行政処分・コンプライアンス

第67回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会 議事録

厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会が令和8年7月7日に開催され、新規の指定難病追加(令和8年度実施分)について議論が行われました。本委員会では、神経・筋疾患など計20疾患が検討対象となり、特にVici症候群、スティッフパーソン症候群、NMDA受容体抗体脳炎の3疾患について詳細な議論がなされました。これらの3疾患は、重症度分類の基準や治療法の確立状況、発病機構の明確さといった指定難病の要件を満たさないと判断されました。

この発表の要点

企業・自治体への影響

医療機関や研究機関は、指定難病の申請や研究開発において、発病機構、治療法の有無、重症度分類の客観性といった厚生労働省の厳格な審査基準を再確認する必要がある。患者団体や製薬企業は、新規疾患の指定難病への追加を目指す際、これらの基準を深く理解し、エビデンスに基づいた提案を行うことが求められる。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 法務 広報

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 厚生労働省
発表日 2026-07-07
分類 行政処分・コンプライアンス

発表された内容

令和8年7月7日(火)15:30~17:30

場所

ハイブリッド(対面+WEB)開催

議事内容

○古藤補佐 お待たせいたしました。ただいまから第67回「厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会」を開会します。
委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
なお、本日は報道関係者及び一般の方の傍聴は行わず、代わりに会議の模様をユーチューブによるライブ配信にて公開しておりますので、御了承ください。
また、本日、委員の方には会場またはオンラインにて御参加いただいておりますが、オンラインでの御参加の方に向け、何点かお願いをさせていただきます。会議参加に当たり、ビデオカメラはオンにしていただき、マイクはミュートにしてください。発言時はマイクをオンにしていただき、名前をおっしゃった上で発言をお願いいたします。発言が終わりましたら、マイクをミュートに戻してください。御不明な点がございましたら、事前にお伝えしている電話番号までお問い合わせください。
本日の出席状況について報告いたします。桑名委員、和田委員より欠席、張替委員より早退、宮崎委員より遅れて参加の御連絡をいただいております。
それでは、ここからの議事進行は持田委員長にお願いいたします。
○持田委員長 それでは、まず資料の確認をお願いいたします。
○古藤補佐 それでは、資料の確認をさせていただきます。
お手元の資料は全て議題1の「疾病ごとの個別検討(新規の疾病追加)について」に関する資料となります。資料1は、今回の第67回指定難病検討委員会で検討する指定難病に係る新規疾患追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾患(個表)(第67回指定難病検討委員会において検討する疾病)になります。
また、参考資料1として指定難病の検討について、参考資料2として指定難病に係る新規の疾病追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾病(一覧表)がございます。参考資料1は、今年度アップデートの検討委員会でも用いた資料となりますが、指定難病の要件について記載されております。難病の定義、指定難病の要件について記載がございますので、そちらを御確認いただきながら御議論いただければと思います。
資料は以上となります。不足がございましたら、事務局までお申しつけください。
○持田委員長 それでは、議事を進めてまいりたいと思います。
本日の議事でございます議題1の疾病ごとの個別検討、今回は新規疾病の追加についてですが、御意見を委員の先生方からいただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。
○西垣補佐 それでは、議題1につきまして、資料1の「指定難病に係る新規の疾病追加(令和8年度実施分)について情報提供のあった疾病(個表)(第67回指定難病検討委員会において検討する疾病)」を御参照いただき、こちらの疾患順に委員の皆様に議論を行っていただきたいと思います。
指定難病の新規の疾病追加に関して、今回は神経・筋疾患7疾患、代謝疾患2疾患、消化器疾患3疾患、内分泌疾患1疾患、血液疾患3疾患、皮膚疾患3疾患、骨・関節疾患1疾患の計20疾患について議論を進めさせていただきます。本日は17時30分までの予定としております。
まず、神経・筋疾患のうち3疾患について議論を行っていただきます。Vici症候群(ヴィチィ症候群)、スティッフパーソン症候群、NMDA受容体抗体脳炎について御説明します。
Vici症候群について、1ページを御覧ください。
患者数は100人未満、過去に議論されたことはございません。本疾患は重度発達遅滞、脳梁欠損等を特徴とする先天異常症候群でオートファジー関連遺伝子の病原性変異が原因とのことです。
有効な治療法は確立しておらず、栄養療法、呼吸管理、抗てんかん薬など、種々の合併症に対する対症療法を行います。予後としては、有意語、坐位、歩行獲得困難な場合が多いと記載されています。
3ページから記載がございます重症度分類は、小児と成人とで分けられております。小児は症状・治療薬・処置のいずれかの基準を満たした場合を対象とし、成人では、下の表にございますように、てんかんと能力障害評価の表に該当する者等を対象としております。こちらの重症度分類を用いた場合、対象となる患者はおよそ95%です。
診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
次に、スティッフパーソン症候群について、9ページを御覧ください。
患者数は257人で、平成28年度には「診断に関し客観的な診断基準が定まっている」との要件、令和5年度には免疫療法での治療効果があることから「治療法が確立していない」との要件を満たさないと判断されました。
本疾病は、体幹を主部位として、間歇的に筋硬直や筋けいれんが発生し、さらには全身へと症状が進行する疾患でございます。
9割にGAD抗体が関与しているとされておりますが、まれながら傍腫瘍神経症候として発症する場合もあるようです。
治療法につきましては、免疫グロブリン大量静注療法、血液浄化療法、免疫抑制剤等があり、予後としては前回同様の記載が残されております。治療前のmRS(modified Rankin Scale)が、中央値4点が、治療後は2点であるという記載がございます。
12ページに記載がございます重症度分類では、modified Rankin Scaleを用いて3以上を対象とするとしており、こちらで対象となる患者はおよそ82%です。
診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
次に、NMDA受容体抗体脳炎について、14ページを御覧ください。
患者数は約600人で、令和5年度には免疫療法の治療効果があることから「治療法が確立していない」との要件を満たさないと判断されました。
本疾病は、NMDA受容体を標的とする自己抗体によって生じる自己免疫介在性脳炎・脳症とございます。NMDA受容体を標的とする自己抗体が原因と記載されております。
治療法に参りますと、第一選択は大量グルココルチコイドや免疫グロブリン大量静注療法、血液浄化療法が行われるとあります。予後につきましては、発症から24か月間にmodified Rankin Scaleが3以上の症例は約20%、すなわち治療2年間の軽症の割合が8割でございます。
17ページに記載がございます重症度分類はmodified Rankin Scale等を用いて、いずれかが3以上としており、こちらで対象となる患者はおよそ95%と記載されております。
こちらも診断基準、重症度分類は、日本神経学会にて承認を得ております。
この3疾患については以上です。
○持田委員長 どうもありがとうございます。
ただいま御説明のありました神経疾患3疾患について、要件を満たすかどうかについて議論いただきます。
まず、最初のVici症候群は、診断基準などはおおむねまとめられていますが、小児の場合は重症度分類で薬物を使用しているかどうかが要因になっていることが問題になると思います。
2つ目のスティッフパーソン症候群と3つ目のNMDA受容体抗体脳炎は、前回、免疫療法などの治療効果があることから、治療法が未確立の要件を満たしていないとされていたのですが、今回も大きな変更なしに再申請されているようです。いかがでしょうか。御意見をお願いします。
神経疾患ですので、まず青木先生から御意見いただければと思います。
○青木委員 ありがとうございます。青木です。
まず、Vici症候群なのですが、これは今、御指摘もありましたが、重症度分類について、特に小児、薬剤使用群が重症と判断されているというところはやはり気になりました。一方、成人はmodified Rankin Scaleなどの症状に基づいた基準が用いられているので、このような疾患特異的なものや臓器別の症状という形で示していただけるのが自然だと思いました。
2番目のスティッフパーソン症候群に関しては、先ほどの御指摘のとおりです。さらには御説明の中で傍腫瘍症候群を含めるという話がありましたが、指定難病には発病の機構が明らかでないという要件もありますので、そういう点でも腫瘍が原因で発症するものは含めないという整理になっているかと思います。
3つ目のNMDA受容体抗体脳炎については、中等度以上が20%と記載されています。かなり免疫修飾療法が効くということと、長期療養の要件は満たさないのではないかという印象があります。
以上です。
○持田委員長 ほかに御意見がございますか。よろしいでしょうか。
重症度分類に薬剤の有無が入っていることと傍腫瘍症候群を含めることは問題になります。どちらも難病としては重要な点です。
指定難病の趣旨を考慮すると、薬物を投与しているかどうかではなく、治療を十分実施した上で、臓器障害がどの程度であるかを、重症度分類の要因として設定していただくことが重要と思います。また、ウイルス感染や腫瘍が原因の疾患は難病から省くとことが、今までの議論でも一定の見解になっております。
そうしますと、この3疾患はいずれも指定難病には該当しないとの結論になります。よろしいでしょうか。ほかに御意見がございますか。
どうもありがとうございます。では、そのような判断にしたいと思います。ありがとうございました。
続きまして、事務局から説明をお願いいたします。
○西垣補佐 椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤について、20ページを御覧ください。
患者数は6万人未満と推計されており、過去に議論されたことはありません。

出典: 厚生労働省
URL: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75317.html

時系列

主な数値

会議開催日時 15:30~17:30時間
検討対象疾患数 20疾患
Vici症候群患者数 100人未満
Vici症候群重症度分類対象患者割合 95%
スティッフパーソン症候群患者数 257人
スティッフパーソン症候群重症度分類対象患者割合 82%
NMDA受容体抗体脳炎患者数 600人
NMDA受容体抗体脳炎重症度分類対象患者割合 95%
NMDA受容体抗体脳炎治療2年間の軽症割合 80%
椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤患者数 60000人未満

この事例から確認すべきポイント

本議事録は、指定難病の認定プロセスにおける厳格な審査基準を明確に示しています。特に、Vici症候群、スティッフパーソン症候群、NMDA受容体抗体脳炎の3疾患が指定難病の要件を満たさないと判断された事例は、発病機構の不明確さ、治療法の未確立、そして重症度分類の客観性という3つの主要な要件が重視されることを浮き彫りにします。企業や研究機関は、新規疾患の指定難病への申請や関連する研究開発を進めるにあたり、これらの詳細な基準、特に重症度分類において薬剤使用の有無ではなく、臓器障害の程度など客観的な指標を用いることの重要性を認識する必要があります。また、傍腫瘍症候群のように原因が特定される疾患は、指定難病の趣旨から外れるという過去の議論の見解も再確認されました。現時点で取得できた本文からは、個々の疾患に関する詳細な検討資料の内容までは確認できませんでしたが、公式出典にて詳細な資料が公開されている可能性があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-08-05

関連事例

自社のプレスリリースをPRazeに掲載しませんか?

無料でプレスリリースを掲載する