カザフスタンのトカエフ大統領が中国訪問、輸送面で協力深化
この発表の要点
- カザフスタン大統領が中国を訪問し、輸送・物流分野での協力深化を協議。
- カザフスタン鉄道(KTZ)はITインフラ、港湾・ターミナル物流、デジタル化、造船分野で総額4億ドルの協定を締結。
- カスピ海のアクタウ港浚渫事業やクルィク港の貨物取り扱い能力拡大に関する合意が成立し、2026年末までに浚渫事業が完了予定。
企業・自治体への影響
中央アジア・中国間の輸送・物流、インフラ建設、ITソリューション提供に関わる企業にとって、ビジネス機会の拡大が期待されます。特に、中国と欧州間の貨物輸送に関わる企業は、カザフスタン経由のルート強化とデジタル化の進展がサプライチェーン戦略に与える影響を注視する必要があります。
対応すべきこと
- 中央アジア・中国間の輸送・物流市場および関連するインフラ開発プロジェクトの動向を継続的に情報収集する。
- 自社のサプライチェーンにおける中国・欧州間の輸送ルートについて、カザフスタン経由の選択肢やデジタル化の進展を考慮し、再評価を行う。
- カザフスタン鉄道(KTZ)や華為技術(ファーウェイ)など、協定を締結した企業との連携可能性を検討する。
- ユーラシアにおける統一的なデジタル輸送空間構想が自社の事業に与える影響を分析し、対応策を検討する。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務 情シス
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 日本貿易振興機構(ジェトロ) |
|---|---|
| 業界 | 輸送・物流、インフラ、IT |
| 発表日 | 2026-07-27 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月27日
カザフスタンのカシムジョマルト・トカエフ大統領は、7月15日から17日にかけて中国を実務訪問した。訪問中、トカエフ大統領は中国の習近平国家主席と会談した。協議では、輸送・物流分野が主要議題の1つとなった。
トカエフ大統領は、16日に行われた中国経済界とのラウンドテーブル会合の場で、中国のテクノロジー企業、物流企業、インフラ企業に対し、ユーラシアにおける統一的なデジタル輸送空間構想への参加を呼びかけた。同構想は、貨物がデジタルネットワーク上を流れるデータのように国境を越えて迅速かつ円滑に移動できる環境を実現するため、新たな国際基準を導入し、貿易の効率向上を目指すもの。
カザフスタンは、中国と欧州を結ぶ主要経由地となることを目指している。トカエフ大統領は中国企業との会談で、中国・欧州間の鉄道輸送の約85%がカザフスタンを経由していると述べ、自国の重要性を強調した。カザフスタン運輸省の発表(7月16日)によると、2026年上半期のカザフスタン・中国間の貨物輸送量は前年同期比9%増の1,870万トンに達した。
15日に行われた輸送・物流協力および電子商取引に関する共同ビジネスフォーラムでは、カザフスタン鉄道(KTZ)が、ITインフラ、港湾・ターミナル物流、物流のデジタル化、造船分野において総額4億ドルの協定を締結した。特に物流のデジタル化分野では、KTZが華為技術(ファーウェイ)との協力協定に署名した。
港湾インフラ開発に関する複数の合意も成立した。トカエフ大統領と中国交通建設(CCCC)の張炳南総裁との会談では、カスピ海水域における浚渫(しゅんせつ)事業の重要性が確認された。CCCCはカザフスタン政府系ファンド「サムルク・カズィナ」と、浚渫事業に関する協力枠組み協定を締結した。同事業は、カスピ海のアクタウ港水域における航行可能水深を6~7メートルまで拡大するもので、2026年末までに完了する予定。アクタウ港の南にあるクルィク港における第1期多機能ターミナル建設プロジェクトへの中国企業による投資協定も締結された。これにより、クルィク港の貨物取り扱い能力は現在の年間600万トンから1,500万トンへと引き上げられる。
さらに、カザフスタン出身者が経営するスイス企業ハーベスト・グループと中国の五鉱物流グループが、「カザフスタン・中国国際物流回廊」プロジェクトに関する協力協定を締結した。両社は、中国国境に近い特別経済区「ホルゴス・イースタン・ゲート」敷地内で、産業・物流複合施設の建設を計画している。
(ウラジミル・スタノフォフ)
(カザフスタン、中国)
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カザフスタンのトカエフ大統領が中国訪問、輸送面で協力深化
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/6300cf114496f727.html
時系列
- 2026-07-15 カザフスタンのトカエフ大統領が中国を実務訪問開始。輸送・物流協力および電子商取引に関する共同ビジネスフォーラムが開催され、カザフスタン鉄道(KTZ)が総額4億ドルの協定を締結。
- 2026-07-16 トカエフ大統領が中国経済界とのラウンドテーブル会合で、ユーラシアにおける統一的なデジタル輸送空間構想への参加を呼びかけ。カザフスタン運輸省が2026年上半期のカザフスタン・中国間の貨物輸送量を発表。
- 2026-07-17 トカエフ大統領の中国実務訪問が終了。
- 2026-12-31 カスピ海のアクタウ港水域における浚渫事業が完了予定。
主な数値
| 中国・欧州間の鉄道輸送におけるカザフスタン経由の割合 | 85% |
|---|---|
| 2026年上半期のカザフスタン・中国間の貨物輸送量 | 1870万トン |
| カザフスタン・中国間の貨物輸送量(前年同期比増加率) | 9% |
| カザフスタン鉄道(KTZ)が締結した協定総額 | 4億ドル |
| アクタウ港水域の航行可能水深(拡大後) | 6-7メートル |
| クルィク港の貨物取り扱い能力(現状) | 600万トン/年 |
| クルィク港の貨物取り扱い能力(拡大後) | 1500万トン/年 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、カザフスタンが中国との連携を強化し、ユーラシア大陸における主要な輸送・物流ハブとしての地位を確立しようとする戦略を示しています。特に、中国・欧州間の鉄道輸送の85%がカザフスタンを経由しているという事実は、同国の地政学的な重要性を裏付けるものです。デジタル輸送空間構想や港湾インフラの拡張、物流のデジタル化への投資は、将来的な貿易効率向上と輸送能力強化を目指すものであり、国際的なサプライチェーンに大きな影響を与える可能性があります。華為技術(ファーウェイ)との協力協定締結は、デジタル化推進における中国企業の技術力が活用されることを示唆しており、これらの動きは、中央アジア地域の経済発展だけでなく、グローバルな物流ネットワークの再編にも繋がる可能性を秘めています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-27
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