フランス大手航空機エンジンメーカーのサフラン、モロッコ2拠点で生産能力増強
この発表の要点
- フランスのサフランがモロッコ国内2拠点で航空宇宙関連製造能力を増強した。
- ヌアサー工場で3.5億モロッコ・ディルハム、ティフレット工場で1.37億モロッコ・ディルハムを投資し、合計640人以上の新規雇用を創出する計画である。
- モロッコ政府はこれらの投資を高く評価し、同国の航空宇宙産業エコシステムの発展を後押しするものと認識している。
企業・自治体への影響
この発表は、モロッコが航空宇宙産業の製造拠点として重要性を増していることを示唆しています。航空宇宙産業のサプライチェーンに関わる企業は、モロッコでの投資動向や新たなビジネス機会に注目し、自社の海外展開やサプライチェーン戦略を検討する上で参考にすべきです。特に、現地政府や教育機関との連携は、大規模な海外投資における成功要因として重要となります。
対応すべきこと
- 航空宇宙産業関連企業は、モロッコにおけるサプライチェーンの動向を継続的に注視する。
- 海外への生産拠点展開や投資を検討する企業は、本事例における現地政府・教育機関との連携モデルを参考にする。
- 広報部門は、自社の海外投資や地域貢献活動に関する情報発信の参考に本事例を分析する。
対象部門: 経営者 総務 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | Safran |
|---|---|
| 業界 | 航空宇宙・防衛製造 |
| 発表日 | 2026-07-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月29日
フランスの大手航空機エンジンメーカーのサフラン(Safran)グループは6月、モロッコ国内の航空宇宙関連製造拠点2カ所で生産能力の増強を進めた。
6月24日にカサブランカ近郊ヌアサー(Nouaceur)のSafran Electronics & Defense工場では、3億5,000万モロッコ・ディルハム(約60億円、MAD、1MAD=約17円)を投じて延べ床面積1万7,000平方メートルの拡張工事に着手した。同工場は2015年に開設され、航空機用アクチュエーター、アビオニクス計算機、計測システム、配線機器、回転機械などの高付加価値部品を組み立てている。現在は430人を雇用し、年間約40万点の航空機部品を生産、世界の主要航空宇宙企業に供給している。新施設には15本の生産ラインが設置され、環境配慮型の施設となる予定。今後5年間で500人の追加雇用を見込む。同施設では、併せて、モロッコ航空産業職業訓練学院(IMA)や航空産業・空港物流専門職業訓練学校(ISMALA)などの教育機関と連携し、航空産業向け人材の育成と雇用促進を進めている。
一方、6月25日には、首都ラバトの東、ティフレット(Tiflet)市にある同社のSafran Aerosystems Maroc工場で、1億3,700万MADを投じた5,000平方メートルの拡張施設が開所した。同工場は17年以上にわたりアイン・ジョーラ産業団地で操業し、国際的な航空宇宙サプライチェーンを支える重要拠点の1つであり、290人超の従業員を擁する。電子機器や機械装置の組み立てを手掛けるほか、2018年のサフランによるZodiac Aerospace買収後には、高性能配管、酸素マスク、緊急脱出スライド用保護カバー、救命胴衣などへ製品群を拡大してきた。今回の拡張により高付加価値事業を導入し、2028年までに140人の雇用創出を目指す。
リヤド・メズール産業・貿易相は、ヌアサーでの投資について、モロッコ航空産業プラットフォームの競争力と魅力を示すものだと評価した。また、ティフレットでの拡張については、成長、イノベーション、産業高度化に向けたサフランとモロッコの共同の取り組みであり、同国の航空宇宙産業エコシステムの発展を後押しするとの認識を示した。
同社は2025年10月にモロッコで、世界で2拠点目のLEAP-1Aエンジンの生産工場(フランス国外初)である航空機エンジン産業複合施設(Safran Aircraft Engine Services Casablanca MRO)の建設開始式を開催している。
(鈴木優香)
(モロッコ、フランス)
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フランス大手航空機エンジンメーカーのサフラン、モロッコ2拠点で生産能力増強
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/6ec9354c1a058ad5.html
時系列
- 2015-XX-XX Safran Electronics & Defense工場(ヌアサー)が開設
- 2018-XX-XX サフランによるZodiac Aerospace買収後、Safran Aerosystems Maroc工場(ティフレット)の製品群を拡大
- 2025-10-XX モロッコでLEAP-1Aエンジンの生産工場(航空機エンジン産業複合施設)の建設開始式を開催
- 2026-06-24 Safran Electronics & Defense工場(ヌアサー)で拡張工事に着手
- 2026-06-25 Safran Aerosystems Maroc工場(ティフレット)で拡張施設が開所
主な数値
| ヌアサー工場拡張投資額 | 350000000モロッコ・ディルハム |
|---|---|
| ヌアサー工場拡張投資額(日本円換算) | 60億円 |
| モロッコ・ディルハム対円レート | 17円/MAD |
| ヌアサー工場拡張延べ床面積 | 17000平方メートル |
| ヌアサー工場現在の雇用者数 | 430人 |
| ヌアサー工場年間生産部品数 | 400000点 |
| ヌアサー工場新設生産ライン数 | 15本 |
| ヌアサー工場追加雇用見込み | 500人 |
| ティフレット工場拡張投資額 | 137000000モロッコ・ディルハム |
| ティフレット工場拡張面積 | 5000平方メートル |
| ティフレット工場操業期間 | 17年以上 |
| ティフレット工場現在の従業員数 | 290人超 |
| ティフレット工場雇用創出目標 | 140人 |
この事例から確認すべきポイント
フランスの大手航空機エンジンメーカーであるサフランによるモロッコでの大規模な生産能力増強は、同社のグローバル戦略におけるモロッコの重要性を示しています。特に、高付加価値部品の生産拡大と、地元教育機関との連携による人材育成・雇用促進は、持続可能な事業展開と地域社会への貢献を両立させる好事例と言えます。企業が海外で大規模投資を行う際には、単なる生産拠点としてだけでなく、現地の産業エコシステムに深く関与し、政府や教育機関との協力関係を構築することが、事業の成功と良好な企業イメージ維持のために不可欠であることを示唆しています。また、航空宇宙産業におけるサプライチェーンの多様化と地域分散のトレンドを反映しており、関連企業はこうした国際的な投資動向を注視し、自社のサプライチェーン戦略や海外展開計画に活かすべきでしょう。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-29
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