経済・産業トレンド 合意成立

モンゴル政府、オユトルゴイ鉱山の管理手数料・融資条件見直し交渉でリオティントと合意

モンゴル政府は、英国・オーストラリア資源最大手のリオティントと、オユトルゴイ鉱山プロジェクトの管理手数料および株主融資条件の見直しについて合意に達したと発表しました。この合意により、管理手数料の削減や融資金利の引き下げが実現し、モンゴル側の収益が合計40億ドル増加し、将来的な返済予定額が84億ドル削減される見込みです。また、利払い頻度の変更や配当金の前倒しについても合意されました。双方は、オントレ鉱区の問題についても引き続き交渉を進めるとしています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

鉱業・資源開発業界に属する企業、特に海外で大規模プロジェクトを展開する企業は、政府との契約条件が長期的に見直される可能性を認識し、事業計画や財務戦略にその影響を織り込む必要があります。国際的な資源開発プロジェクトにおける政府との関係構築やリスク管理を担当する部門に影響が大きい事例です。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 広報 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 鉱業・資源
発表日 2026-07-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月27日

モンゴル政府は6月30日、オユトルゴイ鉱山(OT)プロジェクトの管理手数料や株主融資の金利・返済に関する条件などの条件見直し交渉について、モンゴル側に有利な条件で、英国・オーストラリア資源最大手のリオティントと合意に達したと発表した(注1)。

ニャムオソル・オチラル内閣発足直後の5月19日、OTプロジェクトの管理手数料を22億ドル削減する合意に達したことにより、モンゴル側の収益が15億ドル増加した。その後、6月30日には、OTの株主向け融資金利を引き下げることで合意した。本合意により、OTの資源収益からモンゴル側がリオティント側に返済予定だった62億ドルが削減され、モンゴル側の収益が25億ドル増加した。また、上記融資の利払い頻度を7年に1度から3年に1度に変更すること、およびOTからの配当を前倒し、リオティントが2026年から配当金を受け取ることに合意した。

本件について、オチラル首相は「モンゴルの富はモンゴル国民の利益となるべきであり、政府はOTをめぐる合意で歴史的な成果を上げた」と述べた。また、「交渉の結果、OTの資源収益から支払われる費用が84億ドル削減され、モンゴル側の将来的な利益を40億ドル増加させることが可能になった。今後も引き続き投資家側と協力し、プロジェクトの利益をさらに高め、成果を上げていきたい」と表明し、リオティントに感謝の意を示した。加えて、「政府は常に投資を支援し、モンゴルに投資する全ての人々の正当な利益を、モンゴル国民の利益と平等に保護するために協力していく」と述べた。

一方、リオティントのプレスリリースによると、同社銅部門のケイティ・ジャクソン最高経営責任者は、「今回の合意は、5月に基本合意した管理手数料の見直しとともに、OTの長期的な成功とモンゴル政府とのパートナーシップに対する当社の継続的なコミットメントを示すものだ」と述べた。さらに、調整後の金利について「プロジェクトが成熟し、リスクの低い安定操業段階へ移行する中で、OTのリスクプロファイルについて将来を見据えて評価したものだ」と説明した。

双方は、OT鉱床郡の一部であるオントレ鉱区の問題(注2)についても、引き続き投資家側と交渉し、早期解決を目指すとしている。

(注1)モンゴル政府とリオティントは2022年にOT地下鉱山採掘開始に合意し、2023年3月から銅の地下鉱山の採掘を開始している(2023年3月22日記事参照)。
(注2)カナダのオントレ・リソーシズは、OTプロジェクトの鉱区に隣接したシベートルゴイ鉱区とジャブハラント鉱区の権益の20~30%をOTと合弁で保有する企業で、同社が保有する鉱区(オントレ鉱区)の権益の所有権をOTに移転する問題が2025年5月にモンゴル国会で浮上し、この問題が解決するまでオントレ鉱区の開発は中断されている。

(藤井一範)

(モンゴル)

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モンゴル政府、オユトルゴイ鉱山の管理手数料・融資条件見直し交渉でリオティントと合意

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/ca96f6953e8cc77b.html

時系列

主な数値

管理手数料削減額 22億ドル
管理手数料削減によるモンゴル側収益増加額 15億ドル
株主融資返済予定額削減額 62億ドル
株主融資条件見直しによるモンゴル側収益増加額 25億ドル
OT資源収益から支払われる費用削減総額 84億ドル
モンゴル側の将来的な利益増加総額 40億ドル
融資利払い頻度変更(旧) 7年に1度
融資利払い頻度変更(新) 3年に1度
リオティントの配当金受け取り開始年 2026年

この事例から確認すべきポイント

モンゴル政府とリオティントによるオユトルゴイ鉱山プロジェクトの条件見直し合意は、大規模な国際資源開発における政府と企業の長期的な関係性の重要性を示しています。特に、プロジェクトの成熟や政治情勢の変化に伴い、当初の契約条件が再交渉される可能性を企業は常に考慮する必要があります。今回の事例では、管理手数料の削減や融資条件の見直しを通じて、ホスト国であるモンゴル側が大幅な経済的利益を得る結果となりました。これは、国際的な資源開発プロジェクトに携わる企業にとって、事業計画や財務戦略において、契約の柔軟性や再交渉リスクを織り込むことの重要性を浮き彫りにします。また、オントレ鉱区の問題のように、主要な合意後も未解決の課題が残る可能性があり、継続的な対話と問題解決へのコミットメントが求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-27

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