経済・産業トレンド

日本の6月の対中東貿易、輸入は前年同月比3.9%減、輸出は4.2%減と減少幅が縮小

2026年6月の日本の中東との貿易は、輸入額が前年同月比3.9%減の7,372億円、輸出額が4.2%減の3,676億円となり、貿易収支は3,696億円の赤字となった。前月と比較して輸出入ともに減少幅が大幅に縮小した。輸入品目では鉱物性燃料が9割超を占め、輸出品目では自動車を含む輸送用機器が減少した一方で、重電機器や半導体等製造装置などは大幅な増加を示した。

この発表の要点

企業・自治体への影響

製造業や商社、エネルギー関連企業において、中東からの資源調達コストや、自動車・機械・電機等の輸出動向を把握する上で影響がある。経営企画部門や営業部門、調達部門でのデータ活用が想定される。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 総務 経理 法務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 財務省
業界 経済・貿易
発表日 2026-07-27
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月27日

日本の財務省が7月22日に発表した2026年6月の貿易統計(速報値)によると、日本の世界からの輸入額は前年同月比25.4%増の11兆3,359億円、世界向けの輸出額は19.3%増の10兆9,290億円だった。このうち中東(注1)との貿易では、輸入額が3.9%減の7,372億円、輸出額が4.2%減の3,676億円となり、貿易収支は3,696億円の赤字になった。ただし、5月は輸入額が42.7%減、輸出額が32.0%減だった(2026年6月24日記事参照)ことから、6月は輸出入ともに減少幅が大幅に縮小した。

貿易統計によると、6月の日本の中東からの輸入では、主要な輸入元であるアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアからの輸入が増加に転じた。オマーンからの輸入は前年同月比で約8割増、イランからの輸入も約4割増えた。カタールとクウェートからの輸入は引き続き前年同月比で大きく減少している。

6月の中東主要国からの輸入額と前年同月比増減率は次のとおり。

UAE:3,624億円、8.6%増。

サウジアラビア:2,971億円、12.1%増。

オマーン:348億円、82.4%増。

カタール:111億円、82.9%減。

クウェート:109億円、82.8%減。

イラン:2億6,400万円、41.3%増。

中東からの輸入品目では、「鉱物性燃料」(注2)が6,938億円と輸入総額の94.1%を占め、最大の輸入品目だった。前年同月比では2.5%減となった。このうち「原油及び粗油」は6,518億円で輸入総額の88.4%を占め、7.1%増となった。一方、「石油製品」は255億円で63.7%減、「液化天然ガス(LNG)」は166億円で48.4%減だった。

自動車輸出の減少幅が縮小
6月の日本から中東向け輸出では、UAE向けが国別で最大の輸出先で、前年同月比8.2%増と増加に転じた(1,580億円)。また、イラン向けの輸出額は小規模ながら、約5割増となった。

6月の中東主要国向け輸出額と前年同月比増減率は次のとおり。

UAE:1,580億円、8.2%増

サウジアラビア:938億円、8.8%減

オマーン:210億円、32.4%増

クウェート:192億円、42.4%減

カタール:182億円、16.6%減

イラン:4億7,400万円、50.2%増

輸出品目別にみると、中東向け輸出額の52.3%を占める「輸送用機器」が1,922億円で前年同月比23.7%減となった。このうち、主力品目の「自動車」は1,793億円で24.1%減だったが、5月の70.0%減から減少幅は大きく縮小した。自動車の内訳では、「乗用車」が1,498億円で23.5%減、「バス・トラック」が289億円で27.3%減となった。また、「自動車の部分品」は111億円で12.2%減だった。

一方、自動車関連以外では増加した品目もみられた。「電気機器」は131億円で前年同月比39.7%増、「化学製品」は79億円で18.5%増となった。また、「重電機器」(注3)は44億円で2.6倍、「半導体等製造装置」は24億円で3.2倍と大幅に増加した。他方、「鉄鋼」は72億円で55.7%減、「建設用・鉱山用機械」は23億円で59.8%減となり、引き続き低調だった。

中東情勢について、ホルムズ海峡や代替ルート状況は「激動の中東情勢:中東各国への影響と展望」を参照。そのほか、イスラエル・米国とイランの衝突に関する中東情勢、各国の反応を参照。

(注1)財務省貿易統計での中東の定義は、イラン、イラク、バーレーン、サウジアラビア、クウェート、カタール、オマーン、イスラエル、ヨルダン、シリア、レバノン、アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、ヨルダン川西岸とガザを含む。トルコは含まない。
(注2)財務省貿易統計における鉱物性燃料は、原油、天然ガス、石炭、石油製品などエネルギー関連資源を含む分類品目。
(注3)財務省貿易統計における重電機器は、発電・送電・配電設備や産業用設備に用いられる発電機、電動機、変圧器、配電・制御機器などを含む分類品目。

(大家俊夫)

(中東、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、オマーン、カタール、クウェート、イラン、世界、日本)

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/ba9191ddc3e953c5.html

時系列

主な数値

世界からの輸入額 113359億円
世界向けの輸出額 109290億円
中東からの輸入額 7372億円
中東向けの輸出額 3676億円
対中東貿易収支 3696億円の赤字
UAEからの輸入額 3624億円
サウジアラビアからの輸入額 2971億円
オマーンからの輸入額 348億円
カタールからの輸入額 111億円
クウェートからの輸入額 109億円
イランからの輸入額 2.64億円
鉱物性燃料の輸入額 6938億円
原油及び粗油の輸入額 6518億円
石油製品の輸入額 255億円
液化天然ガス(LNG)の輸入額 166億円
UAE向け輸出額 1580億円
サウジアラビア向け輸出額 938億円
オマーン向け輸出額 210億円
クウェート向け輸出額 192億円
カタール向け輸出額 182億円
イラン向け輸出額 4.74億円
輸送用機器の輸出額 1922億円
自動車の輸出額 1793億円
乗用車の輸出額 1498億円
バス・トラックの輸出額 289億円
自動車の部分品の輸出額 111億円
電気機器の輸出額 131億円
化学製品の輸出額 79億円
重電機器の輸出額 44億円
半導体等製造装置の輸出額 24億円
鉄鋼の輸出額 72億円
建設用・鉱山用機械の輸出額 23億円

この事例から確認すべきポイント

本統計は財務省が2026年7月22日に発表した2026年6月の貿易統計速報に基づくものであり、日本と中東地域間の貿易動向を示している。輸入ではUAEやサウジアラビアが増加に転じ、鉱物性燃料が大部分を占めた。輸出では主力の自動車を含む輸送用機器が前年同月比で減少したものの、前月と比較して減少幅は大きく縮小した。また、重電機器や半導体等製造装置などの特定品目では大幅な増加が見られる。実務においては、エネルギー資源の調達コストや、中東向け輸出入に関わる自動車・電機・機械等の動向、地政学的リスクを継続的にモニタリングする必要がある。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-27

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