米主要港、7月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比3.2%増、関税・地政学リスクを背景に高水準の荷動きが持続
最終確認日: 2026-09-16
この発表の要点
- 7月の米主要港の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比3.2%増の230万TEUとなった。
- 中国の悪天候やパナマ運河の懸念、関税・地政学リスクによりピークシーズンが後ろ倒しおよび長期化している。
- 2026年通年の総取扱量は前年比1%増の2,570万TEUに達すると予測されている。
企業・自治体への影響
貿易・物流・小売部門において、サプライチェーンの変動や輸送ルートの変更リスクに対する柔軟な在庫管理と動向注視が求められる。
対応すべきこと
- 北米向け輸出入に関わる物流部門および調達部門で最新の港湾荷動きデータを共有する
- 関税や地政学リスク、運河の運行状況に応じた柔軟な輸送ルート・在庫調達計画の見直しを行う
- 今後の月次輸入コンテナ量や小売売上高の推移に関する予測データを定期的に確認する
対象部門: 経営者 総務 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 小売・EC・運輸・物流 |
| 発表日 | 2026-09-15 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月15日
添付資料(227 KB)
全米小売業協会(NRF)と物流コンサルタント会社のハケット・アソシエイツが発表した「グローバル・ポート・トラッカー報告」(9月9日)によると、7月の米国小売業者向けの主要輸入港(注1)の輸入コンテナ量は、前月比3.2%増、前年同月比3.9%減の230万TEU(1TEUは20フィートコンテナ換算、添付資料図参照)となった(注2)。
当初、小売り各社が関税リスクを回避するために夏前に商品を前倒しで調達したことで、2026年の輸入のピークは5月(224万TEU)に前倒しされ、秋口のピークシーズンは既に過ぎ去ったとみられていた。しかし、NRFによると、中国での悪天候による船舶の遅延や、干ばつの懸念に伴うパナマ運河からのルート変更などが影響し、ピークシーズンが後ろ倒しになるかたちで長期化しているという。その背景には、関税、インフレ、イランを巡る紛争に関連した燃料価格の高騰といった複数のリスク要因がある。NRFのジョナサン・ゴールド副理事長は「ピークシーズンは既に大半が過ぎ去ったと考えていたが、実際はそうではなかった」「関税やインフレ、燃料価格の高騰にもかかわらず消費者の購買意欲は衰えず、小売業者も需要に応えるべく商品の入荷を続けている」と指摘し、荷主が柔軟に対応していることを強調した(注3)。
2026年上半期の累計取扱量は1,270万TEU(前年同期比1.1%増)となった。NRFは、今後の見通しについて、8月は前年同月比1.3%減の229万TEU、9月は同9.6%増の231万TEUと、7月をわずかに上回り2026年最大のピークを迎えると予測する(注4)。
主要港の荷動きの状況をみると、当初の想定を超えて旺盛さを維持している。特にロサンゼルス港では、6~8月で合計290万TEUの貨物が同港を通過し、取扱量が高水準で推移した。同港の8月単体の取扱量は95万5,907TEUに達し、過去5年間の平均値を6%上回る高水準となった。通常、秋口に集中していたコンテナ輸送だが、好調な荷動きの影響でピークシーズンが後ろ倒しかつ、長期化する展開となっている。
また、NRFによると、これらの影響に加え、多様な混乱を経験してきた荷主企業がリスク管理のノウハウを蓄積し、需要とリスクに合わせた柔軟な在庫調達や輸送ルートの調整を継続していることも、ピークシーズンの長期化(ひいては平準化)に寄与したとみられる。
(注1)主要輸入港は、米国西海岸のロサンゼルス/ロングビーチ、オークランド、シアトルおよびタコマ、東海岸のニューヨーク/ニュージャージー、バージニア、チャールストン、サバンナ、エバーグレーズ、マイアミおよびジャクソンビル、メキシコ湾岸のヒューストンの各港を指す。
(注2)発表されている貨物量のTEUと前年同月比の数値は端数処理の関係で一致しない場合がある。
(注3)ただし、7月の小売売上高は市場予想に反して前月比で減少していたこと(2026年8月17日記事参照)を踏まえれば、こうした好調さが続くか注意が必要だ。
(注4)予測では、10月は前年同月比1.7%増の211万TEU、11月は同0.9%減の200万TEU、12月は同1.1%増の203万TEU。2026年通年の総取扱量は前年比1%増の2,570万TEU(2025年は2,540万TEU)に達するとしている。なお、2027年1月は前年同月比1.0%減の209万TEUと見込んでいる。
(樫葉さくら)
(米国)
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米主要港、7月の小売業者向け輸入コンテナ量は前月比3.2%増、関税・地政学リスクを背景に高水準の荷動きが持続
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/ff0b78dfbfc1499a.html
時系列
- 2026-09-09 全米小売業協会(NRF)とハケット・アソシエイツが「グローバル・ポート・トラッカー報告」を発表
- 2026-09-15 ジェトロがビジネス短信にて内容を配信
主な数値
| 7月の輸入コンテナ量 | 230万TEU |
|---|---|
| 5月の輸入コンテナ量(ピーク) | 224万TEU |
| 2026年上半期の累計取扱量 | 1,270万TEU |
| 8月の輸入コンテナ量予測 | 229万TEU |
| 9月の輸入コンテナ量予測 | 231万TEU |
| ロサンゼルス港の6~8月合計貨物量 | 290万TEU |
| ロサンゼルス港の8月単体取扱量 | 955,907TEU |
| 10月の輸入コンテナ量予測 | 211万TEU |
| 11月の輸入コンテナ量予測 | 200万TEU |
| 12月の輸入コンテナ量予測 | 203万TEU |
| 2026年通年の総取扱量予測 | 2,570万TEU |
| 2025年通年の総取扱量 | 2,540万TEU |
| 2027年1月の輸入コンテナ量予測 | 209万TEU |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、関税や地政学リスク、天候・運河の懸念といった外部要因が、米国の物流動向および小売業界のサプライチェーンに直接的な影響を与えていることを示している。広報・実務の観点からは、単一の予測に依存せず、中国の天候リスクやパナマ運河の状況、燃料価格の変動などを踏まえた柔軟な在庫調達や輸送ルートの調整が重要となる。また、ピークシーズンの長期化・平準化の傾向や、今後の小売売上高の動向に対する注意深さが必要である。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-15 / 最終確認: 2026-09-16
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-09-16
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