経済・産業トレンド

海運大手マースクとハパック・ロイド、スエズ運河航路の利用を段階的に再開と発表

海運大手のA.P.モラー・マースクとハパック・ロイドは、紅海地域の安全保障状況を評価した結果、2026年7月6日にスエズ運河航路の利用を段階的に再開すると共同で発表しました。2023年11月以降のイエメン武装組織フーシ派による船舶攻撃により、スエズ運河の通航船舶数は2024年5月初めには攻撃前の約3分の1にまで落ち込んでいました。この決定は、東西基幹航路における両社の運航協力「ジェミニ」の一環として行われます。

この発表の要点

企業・自治体への影響

海運業界、物流業界、および国際貿易を行う企業は、スエズ運河航路の段階的再開により、輸送ルートの選択肢が増え、輸送時間やコストの改善が期待されます。サプライチェーンの安定化に寄与する可能性があるため、関連する企業の調達・生産・販売計画に影響を及ぼす可能性があります。

対応すべきこと

対象部門: 経営者 広報 経理 総務

対応期限:要確認

基本データ

企業・団体 ジェトロ
業界 海運
発表日 2026-07-14
分類 経済・産業トレンド

発表された内容

2026年07月14日

海運大手のA.P.モラー・マースク(A.P. Moller – Maersk)とハパック・ロイド(Hapag-Lloyd)は7月6日、スエズ運河航路の利用を段階的に再開すると共同で発表した。この共同決定は、紅海地域の安全保障状況を徹底的に評価した結果で、スエズ運河回廊への段階的な復帰に向けた一歩となるとした。両社は、東西基幹航路における運航協力「ジェミニ」のパートナーだ。

2023年11月以降、イエメンの武装組織フーシ派による紅海周辺での船舶攻撃を受け、スエズ運河の通航船舶数は、2024年5月初めには攻撃前の約3分の1の水準にまで落ち込んだ(2024年5月17日記事参照)。その後も、多くの船舶が喜望峰ルートで迂回を継続している(2026年3月13日記事参照)。スエズ運河は、エジプトにとって重要な外貨獲得源であり、財政収入源でもある。エジプト中央銀行によると、2025年下半期のスエズ運河通航料収入は前年同期比19.0%増の22億ドル、通航実績は、通航トンが16.1%増の2億8,000万トン、通航隻数が5.8%増の6,700隻となった(2026年5月19日記事参照)。

(西澤成世)

(エジプト、デンマーク、ドイツ)

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海運大手マースクとハパック・ロイド、スエズ運河航路の利用を段階的に再開と発表

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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/0827c2b6a1868da0.html

時系列

主な数値

スエズ運河通航船舶数の減少水準 (2024年5月初め) 3分の1水準
スエズ運河通航料収入 (2025年下半期) 22億ドル
スエズ運河通航料収入前年同期比増加率 (2025年下半期) 19.0%増
スエズ運河通航トン (2025年下半期) 2億8,000万トン
スエズ運河通航トン前年同期比増加率 (2025年下半期) 16.1%増
スエズ運河通航隻数 (2025年下半期) 6,700隻
スエズ運河通航隻数前年同期比増加率 (2025年下半期) 5.8%増

この事例から確認すべきポイント

本発表は、国際的なサプライチェーンと物流コストに大きな影響を与えてきた紅海情勢に対し、主要海運企業が具体的な対応を開始したことを示しています。2023年11月以降のフーシ派による船舶攻撃により、スエズ運河の通航船舶数が大幅に減少したことで、多くの船舶が喜望峰ルートへの迂回を余儀なくされ、輸送時間とコストが増大していました。マースクとハパック・ロイドによる段階的な航路再開は、紅海地域の安全保障状況が改善傾向にあるとの判断に基づくものであり、国際物流の安定化に向けた重要な一歩となる可能性があります。しかし、段階的な再開であることから、完全に以前の状態に戻るまでには時間を要すると考えられ、引き続き情勢の推移を注視する必要があります。エジプトにとってスエズ運河は重要な外貨獲得源であり、通航料収入の回復は同国の財政にも影響を与えます。関連企業は、今後の運賃や輸送スケジュールへの影響を慎重に見極め、サプライチェーン戦略を再評価することが求められます。

公式出典

更新履歴

公開日: 2026-07-14

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