シンガポール、屋外労働者の暑熱対策を12月から雇用主に義務化
この発表の要点
- シンガポール人材省が屋外労働者の暑熱対策を12月1日から義務化
- 研修実施や飲料水提供、冷水等の常備、適切な衣服の提供が対象
- 熱波対策として国内に300カ所以上のクーリングセンターを設置予定
企業・自治体への影響
シンガポール現地で建設・造船・プラント等の屋外作業を行う企業において、労務管理や安全衛生管理体制の改編およびコスト発生の影響が生じる。現地法人や関連部門での対応が必要となる。
対応すべきこと
- 公式出典およびシンガポール人材省(MOM)のウェブサイトで詳細な要件を確認する
- 現地法人や対象部門へ暑熱対策義務化の情報を共有する
- 12月1日の施行日に向けた現場の衛生管理体制や備品の準備状況を確認する
対象部門: 経営者 総務 法務 人事
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | シンガポール人材省(MOM) |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-09-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年09月03日
シンガポール人材省(MOM)は8月28日、屋外労働者を熱中症など暑熱リスクから保護するため、雇用主による暑熱対策を12月1日から義務化すると発表した。
同国ではこれまで、建設現場や造船所、石油化学プラントなどで屋外作業に従事する労働者について、暑さ指数(WBGT、湿球黒球温度)に応じた暑熱対策を雇用主に推奨してきた(注)。12月からは雇用主に対し、(1)屋外労働者への熱ストレスに関する研修の実施、(2)作業場所の近くでの冷たい飲料水の提供、(3)緊急時に備えた冷水、アイスパックまたは水スプレーの常備、(4)過度の熱ストレスを軽減し、労働者を保護するための適切な衣服の提供、を義務付ける。また、MOMは新たに労働者向けに、換気が良くて涼しい日陰の休憩所を設けることも推奨する。
ディネシュ・バス・ダシュ国務相(人材担当)は報道発表で、「気温上昇に伴う対応強化の一環として、雇用主は暑熱リスクから労働者を守るため、積極的な対策が必要だ」と述べた。その上で、「熱ストレスを適切に管理することは、労働者の健康を守るだけでなく、作業の中断を減らし、生産性を維持し、事業継続性の確保にもつながる」と指摘した。
熱波対策で300カ所以上のクーリングセンター設置へ
シンガポール首相府の国家気候変動事務局(NCCS)によると、地球温暖化の影響で同国の年間平均気温は1984年から2022年までの間に、10年当たり0.24度上昇した。現在、1日の最高気温が35度を超える酷暑日は年間平均で21.4日間だが、最も厳しい温暖化シナリオでは2050年までに年間129日に増えると予想している。
2026年8月31日付の英字紙ストレーツ・タイムズによると、環境持続省エネルギー・気候政策局のカルビン・チョン局長は、熱波対策として国内に300カ所以上の「クーリングセンター(暑熱対策施設)」を設置する計画を明らかにした。センターは冷房が完備され、コミュニティーセンター(自治体施設)や住民向けの施設、スポーツ施設などに設置される予定。
(注)雇用主に対して推奨しているWBGTに応じた暑熱対策についてはMOMのウェブサイトを参照。
(本田智津絵)
(シンガポール)
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シンガポール、屋外労働者の暑熱対策を12月から雇用主に義務化
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/09/de54be8b7d230a23.html
時系列
- 2026-08-28 シンガポール人材省(MOM)が屋外労働者の暑熱対策の義務化を発表
- 2026-08-31 英字紙ストレーツ・タイムズが熱波対策として国内300カ所以上のクーリングセンター設置計画を報じる
- 2026-12-01 雇用主による屋外労働者の暑熱対策義務化の施行日
主な数値
| 義務化の施行日 | 12月1日 |
|---|---|
| 気温上昇の過去実績期間 | 1984年から2022年年間 |
| 平均気温の上昇幅 | 10年当たり0.24度 |
| 現在の酷暑日の年間平均日数 | 21.4日間 |
| 2050年までの予測酷暑日数 | 2050年までに年間129日 |
| クーリングセンターの設置予定数 | 300カ所以上 |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、シンガポールにおける気候変動に伴う労働安全衛生上の規制強化に関するものである。地球温暖化による気温上昇に対応するため、これまで推奨であった屋外労働者の暑熱対策が法的な義務へと移行する。現地に進出している、あるいは現地で屋外作業を行う事業者は、12月1日の義務化に向けた体制整備が急務となる。グローバル展開を行う企業においては、現地法規制の動向把握と労務管理・安全衛生管理体制の見直しが重要である。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-09-03
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