経済・産業トレンド

遼寧省、「海洋経済発展」に関する5カ年規画を発表、2030年までに海洋生産総額8,000億元

中国・遼寧省政府は、2026年から2030年までの「第15次5カ年海洋経済発展規画」を発表しました。本規画は、2030年までに海洋生産総額8,000億元達成を目指し、大連市を中核とした「一核引領、両翼共進」モデルを推進します。重点施策として、ハイテク船舶・海洋工学機器製造、港湾・海運サービスの高度化、海洋新エネルギー産業の育成、デジタル海洋建設が挙げられています。

この発表の要点

企業・自治体への影響

中国遼寧省の海洋経済発展規画は、造船・海運、港湾物流、洋上風力発電、水素エネルギー、デジタル技術関連企業に直接的な影響を与えます。特に、これらの分野で事業展開を検討している企業は、新たな市場機会や競争環境の変化に備える必要があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 情シス 経理

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 中国・遼寧省政府
業界 海洋経済・製造・エネルギー
発表日 2026-06-28
分類 経済・産業トレンド
地域 遼寧省

発表された内容

2026年07月24日

中国・遼寧省政府は6月28日、「遼寧省第15次5カ年(2026~2030年)海洋経済発展規画」を発表した。同規画は、2030年までに海洋生産総額8,000億元(約19兆2,000億円、1元=約24円)の達成を目指すとともに、大連市を中核とし、渤海エリア・黄海エリア(注1)が連携して発展する「一核引領、両翼共進」の海洋経済発展モデルを打ち出した。

同規画の重点施策は次のとおり。

ハイテク船舶・海洋工学機器製造拠点の建設

港湾・海運サービスの高度化

海洋新エネルギー産業の育成

デジタル海洋建設の推進

1.では、大型LNG(液化天然ガス)運搬船、液体アンモニア運搬船、エタン運搬船、二酸化炭素(CO2)輸送船などの設計・建造能力の向上を重点課題とした。また、大連市を研究開発・設計から、実証試験、最終組立・製造、修理・改造までを一体化したハイテク船舶およびハイエンド海洋工学機器の製造拠点として整備する。2030年までに、省内の一定規模以上の船舶部品企業数(注2)を200社以上とすることを目指す。

2.では、北東アジア航路の安定化に加え、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国や南米、中東、アフリカ向けの国際海運ネットワークを拡充する。また、大連港を自動車輸出拠点化するとともに、大連国際クルーズ港およびヨット関連インフラの整備、大連太平湾臨港コールドチェーン産業基地(注3)の建設も進める。

3.では、大連市の200万キロワット級、丹東市の350万キロワット級の洋上風力発電プロジェクトを重点的に推進する。また、海水を利用した水素製造技術の研究開発と産業化を進めるほか、大連市と営口市で水素・アンモニアの製造・貯蔵プロジェクトを計画し、グリーン水素の製造・貯蔵・輸送・利用の一体的発展を加速する。

4.では、人工知能(AI)、デジタルツイン、モノのインターネット(IoT)の活用を進める。2030年までに、大連港大窯湾および営口港鮁魚圏を中核として、主要港湾エリアの管理・運営調整業務の自動化率を85%以上に引き上げる目標を掲げた。

同規画を受けた遼寧省および大連市の船舶・海洋工学機器、港湾物流、洋上風力発電・水素エネルギー分野の今後の発展動向が注目される。

(注1)渤海エリアは、遼寧省営口市・盤錦市・錦州市・葫芦島市からなり、ハイテク船舶・海洋工学機器、海洋精密化学、海洋新エネルギー、海洋バイオ・医薬品、高度海洋サービス業などの新興産業の育成を重点分野とする。黄海エリアは、遼寧省丹東市を中心とし、現代漁業、水産食品加工、洋上風力発電・関連設備製造、沿海・辺境観光産業などの産業に注力する。
(注2)当該年の主な業務の売上高が2,000万元以上の工業企業を指す。
(注3)大連太平湾合作創新区(12.5MB)で整備が進められている臨港コールドチェーンプロジェクト。招商局集団が遼寧省および大連市と共同で開発を進めている。第1期の総投資額は約5億9,800万元、敷地面積は約6万8,000平方メートルとなっている。

(李穎)

(中国)

ビジネス短信 7b3b4c68abbd4411

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遼寧省、「海洋経済発展」に関する5カ年規画を発表、2030年までに海洋生産総額8,000億元

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/7b3b4c68abbd4411.html

時系列

主な数値

2030年までの海洋生産総額目標 8000億元
換算レート 24円/元
2030年までの省内一定規模以上船舶部品企業数目標 200社以上
大連市の洋上風力発電プロジェクト規模 200万キロワット級
丹東市の洋上風力発電プロジェクト規模 350万キロワット級
2030年までの主要港湾エリア管理・運営調整業務自動化率目標 85%以上
大連太平湾臨港コールドチェーン産業基地第1期総投資額 5.98億元
大連太平湾臨港コールドチェーン産業基地第1期敷地面積 6.8万平方メートル

この事例から確認すべきポイント

中国・遼寧省が発表した海洋経済発展規画は、2030年までの具体的な数値目標と重点施策を明示しており、同省が海洋産業の高度化とデジタル化に注力する姿勢を示しています。特に、ハイテク船舶・海洋工学機器製造、港湾・海運サービスの高度化、海洋新エネルギー産業の育成、デジタル海洋建設といった分野は、関連する技術やサービスを提供する企業にとって新たなビジネス機会となり得ます。また、大連市を中核とした地域連携モデルは、サプライチェーンや物流網の再編にも影響を与える可能性があります。日本企業は、この規画の進捗を注視し、自社の事業戦略における機会とリスクを評価する必要があります。特に、洋上風力発電や水素エネルギー、コールドチェーンといったインフラ整備に関連する動向は、具体的な投資機会につながる可能性があります。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-24

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