「建築物近代化法」が可決、暖房設備の再エネ義務65%ルールを撤廃
この発表の要点
- ドイツで「建築物近代化法」が可決・公布され、暖房設備の再生可能エネルギー65%義務が撤廃された。
- 2029年からはガス・石油燃料への再生可能バイオ燃料混合義務が導入される。
- 暖房設備に対する補助制度が変更され、補助費用上限は引き下げられたが、補助率は最大40%に引き上げられた。
企業・自治体への影響
ドイツ国内で建築・不動産関連事業を展開する企業、暖房設備メーカー、エネルギー供給事業者は、新たな法令および補助制度への対応が求められます。特に、バイオ燃料の調達・供給体制の構築や、設備投資計画の見直しが必要となる可能性があります。
対応すべきこと
- ドイツの「建築物近代化法」および関連する補助制度の詳細を公式出典で確認する。
- 2029年から適用されるバイオ燃料混合義務の詳細(2026年12月1日までに定められる予定)を継続的に注視する。
- 暖房設備関連の事業計画や投資計画について、法改正と補助制度変更の影響を評価し、必要に応じて見直しを検討する。
- 関係部門(事業開発、法務、経理など)へ本情報を共有し、対応体制を構築する。
対象部門: 経営者 法務 経理
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 業界 | 建築・エネルギー |
| 発表日 | 2026-07-29 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月29日
「建築物近代化法」(GModG)がドイツ連邦議会および参議院で可決され、7月28日公布された(官報)。同法は、従来の建築物エネルギー法(GEG)(2023年10月17日記事参照)に代わるもので、新築および既存の建築物の暖房新設時に適用されていた熱供給のうち再生可能エネルギー(再エネ)由来の比率を65%以上とする義務を撤廃する。
従来のGEGは2020年に施行され、2045年の気候中立達成に向けた主要政策の1つとされてきた。しかし、暖房設備の再エネ使用比率を巡っては、政界内の対立や、費用負担への懸念から議論が続いていたと政府関係機関が指摘していた。
本法令では、暖房設備に対する再エネ比率義務が撤廃される一方、ガスならびに石油燃料に再生可能なバイオ燃料を混合する義務が導入される。これは2029年から適用され、混合比率を段階的に引き上げることが予定されている。同比率の詳細は、2026年12月1日までに別法で定められることになっている。
なお、法改正にあたって補助制度も変更された。具体的には、暖房設備の新規設置や改修に対する補助費用の上限は従来の3万ユーロから2万8,000ユーロに引き下げられ、今後半年ごとに750ユーロずつ縮小される。その一方で、補助率は世帯の所得や子どもの有無に応じて設定され、補助率は最大40%へ引き上げられた。本制度は7月21日から適用が開始された。
本法令により、EUの建物のエネルギー性能指令(2023年12月15日記事参照)の国内法化が完了した。
(マリナ・プタキドウ、櫻澤健吾)
(ドイツ)
ビジネス短信 dcea88d4b88cf5c6
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「建築物近代化法」が可決、暖房設備の再エネ義務65%ルールを撤廃
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/dcea88d4b88cf5c6.html
時系列
- 2020-XX-XX 従来の建築物エネルギー法(GEG)が施行
- 2026-07-21 暖房設備の新規設置や改修に対する補助制度の適用が開始
- 2026-07-28 「建築物近代化法」(GModG)が公布
- 2026-07-29 本発表が公開
- 2026-12-01 ガスならびに石油燃料に再生可能なバイオ燃料を混合する比率の詳細が別法で定められる予定
- 2029-XX-XX ガスならびに石油燃料に再生可能なバイオ燃料を混合する義務が適用開始
- 2045-XX-XX ドイツの気候中立達成目標年
主な数値
| 撤廃された再エネ比率義務 | 65% |
|---|---|
| 従来の補助費用上限 | 30000ユーロ |
| 変更後の補助費用上限 | 28000ユーロ |
| 補助費用縮小額 | 750ユーロ |
| 最大補助率 | 40% |
この事例から確認すべきポイント
ドイツで可決・公布された「建築物近代化法」は、従来の建築物エネルギー法(GEG)における暖房設備の再生可能エネルギー比率65%義務を撤廃し、エネルギー政策の方向性を転換するものです。この背景には、政界内の対立や費用負担への懸念があったと指摘されており、政策決定における経済的・社会的影響への配慮がうかがえます。再エネ義務の撤廃と同時に、ガス・石油燃料へのバイオ燃料混合義務が導入されることで、エネルギー源の多様化と脱炭素化への継続的な取り組みが示されています。また、補助制度の変更は、初期投資負担の軽減と、世帯状況に応じた公平性の確保を目指していると考えられます。企業は、今後のバイオ燃料混合比率の詳細決定(2026年12月1日まで)や、補助制度の継続的な変更(半年ごとの縮小)に注意を払い、事業戦略や設備投資計画を柔軟に見直す必要があります。EUのエネルギー性能指令の国内法化が完了した点も、国際的な枠組みへの対応として重要です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-29
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