ブラジル政府、ガソリン関連の連邦税を1カ月間無税に
最終確認日: 2026-10-16
この発表の要点
- ガソリン(航空用除く)のPIS/PASEP・COFINS・CIDEは2026年10月10日から11月9日まで無税
- 含水エタノールのPIS/PASEP・COFINSは同期間0%、生産者向け補助金は1リットル当たり0.4280レアルに引き上げ
- 2026年の財政負担は合計36億レアル(約1,138億円)と見込まれる
企業・自治体への影響
ブラジルで燃料(ガソリン、含水エタノール、輸入ディーゼル)の調達・販売・物流を行う石油・エネルギー、食品・小売、運輸業の関連部門に影響する可能性があります。税率の一時的な変動により、販売価格、在庫評価、税務処理の見直しが必要になる場合があります。
対応すべきこと
- 公式出典(政令第13134号や財務省の発表)で、対象品目と適用期間(2026年11月9日まで)を確認する
- ブラジル事業を持つ場合、燃料関連の取引・在庫を担当する部門と税務担当に情報を共有する
- 補助金の延長可否と適用期限の変更を継続的に確認し、期限管理を行う
対象部門: 経理 法務 経営者
対応期限:適用期限あり(2026-11-09まで)
基本データ
| 企業・団体 | ブラジル連邦政府 |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・環境 |
| 発表日 | 2026-10-09 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年10月15日
ブラジル連邦政府は10月9日、中東情勢の悪化に伴う国際原油価格の高騰への対応策として、国内燃料価格の抑制を目的とする政令第13134号を公布し、即日施行した。これにより、ガソリン(航空用を除く)の輸入および販売に課される連邦税の社会統合基金・公務員厚生年金(PIS/PASEP)、社会保険融資負担金(COFINS)、特別財源負担金(CIDE)の税率は10月10日から11月9日まで無税となる(注1)。
また、ブラジルではエタノールなどのバイオ燃料に対して優遇税制が適用されていることから(注2)、ガソリン向けの減税措置に伴い、含水エタノールに課されるPIS/PASEPおよびCOFINSも同期間、税率が0%となる(注3)。さらに、含水エタノールの生産者または生産者協同組合に対する補助金についても、同期間、1リットル当たり0.4280レアルへ引き上げられる(注4)。
財務省のプレスリリースによると、今回のガソリンおよびエタノール向けの減税と補助金措置による2026年の財政負担は合計36億レアル(約1,138億円、1レアル=約31.6円)となる見込み。減税による税収減については、補完法第235号の規定に基づき、原油価格の上昇に伴い増加した石油・天然ガス関連の連邦政府収入(ロイヤルティー、同分野企業からの税収、同分野企業からの配当など)を活用して補填(ほてん)するとしている。なお、政府は同日、輸入ディーゼル向けに1リットル当たり1.40レアルの補助金を30日間追加することも発表しており(財政負担は16億レアル)、燃料対策パッケージ全体の財政負担は、30日間で52億レアル規模となる。
10月9日付の現地紙「CNNブラジル」によると、10月25日に実施される大統領選挙の決選投票を前に(2026年10月6日記事参照)、燃料向け減税措置や補助金の拡充が発表されたことについて、複数のエコノミストが財政面での持続可能性を疑問視するなど批判的な見方を示している。一方、ダリオ・ドゥリガン財務相は同日の記者会見で、今回の措置は大統領選挙とは無関係との見解を示した。また、法務省は同日付のプレスリリースで、指標となるブレント原油価格が1バレル当たり100ドルを超え、戦争前の約70ドルと比べて40%以上上昇したことや、ディーゼルおよびガソリンの国際的な精製マージンが戦争前の2倍超に達したことが、今回の措置を決定した理由だと説明した。
(注1)1998年の法律第9718号によれば、ガソリンにかかるPISは総売上高の5.08%、COFINSは23.44%と定められている。一方、2004年の法律第10865号および政令第5059号では、ガソリンの生産者および輸入業者が、総売上高ではなく販売数量を基準とする従量税制度を選択できるとされている。この制度を選択した場合、PIS/PASEPおよびCOFINSは合計で1リットル当たり0.7925レアルとなる。また、2004年の政令第5060号によれば、ガソリンにかかるCIDEは1リットル当たり0.10レアルとなる。連邦政府は2026年9月9日付の政令第13116号によりガソリンの輸入・販売に係るPIS/PASEPおよびCOFINSを合計1リットル当たり0.6325レアル引き下げていた。今回の措置により、従量税方式を選択した場合のPIS/PASEP、COFINSおよびCIDEの税率は全て0%となった。
(注2)補完法第235号によると、化石燃料の減税を行う場合は対応するバイオ燃料の競争上の優位性を維持しなければならず、ガソリンに対する連邦税の減税幅が中東情勢悪化前の水準と比べて30%以上となる場合には、エタノールに対する連邦税率を0%としなければならない(2026年9月4日記事参照)。
(注3)エタノールについても、生産者および輸入業者は従量税方式を選択できる。この場合、PIS/PASEPおよびCOFINSは合計で1リットル当たり0.1922レアルとなる。9月9日付の政令第13116号により含水エタノールにかかるPIS/PASEPおよびCOFINSの税率はすでに0%となった。今回の政令により、同免税措置が11月9日まで延長された。
(注4)9月16日付の政令第13119号により、含水エタノールの生産者または生産者協同組合に対し1リットル当たり0.2519レアルの補助金が導入された。今回の政令により、補助金額は11月9日まで1リットル当たり0.4280レアルに引き上げられた。同補助金は財務相の決定により延長できる。
(エルナニ・オダ)
(ブラジル)
ビジネス短信 0f22730c28ee5062
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ブラジル政府、ガソリン関連の連邦税を1カ月間無税に
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/0f22730c28ee5062.html
時系列
- 2026-09-09 政令第13116号により、ガソリンの輸入・販売に係るPIS/PASEPおよびCOFINSを合計1リットル当たり0.6325レアル引き下げ、含水エタノールのPIS/PASEPおよびCOFINSの税率も0%となった
- 2026-09-16 政令第13119号により、含水エタノールの生産者または生産者協同組合に対し1リットル当たり0.2519レアルの補助金が導入された
- 2026-10-09 政令第13134号を公布し、即日施行した
- 2026-10-10 ガソリン(航空用を除く)のPIS/PASEP、COFINS、CIDEの税率が無税となる適用期間の開始
- 2026-10-25 大統領選挙の決選投票が実施される予定
- 2026-11-09 減税措置、含水エタノールの免税措置、補助金の適用期間の終了予定日(補助金は財務相の決定により延長可能)
主な数値
| 含水エタノールの税率 | 0% |
|---|---|
| 含水エタノール生産者向け補助金(今回) | 0.4280レアル/リットル |
| 含水エタノール生産者向け補助金(導入時) | 0.2519レアル/リットル |
| 2026年の減税・補助金の財政負担 | 36億レアル |
| 財政負担の円換算額 | 1,138億円 |
| 為替換算レート | 31.6円/レアル |
| 輸入ディーゼル補助金 | 1.40レアル/リットル |
| 輸入ディーゼル補助金の期間 | 30日 |
| 輸入ディーゼル補助金の財政負担 | 16億レアル |
| 燃料対策パッケージ全体の財政負担 | 52億レアル |
| ブレント原油価格(上昇後) | 100ドル/バレル |
| ブレント原油価格(戦争前) | 70ドル/バレル |
| ブレント原油価格の上昇率 | 40%以上 |
| 精製マージンの水準 | 2倍超(戦争前比) |
| 減税幅の閾値(エタノール税率0%とする条件) | 30%以上 |
| ガソリンPIS/PASEPの従価税率 | 5.08%(総売上高比) |
| ガソリンCOFINSの従価税率 | 23.44%(総売上高比) |
| ガソリン従量税方式の税額(PIS/PASEP+COFINS) | 0.7925レアル/リットル |
| ガソリンCIDEの税率 | 0.10レアル/リットル |
| エタノール従量税方式の税額(PIS/PASEP+COFINS) | 0.1922レアル/リットル |
| 9月9日付政令によるガソリン税の引き下げ幅 | 0.6325レアル/リットル |
この事例から確認すべきポイント
本件はブラジルにおける燃料関連税および補助金の期限付き変更であり、適用期間は2026年11月9日までとされています。対象はガソリン(航空用を除く)、含水エタノール、輸入ディーゼル(補助金)など複数に及び、いずれも今回の政令で適用期間が示されています。含水エタノールの補助金は既存の政令第13119号による導入額からの引き上げであり、政令の段階的な積み重ねとして整理できます。補助金は財務相の決定により延長可能とされていますが、延長の判断は取得できた本文からは確認できません。報道では複数のエコノミストが財政面の持続可能性を疑問視する一方、財務相は今回の措置は大統領選挙とは無関係との見解を示しています。現地で燃料の調達、販売、物流を行う企業は、適用期限と延長の有無を公式情報で継続的に確認し、税率変動に応じた価格設定や会計処理を見直すことが実務上重要です。なお、本文から取得できた情報は概要に限られ、添付資料などに記載された詳細は確認できていません。詳細は公式出典をご確認ください。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-10-15 / 最終確認: 2026-10-16
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-16
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