301条関税12.5%の対象品目、対米輸出の約3分の1
この発表の要点
- 米国は1974年通商法301条に基づき、シンガポールを含む60カ国・地域からの輸入に10.0~12.5%の追加関税を課しました。
- シンガポールの対米輸出の約3分の1(品目数ベース)が12.5%の追加関税の対象となります。
- シンガポール政府は強制労働を容認しない立場を表明し、米国との協議を継続する方針です。
企業・自治体への影響
米国と貿易を行う製造業や商社は、対象品目の確認と関税によるコスト増大を考慮したサプライチェーンの見直しが求められます。特にシンガポールからの輸入企業は、関税適用による影響を精査し、対応を検討する必要があります。
対応すべきこと
- 自社が輸入または輸出する製品が、米国の追加関税の対象品目に該当するかを確認する。
- サプライチェーン全体で強制労働に関わるリスクがないか、改めてデューデリジェンスを実施する。
- 関税適用によるコスト増大や競争力への影響を評価し、事業計画や価格戦略を見直す。
- 米国通商代表部(USTR)および関係国の貿易政策に関する最新情報を継続的に収集する。
対象部門: 経営者 法務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 貿易・製造業 |
| 発表日 | 2026-07-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月29日
シンガポール貿易産業省(MTI)は7月24日、米国の1974年通商法301条に基づき課される関税12.5%の対象品目が、対米輸出の約3分の1に相当すると明らかにした(品目数ベース)。残りの品目については対象外となる。今回の追加関税は、米国東部時間の24日午前0時1分から適用となった。
米国通商代表部(USTR)は7月23日、通商法301条に基づく強制労働産品の輸入を阻止するための対策不足を理由に、シンガポールや日本など60カ国・地域からの輸入に対して10.0~12.5%の追加関税を課すと発表した(2026年7月24日記事参照)。ただ、1962年通商拡大法232条に基づく追加関税の品目に加え、エネルギー関連製品、医薬品と医薬品原料、特定の電子機器や一部の航空関連製品、半導体などについては、今回の追加関税の対象からは除外となる。
MTIは7月24日付の声明で、「シンガポールは強制労働を容認しておらず、国内には不法行為に対して包括的な取り締まりの枠組みがあり、実績もある」と主張した。その上で、複雑な国際サプライチェーンにおける強制労働は国境を越えた課題であり、解決には「国際的な協力と発生源での対応が最も効果的だ」と述べた。今後も引き続きUSTRと、協議を継続していく方針を示した。
また、ビビアン・バラクリシュナン外相は7月23日、フィリピン・マニラで開催されたASEAN関連の外相会議後の会見で、マルコ・ルビオ米国務長官に対し、「米国はシンガポールに対し貿易黒字であり、その額が拡大している。このため、シンガポールに関税を課す技術的、経済的根拠がない」と伝えたと説明した。その上で、「シンガポールが米国の標的では全くない」と理解を得られるよう働きかけていると述べた。
このほか、シンガポールや日本を含む16カ国・地域は現在、USTRによる通商法301条に基づく製造業の過剰生産能力を巡る調査の対象となっている(2026年3月12日記事参照)。調査結果次第では、今回の12.5%の関税に加え、さらに上乗せ関税を課されるリスクもある。
(本田智津絵)
(シンガポール、米国)
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301条関税12.5%の対象品目、対米輸出の約3分の1
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/6e10130f4f99a5ab.html
時系列
- 2026-07-23 米国通商代表部(USTR)が通商法301条に基づく追加関税の課税を発表。シンガポール外相が米国務長官に貿易黒字を理由に関税の根拠がないと伝達。
- 2026-07-24 米国東部時間の午前0時1分から追加関税が適用開始。シンガポール貿易産業省(MTI)が声明で、対象品目が対米輸出の約3分の1に相当すると明らかにし、強制労働を容認しない立場を表明。
- 2026-07-29 ジェトロが本記事を公開。
主な数値
| 関税率 | 12.5% |
|---|---|
| 対象品目の割合(シンガポール対米輸出) | 約3分の1品目数ベース |
| USTR発表の追加関税率範囲 | 10.0~12.5% |
| USTR発表の対象国・地域数 | 60カ国・地域 |
| 製造業の過剰生産能力調査対象国・地域数 | 16カ国・地域 |
この事例から確認すべきポイント
米国による通商法301条に基づく追加関税は、強制労働産品の輸入阻止を目的としており、シンガポールを含む広範な国・地域に影響を及ぼします。企業は、自社のサプライチェーンにおいて強制労働に関わるリスクがないか、また輸入する製品が関税対象品目に該当しないかを確認する必要があります。特に、シンガポールからの対米輸出企業は、約3分の1の品目が12.5%の追加関税の対象となるため、コスト増大や競争力低下のリスクを考慮し、事業戦略の見直しが求められます。また、製造業の過剰生産能力を巡る調査の動向によっては、さらなる関税上乗せのリスクも存在するため、継続的な情報収集と対応計画の策定が重要です。国際的な貿易摩擦が激化する中で、企業は各国の貿易政策の変更に迅速に対応できる体制を構築することが不可欠です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-29
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