6月の日本の原油輸入は4カ月ぶりに前年同月を上回る、紅海では緊張の高まりも
最終確認日: 2026-08-04
この発表の要点
- 2026年6月の日本の原油輸入量は1,003万kLで、4カ月ぶりに前年同月を上回った。
- 米国からの原油輸入量が5月比で倍増し、中東依存度は9カ月連続で前年を下回った。
- 中東情勢は緊迫化しており、紅海での緊張が高まっているが、石油備蓄の放出は3カ月連続で行われていない。
企業・自治体への影響
エネルギー多消費型産業(製造業、運輸業など)は、原油価格の変動や供給リスクの増大に備える必要があります。サプライチェーン部門は、調達先の多角化や在庫管理戦略の見直しを検討し、海上輸送ルートの安全保障に関する情報収集を強化すべきです。国際情勢の変化は、貿易・投資活動にも影響を与えるため、関連部門は中東地域の動向を注視する必要があります。
対応すべきこと
- 自社のエネルギー調達状況と中東情勢によるリスクを評価する。
- 燃料コスト変動への対応策(ヘッジ、代替燃料検討など)を検討し、関係部門と共有する。
- サプライチェーンの脆弱性を再確認し、代替調達先や輸送ルートの確保を検討する。
- 国際情勢に関する最新情報を継続的に収集し、事業計画への影響を分析する。
対象部門: 経営者 総務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ(日本貿易振興機構) |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・環境 |
| 発表日 | 2026-08-03 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年08月03日
日本の資源エネルギー庁は7月31日、2026年6月分の「石油統計速報」を発表した。日本の6月の原油輸入量は1,003万キロリットル(kL)となり、4カ月ぶりに前年の値を上回った。米国からの原油輸入量が5月比で倍増し、全体の輸入量増加に貢献した。中東依存度は62.3%と、9カ月連続で前年を下回った。
国別の輸入量と前年同月比増減は次のとおり(上位5カ国)。
アラブ首長国連邦(UAE):359万kL、27.3%減
米国:324万kL、7,199.8%増
サウジアラビア:217万kL、30.6%減
クウェート:50万kL、12.6%減
エクアドル:19万kL、前年同月実績なし
なお、6月分の原油調達先のうち、南スーダン(3万6,000kL)は2025年に輸入実績はなかった。エクアドルは、2025年は6月以外の月で輸入実績がある。
7月24日に開催された「中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース(第3回)」の資料によると、ホルムズ海峡を経由しない原油の代替調達が進展し、日本の8月分の原油輸入量についても7月に続いて前年平月比(注)の10割相当の調達めどが立ったという。このため、5月、6月に引き続き、7月についても石油備蓄の放出は行われなかったとのことだ。
石油製品の6月の生産は、燃料油が前年同月比2.8%増、潤滑油が29.1%増、アスファルトが24.4%減、パラフィンが22.7%減、液化石油ガスが3.0%減だった。
燃料油の6月の生産の品目別内訳をみると、ガソリンは前年同月比5.0%増、ジェット燃料は3.6%減、灯油は33.4%増、軽油は5.8%減、重油は17.5%増、プラスチックの製造などに使われるナフサは9.5%減だった。
財務省貿易統計によると、6月の日本の中東からの輸入額は前年同月比3.9%減の7,372億円、中東向け輸出額は前年同月比4.2%減の3,676億円となっている(2026年7月27日記事参照)。
7月以降は再び情勢が緊迫化
直近の中東情勢を振り返ると、6月17日の米国・イラン間の覚書署名(2026年6月19日記事参照)以降、6月下旬から7月初旬のホルムズ海峡通航量は増加したものの、両国間の攻撃の応酬の再発を受け、再び通航量は減少している。
また、7月13日以降、サウジアラビアとイエメンのフーシ派との間においても戦闘行為が発生した。フーシ派は7月20日、サウジアラビア向け海上輸送の禁止措置を発動すると宣言し(2026年7月13日、20日付ロイター通信)、紅海においても緊張が高まっている(2026年7月24日記事参照)。
中東情勢と世界各国の動きはジェトロ特集「イスラエル・米国とイランの衝突を巡る中東情勢関連情報」を参照。
(注)「前年同月比」とほぼ同義。季節変動が大きい品目などのデータ系列との比較で用いられることがある。
(中村周)
(中東、イラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、クウェート、米国、エクアドル、日本)
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6月の日本の原油輸入は4カ月ぶりに前年同月を上回る、紅海では緊張の高まりも
ジェトロ公式SNSアカウント
出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/08/f6476dec6c828ce2.html
時系列
- 2026-06-17 米国・イラン間の覚書署名
- 2026-07-13 サウジアラビアとイエメンのフーシ派との間で戦闘行為が発生
- 2026-07-20 フーシ派がサウジアラビア向け海上輸送の禁止措置を発動すると宣言
- 2026-07-24 「中東情勢に伴う重要物資の安定的な供給確保のためのタスクフォース(第3回)」が開催
- 2026-07-31 日本の資源エネルギー庁が2026年6月分の「石油統計速報」を発表
主な数値
| 日本の6月の原油輸入量 | 1003万kL |
|---|---|
| 中東依存度 | 62.3% |
| 米国からの原油輸入量(6月) | 324万kL |
| 中東からの輸入額(6月) | 7372億円 |
| 中東向け輸出額(6月) | 3676億円 |
この事例から確認すべきポイント
日本の原油輸入量が4カ月ぶりに前年同月を上回った背景には、米国からの輸入量の大幅な増加があり、中東依存度が9カ月連続で前年を下回るなど、調達先の多角化が進展していることが示唆される。これは、中東情勢の不安定化リスクを考慮した動きと推測される。一方で、米国・イラン間の攻撃応酬の再発やサウジアラビアとフーシ派の戦闘行為により、紅海での緊張が高まっており、今後の海上輸送ルートや原油価格に影響を与える可能性がある。石油備蓄の放出が3カ月連続で行われていないことは、現時点での供給体制に一定の余裕があることを示すが、中東情勢の悪化によっては状況が変化する可能性も考慮すべきである。企業は、原油価格の変動リスクやサプライチェーンの脆弱性について継続的にモニタリングし、代替調達先の確保や在庫戦略の見直しを検討することが重要となる。特に、エネルギー多消費型産業や物流業界は、燃料コストの変動が経営に与える影響を評価し、対策を講じる必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-08-03 / 最終確認: 2026-08-04
執筆・確認主体
この記事は、上記の公式出典を一次情報として PRaze編集部(株式会社スキルマーク)が構造化・要約したものです。 要約と分類の生成にはAIを使用しています。
数値・日付・組織名・金額は公式発表の原文から転記しており、 原文に記載のない事項を補って書くことはしていません。 内容の正確性は公式出典をご確認ください。
編集・公開: PRaze編集部(株式会社スキルマーク) / 出典確認日: 2026-08-04
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