経済・産業トレンド

「ASEANエネルギー見通し」発表、2060年には最終消費が最大で4倍超に拡大

ASEANエネルギーセンター(ACE)は2026年10月8日、「第9回ASEANエネルギー見通し(AEO09)」を発表し、同日開催のASEANエネルギー相会合(AMEM)で各国閣僚の承認を得た。現状維持シナリオ(BAS)では2025~2060年に最終エネルギー消費が最大で4倍超に増え、2060年には2,047Mtoeに達すると見通している。地域協調によるエネルギー転換には、2060年までに累計14兆1,830億ドル(年平均約4,050億ドル)の投資が必要と試算されている。

最終確認日: 2026-10-28

この発表の要点

企業・自治体への影響

エネルギー・電力・製造(特に産業部門)、運輸、データセンター関連事業などASEANでの事業展開を検討する企業に関係する可能性がある。経営企画や経理部門では、ASEAN市場の需要見通しや投資規模の前提を把握する材料となる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ASEANエネルギーセンター(ACE)
業界 エネルギー・環境
発表日 2026-10-08
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年10月28日

ASEANエネルギーセンター(ACE)は10月8日、「第9回ASEANエネルギー見通し(AEO09)」を発表した。同見通しは、同日にフィリピン・マニラで開かれた、第44回ASEANエネルギー相会合(AMEM)で各国閣僚から承認を得た。

AEO09は、「ASEANエネルギー協力行動計画(APAEC)」(2026~2030年)を支えるもので、APAECの2030年目標である、(1)一次エネルギー総供給に占める再生可能エネルギー比率30%、(2)発電設備容量に占める再生可能エネルギー比率45%、(3)エネルギー原単位40%削減(2005年比)の達成に向けたシナリオ分析などを紹介している。

地域協調によるエネルギー転換には年平均約4,050億ドルの投資が必要
AEO09によると、各国の現状維持シナリオ(BAS、注1)では、2025~2060年に最終エネルギー消費が、最大で4倍超に増える。最終エネルギー消費は2030年に631Mtoe(100万トン原油換算、注2)、2045年に1,333Mtoe、2060年には2,047Mtoeに達し、年平均成長率は4.2%となる見通しだ。消費の伸びは、初期段階に集中し、2045年まで年率5%を超えるペースで増加する一方、経済の成熟に伴い、最後の15年間は年率2.9%に鈍化すると予測される。

2025年時点のエネルギー需要は485Mtoe。産業部門が全体の40.8%、運輸部門が35.6%を占め、住宅部門(14.0%)、商業・業務部門(7.6%)が続く。燃料別では、石油が41%、石炭が17%、天然ガスが7%を占め、化石燃料への依然が続いている。ACEは、経済拡大や人口増加と都市化の進展、産業活動の深化に加え、デジタル化が新たな需要層を生み出していると指摘する。特に、2025~2030年の電力需要の増加分のうち、約5分の1はデータセンターが占めるとしている。

供給面では、一次エネルギー供給量が2025年に745~827Mtoe、2030年に849~989Mtoe、2060年に2,083~3,043Mtoeと予測している。各国の政策対応によって、2060年時点の供給量には約32%相当の差が生じるとした。ACEは、現状維持シナリオ(BAS)では、エネルギー供給が急速に拡大し、2060年に3,000Mtoeを超える一方、供給増加分の多くは、化石燃料由来になると見込む。そのため、地域協調によるエネルギー転換を加速させなければ、APAEC目標達成は困難との見方を示した。

ACEは、より高い脱炭素目標である「地域協調シナリオ」への移行には、2060年までに、累計14兆1,830億ドル(年平均約4,050億ドル)の投資が必要と試算している。現行維持シナリオ(BAS)と比べて、低炭素の発電事業だけではなく、送電網の整備や水素などへの投資が不可欠とした。

(注1)ACEは、2060年までを見通し期間として、(1)基準シナリオ(BAS)と、(2)加盟国が掲げる目標を達成する加盟国目標シナリオ、(3)地域で協調して移行を進めるASEAN協調移行シナリオ、の3つを示している。
(注2)1Mtoeは原油100万トン相当のエネルギー量を示す。国際エネルギー機関(IEA)によると、1Mtoeは11.63MWh(メガワット時)に相当する。

(藪恭兵)

(ASEAN)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/676a92b0a08d914a.html

時系列

主な数値

最終エネルギー消費の増加倍率(2025~2060年、BAS) 4倍超倍
最終エネルギー消費(2030年) 631Mtoe
最終エネルギー消費(2045年) 1,333Mtoe
最終エネルギー消費(2060年) 2,047Mtoe
最終エネルギー消費の年平均成長率 4.2%
2045年までの消費増加ペース(年率の目安) 5%超
最後の15年間の消費増加率 2.9%
最後の15年間の期間 15年
2025年のエネルギー需要 485Mtoe
産業部門のシェア(2025年) 40.8%
運輸部門のシェア(2025年) 35.6%
住宅部門のシェア(2025年) 14.0%
商業・業務部門のシェア(2025年) 7.6%
石油のシェア(2025年) 41%
石炭のシェア(2025年) 17%
天然ガスのシェア(2025年) 7%
データセンターが占める電力需要増加分の割合(2025~2030年) 約5分の1割合
一次エネルギー供給量(2025年、予測レンジ) 745~827Mtoe
一次エネルギー供給量(2030年、予測レンジ) 849~989Mtoe
一次エネルギー供給量(2060年、予測レンジ) 2,083~3,043Mtoe
政策対応による2060年供給量の差 約32%相当
BASにおける2060年の一次エネルギー供給量 3,000Mtoe(超)
地域協調シナリオへの移行に必要な累計投資額(2060年まで) 14兆1,830億ドル
地域協調シナリオに必要な年平均投資額 約4,050億ドル
1Mtoeの換算値 11.63MWh
見通し期間の終期 2060年

この事例から確認すべきポイント

本件は、ASEANのエネルギー需要・供給・投資の長期見通しを示す統計・参考情報である。現状維持シナリオでは最終エネルギー消費や供給が大きく伸び、供給増加分の多くは化石燃料由来と見込まれるとされている。一方、APAEC目標の達成には地域協調によるエネルギー転換の加速が必要と示されている。広報・実務上は、数値が複数のシナリオに基づく試算である点や、前提条件の違いで結果が変わり得る点を区別して扱うことが重要である。なお、取得した本文からは各シナリオの詳細な前提条件や投資内訳を確認できませんでした。詳細は公式出典をご確認ください。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-10-28 / 最終確認: 2026-10-28

執筆・確認主体

この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。

数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。

編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-28

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