オーストラリア・アデレードで水素関連の国際展示会開催、産業需要を起点とした水素事業化を議論
最終確認日: 2026-10-02
この発表の要点
- 豪州アデレードで「Asia-Pacific Hydrogen Summit&Exhibition 2026」が開催され、400人以上・20社以上が参加した。
- 産業分野(海運、鉄鋼、化学、農業など)における実需を起点とした水素・アンモニア等の案件形成や事例が紹介された。
- 商用化には、確実な需要の明確化、競争力のある電力、既存インフラ、政府支援の組み合わせが重要条件として共有された。
企業・自治体への影響
エネルギー、化学、重工業、海運、農業などの関連産業において、海外の水素事業化動向や政府支援策の仕組みを把握する上で重要な影響を持つ。経営企画部門や事業開発部門において、海外展開や脱炭素戦略を検討する際の参考となる。
対応すべきこと
- 公式出典や関連プロジェクト(オリカ、住友商事の事例など)の動向を確認する。
- 自社の脱炭素戦略やサプライチェーンにおける水素・アンモニア活用の可能性を関連部門で共有する。
- 政府の水素関連支援策や海外の市場動向に関する最新情報を継続的に収集する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・環境 |
| 発表日 | 2026-10-01 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年10月01日
水素関連の国際展示会「Asia-Pacific Hydrogen Summit&Exhibition 2026」が9月3~4日、南オーストラリア州アデレードで開催された。400人以上が参加し、20社以上の事業者が出展した。オーストラリアでは、豊富な再生可能エネルギー資源を生かした水素の大規模生産・輸出が期待される一方、コスト競争力の確保や需要創出が商用化に向けた主要課題となっている。今回は、アンモニア・肥料、船舶燃料、グリーン鉄(注1)など、産業分野における実需を起点とした案件形成について議論された。
冒頭のセッションでは、産業設備には固有の投資・更新サイクル(Industrial clocks)があるため、各産業の設備更新のタイミングに合わせて最適な脱炭素化手法を選択する必要性が指摘された。この考えは産業別討論にも表れ、海運ではメタノールやアンモニアなどの船舶燃料と供給インフラを一体的に整備する必要性や、鉄鋼では製鉄所を主要な需要先とする考えが示された。
オーストラリア化学大手オリカ(ORICA)は、7月に最終投資決定したニューサウスウェールズ(NSW)州のハンターバレー水素ハブプロジェクトを紹介した。既存アンモニア工場でグリーン水素を利用する計画で、長期の再エネ電力調達や自社需要、政府支援が事業化を後押ししたと説明した(2025年7月18日記事参照)。
住友商事は、資源大手リオ・ティント(Rio Tinto)と進めるクイーンズランド(QLD)州グラッドストンのアルミナ精製所での水素利用実証と、その商用化構想「Project Midori」(2025年11月28日記事参照)を紹介した。既存アルミナ精製所を主要需要先とし、段階的な拡張による事業化を目指している。第1段階の120メガワット(MW)案件(注2)は、政府の水素生産価格差支援策「Hydrogen Headstart Program、(注3)」第2ラウンドで本申請に進む7案件の1つに選定されている。
農業分野では、ニュージーランドの水素事業会社ヒリンガ・エナジー(Hiringa Energy)とNSW州の綿花生産大手サンダウン・パストラル(Sundown Pastoral)による肥料・燃料の低炭素化事業について紹介された。州政府の支援を受け、5月に水素・アンモニア製造施設の建設を開始した。農家自身が需要家として参画し、肥料・燃料の安定調達や低炭素綿花による製品の高付加価値化を目指す。討論では、実需から事業を組み立て、モデルの展開を図る考えが示された。
今回のサミットを通じ、水素の生産規模だけでなく、誰が何に利用するのかを明確にし、確実な需要、競争力のある電力、既存インフラ、政府支援を組み合わせ投資判断につなげることが、商用化の重要な条件として共有された。
セッションの様子(ジェトロ撮影)
(注1)水素の活用などにより、製造工程で発生するCO2排出量を大幅に削減して生産された鉄鋼製品。
(注2)リオ・ティントのアルミナ精製所向けに再エネ由来水素を供給する120MW規模の水素製造案件。
(注3)生産コストとオフテイカーへの売価の価格差を生産クレジット(補助金)のかたちで連邦政府が補填(ほてん)する施策。補助期間は、操業10年間における実際の生産量に基づいて補助を受ける。
(ストーリー愛子)
(オーストラリア)
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オーストラリア・アデレードで水素関連の国際展示会開催、産業需要を起点とした水素事業化を議論
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/10/9be254f2c1c0b023.html
時系列
- 2026-09-03 水素関連の国際展示会「Asia-Pacific Hydrogen Summit&Exhibition 2026」が開催された(9月3~4日)。
- 2025-07-18 オリカがニューサウスウェールズ州のハンターバレー水素ハブプロジェクトを最終投資決定(記事参照)。
- 2025-11-28 住友商事とリオ・ティントが進めるアルミナ精製所での水素利用実証「Project Midori」が紹介された(記事参照)。
主な数値
| 参加者数 | 400人以上 |
|---|---|
| 出展事業者数 | 20社以上 |
| 第1段階水素製造案件規模 | 120メガワット(MW) |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、オーストラリアで開催された水素関連の国際展示会における議論や個別プロジェクトの進捗をまとめたものである。水素事業の商用化においては、単なる生産規模の拡大だけでなく、産業別の設備更新サイクルに合わせた実需の明確化、再エネ電力のコスト競争力、既存インフラとの統合、政府支援の組み合わせが不可欠である点が示されている。エネルギー分野や関連サプライチェーンに関わる企業にとって、海外における具体的な事業化モデルや政策支援の動向を把握するための参考情報となる。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-10-01 / 最終確認: 2026-10-02
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-10-02
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