タイ工業省、使用済みバッテリーの再利用促進へ地場企業と覚書を締結
この発表の要点
- タイ工業省が使用済みリチウムイオン・バッテリーのリサイクル促進に向け、地場企業と覚書を締結した。
- 覚書は、リサイクル技術の商業化、リサイクル施設設立支援、輸入原材料依存度低減、原材料安定供給強化を目的とする。
- 使用済みバッテリーから1トンあたり26万バーツ(約122万2,000円)以上の付加価値創出を目指す。
企業・自治体への影響
EV・バッテリー製造、再生可能エネルギー関連企業は、タイにおける循環経済政策の動向を注視する必要がある。リサイクル技術開発や施設投資の機会が生まれる可能性があり、サプライチェーン戦略に影響を与える。原材料の安定供給や輸入依存度低減を目指す動きは、関連産業の企業にとって新たなビジネスモデルやパートナーシップの検討を促す。
対応すべきこと
- タイのEV・バッテリー関連政策動向を継続的に情報収集する。
- 自社のサプライチェーンにおけるバッテリーリサイクルの可能性を検討する。
- 関連する研究開発や投資機会について情報収集を行う。
対象部門: 経営者 広報 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | タイ工業省・一次産業資源局(DPIM) |
|---|---|
| 業界 | 再生可能エネルギー / 電気自動車(EV)製造 / バッテリー製造 |
| 発表日 | 2026-08-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月10日
タイ工業省・一次産業資源局(DPIM)は7月21日、使用済みリチウムイオン・バッテリーのリサイクル促進に向け、タイで再生可能エネルギー事業や電気自動車(EV)・バッテリー製造を手掛ける地場エナジー・アブソリュートと、タイの循環経済(サーキュラー・エコノミー)の推進を目的とする覚書を締結した。
リサイクルを通じて1トン100万円以上の付加価値を創出
覚書には、DPIMとエナジー・アブソリュートに加え、同社子会社でバッテリーメーカーのアミター・テクノロジーも参加した。使用済みバッテリーのリサイクルに関して、研究開発段階にある技術の商業化を目指すとともに、リサイクル施設の設立支援に向けた政策提言を行う。また、使用済みバッテリーの価値を高めるだけでなく、輸入原材料への依存度を低減し、原材料の安定供給を強化することにつなげる。
タイ経済紙「プラチャチャート・トゥラキット」(7月21日付)によると、工業省では、小型EVやエネルギー貯蔵装置向けに、使用済みEVバッテリーセルを再利用し、使用済みバッテリーから高品質かつ環境負荷の低いブラックマス(リチウムやニッケルなどの有価金属を含む粉末原料)を回収するリサイクル技術の開発に成功している。今回の覚書を通じて、バッテリー廃棄物の付加価値を1トン当たり26万バーツ(約122万2,000円、1バーツ=約4.7円)以上引き上げる狙いがある。
エナジー・アブソリュートのチャトラポン・スリプラタム最高経営責任者(CEO)は、「EV・エネルギー貯蔵分野の急速な拡大に伴い、使用済みバッテリーの量は必然的に増加する。適切なインフラが整備されなければ、環境・安全・経済面で重大な課題となる」と発表している。
(藪恭兵)
(タイ)
ビジネス短信 ff770176fb766539
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タイ工業省、使用済みバッテリーの再利用促進へ地場企業と覚書を締結
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/ff770176fb766539.html
時系列
- 2026-07-21 タイ工業省・一次産業資源局(DPIM)がエナジー・アブソリュート、アミター・テクノロジーと使用済みリチウムイオン・バッテリーのリサイクル促進に関する覚書を締結
- 2026-08-10 ジェトロが本件に関するビジネス短信を公開
主な数値
| 付加価値目標 | 260000バーツ |
|---|---|
| 付加価値目標(日本円換算) | 1222000円 |
| 為替レート | 4.7円/バーツ |
この事例から確認すべきポイント
本事例は、EV・エネルギー貯蔵分野の急速な拡大に伴い増加する使用済みバッテリー問題に対し、政府と民間企業が連携して循環経済を推進する動きを示しています。タイ工業省が開発したリサイクル技術の商業化やリサイクル施設の設立支援は、関連産業における新たなビジネス機会を創出する可能性を秘めています。特に、高品質なブラックマス回収技術の開発は、資源の有効活用と輸入原材料への依存度低減に貢献し、サプライチェーンの安定化に寄与すると考えられます。企業は、このような政策動向を注視し、自社の事業戦略におけるリサイクル技術の導入や、循環型ビジネスモデルへの転換を検討することが求められます。また、環境・安全・経済面での課題解決に向けたインフラ整備の重要性も示唆されており、将来的な投資やパートナーシップ形成の判断材料となるでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-10
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