経済・産業トレンド

インドネシア政府、太陽光発電所100GWp計画を始動、2029年までの完了目指す

インドネシア政府は2025年8月25日、太陽光発電所(PLTS)100GWp計画の始動を発表した。初期案件として6州で14件、計5.3GWpが位置付けられ、大統領は2029年までの実現を目指す。ディーゼルから太陽光への転換によるエネルギー安全保障強化を図る一方、日系企業からは制度的課題や予見性の低さが指摘されており、今後の動向が注目される。

この発表の要点

企業・自治体への影響

インドネシア国内で事業を展開するエネルギー関連、製造業、現地法人のサプライチェーン等において、電力供給体制や再生可能エネルギーの導入方針に影響を与える可能性がある。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 法務 情シス

対応期限:2029年まで

基本データ

企業・団体 インドネシア政府
業界 エネルギー・電力
発表日 2026-09-04
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年09月04日

インドネシア政府が進める太陽光発電所(PLTS)100ギガワットピーク(GWp、注)プログラムが8月25日、正式に始動した。バリ州ジュンブラナ県で開催された式典で、プラボウォ・スビアント大統領が同プログラムの開始を宣言した。初期案件として、西ジャワ州、中部ジャワ州、東ジャワ州、バリ州、バンカブリトゥン州、リアウ諸島州の6州で14件、計5.3GWpのPLTSが位置付けられた。大統領は100GWpの実現を3年以内(2029年まで)とする目標を示した(8月25日付「インドネシア大統領府プレスリリース」)。

同プログラムは、ディーゼル発電から太陽光発電への転換を進め、エネルギー安全保障の強化や化石燃料への依存度低減につなげることを狙いとしている。政府によると、インドネシア国内の太陽光発電の潜在容量は約3,294GWに達する一方、2026年4月時点の導入容量は約1.5GWにとどまる(8月25日付「コンパス」)。

プラボウォ大統領はこれに先立ち、2027年度国家予算(APBN)法案の説明演説で、2026年に30ギガワット(GW)の太陽光発電所を建設するとともに、13GW分のディーゼル発電所を稼働停止とする目標を表明した。また、100GWの導入により、年間73兆9,000億ルピア(約6,651億円、1ルピア=約0.009円)のコスト削減効果が見込まれるとの試算を紹介した(8月15日付「コンパス」)。バフリル・ラハダリア・エネルギー・鉱物資源相は、30GW分の太陽光発電所の建設に向けた入札計画について、国営電力会社PLNと協議済みであり、今後入札手続きを進める考えを示している(8月19日付「コンパス」)。

一方、インドネシアの太陽光発電には、制度面の課題が残る。日系企業からは、主に屋根置き型に限定される太陽光発電について、導入クオータ(設置枠)不足や承認手続きの不透明さ、予見性の低さが指摘されている。また、2024年に廃止された余剰電力の売電制度の復活を求める声もある。さらに、地上設置型やフローティング型については、制度的枠組み自体が未整備であり、案件形成や投資判断を難しくしているとの指摘もある。100GWp計画が実施段階に入る中、こうした制度上の課題がどこまで解消されるのかが注目される。

(注)「ギガワット(GW)」と「ピーク(peak)」を組み合わせた用語。太陽光発電システムの最大出力を表す。

(高田尚、山田研司)

(インドネシア)

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インドネシア政府、太陽光発電所100GWp計画を始動、2029年までの完了目指す

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/37addf01d905db1e.html

時系列

主な数値

太陽光発電所プログラム計画規模 100GWp
初期案件の州数 6州
初期案件の件数 14件
初期案件の総出力 5.3GWp
国内の太陽光発電の潜在容量 3,294GW
2026年4月時点の導入容量 1.5GW
2026年太陽光発電所建設目標 30GW
稼働停止とするディーゼル発電所 13GW
100GW導入による年間コスト削減効果 73兆9,000億ルピア

この事例から確認すべきポイント

インドネシア政府が推進する太陽光発電所100GWp計画の始動は、同国のエネルギー構成や化石燃料依存度の低減に向けた重要な転換点である。他方、日系企業からは屋根置き型における導入クオータ不足や承認手続きの不透明さ、地上設置型等の制度的枠組みの未整備といった課題が指摘されている。実務上は、今後の入札制度の具体化や規制緩和の動向を注視しつつ、現地法人や関連プロジェクトにおける制度適用のリスクと機会を慎重に見極めることが求められる。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-09-04

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