容器包装法実施法が成立、旧法の枠組みを踏襲しつつPPWRに基づく罰則を規定
この発表の要点
- ドイツで容器包装法実施法が成立し、2026年8月12日に施行される。
- EUのPPWRを補完し、旧法の運用枠組みを踏襲しつつ、PPWRに基づく新たな罰則規定が導入された。
- プラスチック包装材のリサイクル目標は、PPWRより厳しいドイツ独自の上乗せ要件が設定されている(2028年75%、2030年80%)。
企業・自治体への影響
ドイツで事業を展開する製造業、小売業、物流業など、包装材を使用する全ての企業に影響があります。新たなリサイクル目標達成や罰則規定遵守のため、製品設計、サプライチェーン、法務、経理、広報部門など、多岐にわたる部門での対応が求められます。
対応すべきこと
- 自社の事業がドイツの容器包装法実施法およびEUのPPWRの対象となるか確認する。
- 施行日である2026年8月12日までに、デュアルシステムへの参加、LUCIDへの登録、データ報告、リサイクル材含有率の証明など、新たな義務への対応計画を策定する。
- ドイツ独自の上乗せリサイクル目標達成に向けた製品開発やサプライチェーンの見直しを検討する。
- 関係部門(法務、経理、製造、広報など)へ本法令の情報を共有し、連携して対応を進める。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:施行日まで
基本データ
| 企業・団体 | ジェトロ |
|---|---|
| 発表日 | 2026-07-27 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月27日
ドイツの連邦参議院は7月10日、容器包装法実施法(VerpackDG)を最終可決した。その後、同法令は大統領の署名を経て、7月17日に連邦官報で公布された。EU包装・包装廃棄物規則(PPWR、注1)の適用開始に合わせて、2026年8月12日に施行される。これに伴い、現行の容器包装廃棄物法(VerpackG、2022年9月6日付地域・分析レポート参照)は廃止となる。
本法令は、PPWRの国内での「施行」を担保するものとして定められている。旧法の容器包装廃棄物法は、EUの包装・包装廃棄物に関する指令(PPWD)をドイツの国内法として法制化したものだった。PPWDの廃止とPPWRの適用開始に伴い、容器包装法実施法はEU加盟国に直接適用されるPPWRを補完し、国内で具体的に適用・運用するための法令という位置づけだ。
他方、同法令は、PPWRがEU加盟国に裁量を認めているいくつかの点においてはドイツ独自のルールを盛り込んでいる。例えば、旧法で定められた「デュアルシステム」(注2)を通じた包装材の回収・リサイクル義務や、中央包装登録局(ZSVR)および同局の包装登録データベース「LUCID」への登録といった基本的な運用面は旧法を踏襲している。また、プラスチック包装材に関しては、ドイツ独自の上乗せ要件として2028年からは75%、2030年からは80%(PPWRでは2030年末までに55%)というデュアルシステムによる包装廃棄物のリサイクル目標が規定されている。
PPWRは、EU加盟国に対して2027年2月12日までに罰則規定を各国の国内法で定めることを義務づけている。ドイツは旧法の定める罰則規定の枠組みを踏襲しながら、リサイクル材最低含有率の証明不備や包装最小化義務への違反、B2B向け包装の回収に係る認可違反といったPPWRに基づく罰則規定を盛り込んだ国内法を制定した。
容器包装法実施法第66条に定められた罰則規定は次のとおり。PPWRに基づく新たな違反行為もその重大さに照らして次の行政過料が適用される。
最大20万ユーロの行政過料:デュアルシステムへの未参加・不参加など制度の根幹に関わる重大な違反に対して。
最大10万ユーロの行政過料:LUCIDへの未登録、不正確・不完全なデータ報告などの違反に対して。
最大1万ユーロの行政過料:その他、当局からの要求に対する書類未提出や表示義務違反などの手続き上の違反に対して。
2026年8月12日以降、ドイツで事業を展開する企業は、EUのPPWRとドイツの容器包装法実施法の双方を一体の法令として読み解き、適切に対応していくことが求められる。
(注1)EU PPWRの詳細は、調査レポート「EU循環型経済関連法の最新概要(2024年11月)」および特集「EU包装・包装廃棄物規則(PPWR)関連情報」参照。
(注2)公的システム(地方自治体)に加え、民間システムが使用済みの包装材の回収・リサイクル義務を持つ仕組み。最終消費者に包装を届ける企業はこの民間システムと契約を結び、回収・リサイクル義務を「委託」する上でのライセンス料を支払う必要がある。
(櫻澤健吾)
(ドイツ、EU)
ビジネス短信 b50f637df1df3147
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容器包装法実施法が成立、旧法の枠組みを踏襲しつつPPWRに基づく罰則を規定
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/b50f637df1df3147.html
時系列
- 2026-07-10 ドイツの連邦参議院が容器包装法実施法(VerpackDG)を最終可決
- 2026-07-17 容器包装法実施法が大統領の署名を経て、連邦官報で公布
- 2026-08-12 容器包装法実施法が施行される(現行の容器包装廃棄物法は廃止)
- 2027-02-12 EU加盟国がPPWRに基づく罰則規定を各国の国内法で定める義務の期限
- 2028 ドイツのプラスチック包装材リサイクル目標75%が適用開始
- 2030 ドイツのプラスチック包装材リサイクル目標80%が適用開始
主な数値
| プラスチック包装材リサイクル目標(2028年) | 75% |
|---|---|
| プラスチック包装材リサイクル目標(2030年) | 80% |
| 行政過料上限(制度の根幹に関わる重大な違反) | 200000ユーロ |
| 行政過料上限(LUCIDへの未登録、不正確・不完全なデータ報告など) | 100000ユーロ |
| 行政過料上限(当局からの要求に対する書類未提出や表示義務違反など) | 10000ユーロ |
この事例から確認すべきポイント
この発表は、ドイツにおける容器包装法の改正とEUのPPWRへの対応を示すものであり、特にドイツで事業を展開する企業にとって重要な意味を持つ。旧法の枠組みを踏襲しつつも、PPWRに基づく新たな罰則規定が導入された点、およびプラスチック包装材に対するドイツ独自の上乗せリサイクル目標が設定された点は注目すべきである。企業は、デュアルシステムへの参加義務、中央包装登録局(ZSVR)およびLUCIDへの登録、データ報告の正確性、リサイクル材最低含有率の証明、包装最小化義務、B2B向け包装の回収認可など、多岐にわたる義務を遵守する必要がある。特に、PPWRがEU加盟国に裁量を認めている部分でドイツが独自ルールを設けているため、EU全体のPPWRだけでなく、ドイツ国内法の詳細まで確認し、自社の事業活動に与える影響を評価することが不可欠となる。施行日である2026年8月12日までに、関連部門が連携して対応計画を策定し、必要なシステム改修やプロセス変更を進める必要がある。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-27
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