、賃金デジタル払いのための保証は、破綻後6営業日以内での労働者への直接弁済を求めており、両者は別々に用意する必要がございました。
この点について、資金決済法の改正により、資金決済法の保全の方法として、賃金デジタル払いの保証と同様の直接弁済が可能となったため、賃金のデジタル払いによる保証を行っていれば、資金決済法に基づく保全の要件を満たす場合が生じることとなりました。具体的には、図で示しているような全体で10億円の受入限度があり、そのうち賃金のデジタル払いの労働者指定口座分が3億円、うち2億円の残高を有しており、その他の口座の受入上限額が7億円であり5億円の残高を有している場合ですと、資金決済法の改正前は両制度の保証額を合わせると10億円が必要でございましたが、これが賃金デジタル払いの保証が資金決済法の保全要件も満たす場合には7億円まで減る場合が生じることとなっております。この関係につきまして、ガイドラインで明らかにしたいと考えております。
資料5ページ目でございます。2つ目の論点であります指定代替口座の必置要件についてでございます。
指定代替口座は、賃金のデジタル払いの口座に受入上限額を超えて給与振込が行われた場合に、超過分が自動送金される口座として利用されているものでございます。賃金デジタル払いの利用者には、預貯金口座等の登録を必須としているものです。これにつきまして、日本の預貯金口座がつくりづらい外国人労働者を考慮して、ATMによる返済等による代替手段などについての検討ということが求められております。
本分科会におきましては、口座の上限額が設定されている点を踏まえ、受入先としての預貯金口座等を求める要件は維持すべき。事務局の行ったヒアリング結果からは、外国人労働者からのニーズもないことから、要件の見直しは不要。ATM受取サービスは、受取上限額や期限が設定されていることから、超過分全てを受け取れなくなる弊害が考えられるといった御意見をいただいたところでございます。
今後の方向性としましては、指定代替口座について預貯金口座等に限定している現行の指定要件を維持する。その上で、多様な労働者のニーズを把握するため、外国人労働者も含め、ニーズ調査を実施し、制度のきめ細かな状況把握に努めることとしたいと考えております。
6ページ目でございます。3つ目は、その他要件という括りで、個人情報の第三者機関認証と、1円単位の払出しの2点についてでございます。
まず、個人情報の第三者認証につきましては、資金移動業者が銀行と異なり多様な業態を兼ねることが可能であるため、利用者の個人情報保護の観点から、プライバシーマークまたはISMS認証のどちらかの取得を求めているものでございます。分科会におきましては、労働者保護の観点から、銀行同等の保護が必要であり、仮に第三者認証の範囲を見直す場合は、プライバシーマークまたはISMS認証と同水準の認証であることを確実に担保
出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_76835.html
時系列
- 2026-06-01 資金決済法が施行される
- 2026-09-16 第211回労働政策審議会労働条件分科会が開催される
主な数値
| 受入上限額 | 100万円 |
|---|
この事例から確認すべきポイント
本議事録は、資金移動業者の口座を用いた賃金のデジタル払い制度に関する規制改革実施計画を受けた議論の進捗を示しています。労働者保護の観点から、破綻時における6営業日以内の全額弁済や指定代替口座の必置といった現行の主要な要件は維持される方針が確認されました。一方で、保証額の積み増し運用や資金決済法改正に伴う保全要件の関係整理など、実務上の柔軟性を持たせる見直しも検討されています。企業の実務担当者におかれましては、今後の制度運用の詳細やガイドラインの改定動向について、厚生労働省および金融庁からの正式な通知を引き続き注視し、情報収集を行うことが重要となります。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-10-20 / 最終確認: 2026-10-21
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-21
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