チリ、上半期輸出額が初めて600億ドルを突破、銅・リチウム輸出が牽引
この発表の要点
- チリの2026年上半期輸出額は603億5,400万ドルで過去最高を更新し、半期ベースで初の600億ドル突破を達成した。
- 銅輸出が300億ドルを突破し、リチウム輸出が前年同期比約3倍となるなど、鉱業部門が輸出拡大を牽引した。
- 貿易黒字も172億9,000万ドルと統計開始以来最大の黒字を記録したが、資本財輸入は2カ月連続で減少している。
企業・自治体への影響
チリの主要輸出品目である銅やリチウムの国際市況は、関連する製造業(特にEV、電子機器、再生可能エネルギー分野)や商社、物流企業に直接的な影響を与えます。資源価格の変動は、これらの企業の原材料調達コストやサプライチェーン戦略に影響を及ぼす可能性があります。また、インド市場の成長は、新たなビジネス機会を模索する企業にとって注目すべき動向です。
対応すべきこと
- チリの主要輸出品目(銅、リチウム、食品等)の国際市況動向を継続的にモニタリングする。
- 自社のサプライチェーンにおけるチリ産資源への依存度を確認し、価格変動リスクへの対応策を検討する。
- インド市場の成長を鑑み、新たな輸出機会やパートナーシップの可能性を調査する。
- 資本財輸入の減少傾向が示す投資動向の変化について、中長期的な事業計画への影響を評価する。
対象部門: 経営者 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | チリ外務省国際経済関係次官官房(SUBREI) |
|---|---|
| 業界 | 多岐にわたる |
| 発表日 | 2026-07-08 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月14日
チリ外務省の国際経済関係次官官房(SUBREI)は7月8日、2026年上半期(1~6月)の輸出額(通関ベース)が603億5,400万ドルとなり、前年同期比14.2%増加したと発表した。半期ベースで初めて600億ドルを突破し、過去最高を更新した。往復貿易額も1,064億9,800万ドル(9.6%増)となり、上半期として過去最大規模となった。
輸出拡大を牽引したのは鉱業部門で、輸出額は368億8,800万ドル(前年同期比20.4%増)と輸出総額の61.1%を占めた。特に銅輸出額は302億3,600万ドル(11.5%増)となり、初めて300億ドルを突破した。銅は輸出総額の50.1%を占める最大輸出品目である。
背景には銅価格の高騰がある。2026年上半期の国際価格の平均は1ポンド当たり5.94ドルと前年同期比38.8%上昇し、6月の月平均価格は1ポンド当たり6.16ドルと過去最高を記録した。SUBREIによると、米国の関税措置を巡る動向や低在庫に加え、鉱石品位の低下や設備保守などによるチリの銅生産減少が価格上昇の背景にある。
リチウム輸出は32億1,800万ドルと前年同期比約3倍となった。送電網やエネルギー貯蔵、電子産業、人工知能(AI)関連技術、データセンター向け需要の拡大が追い風となり、2026年上半期だけで2025年通年の実績を上回った。
非鉱業部門も234億6,600万ドル(前年同期比5.6%増)と堅調だった。食品は71億2,100万ドル(4.2%増)と過去最高を記録し、サーモン・マス製品や冷凍果実、ヘーゼルナッツなどが伸長した。機械・設備輸出も17.6%増加した。一方、ワイン輸出は8.9%減、林産加工品輸出は12.0%減となった。
輸出先では中国(シェア33.9%)、米国(16.7%)、日本(8.3%)が主要市場を維持した。一方、インド向け輸出は28億7,100万ドルで前年同期比2.1倍となり、最も高い伸びを示した。インド向けには銅、金、ヨウ素、リチウム製品、食品などの輸出拡大が寄与した。
また、サービス輸出は18億4,300万ドル(前年同期比17.2%増)と過去最高を更新した。航空機整備、ウェブホスティング、IT関連サービスなどが成長を支えた。
中央銀行統計によると、上半期の貿易黒字は172億9,000万ドルと前年同期比49%増となり、上半期では統計開始以来で最大の黒字を記録した。他方、投資動向の先行きを見極める上で注目される指標である資本財輸入は6月に前年同月比9.5%減と2カ月連続で減少した。
(高橋英行)
(チリ)
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チリ、上半期輸出額が初めて600億ドルを突破、銅・リチウム輸出が牽引
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/31d669684ca9dc59.html
時系列
- 2026-07-08 チリ外務省の国際経済関係次官官房(SUBREI)が2026年上半期(1~6月)の輸出額を発表。
- 2026-07-14 ジェトロがビジネス短信として本情報を公開。
主な数値
| 2026年上半期輸出額 | 603億5,400万ドル |
|---|---|
| 2026年上半期往復貿易額 | 1,064億9,800万ドル |
| 2026年上半期鉱業部門輸出額 | 368億8,800万ドル |
| 2026年上半期銅輸出額 | 302億3,600万ドル |
| 2026年上半期リチウム輸出額 | 32億1,800万ドル |
| 2026年上半期非鉱業部門輸出額 | 234億6,600万ドル |
| 2026年上半期食品輸出額 | 71億2,100万ドル |
| 2026年上半期サービス輸出額 | 18億4,300万ドル |
| 2026年上半期貿易黒字 | 172億9,000万ドル |
この事例から確認すべきポイント
チリの2026年上半期輸出額が過去最高を更新したことは、国際的な商品市場の動向が同国の経済に与える影響の大きさを明確に示しています。特に銅価格の高騰とリチウム需要の拡大が輸出を強力に牽引しており、これらは電気自動車や再生可能エネルギー、AI関連技術といったグローバルなトレンドと密接に結びついています。非鉱業部門やサービス輸出も堅調に推移しているものの、特定の鉱物資源への依存度が高い構造は、国際市況の変動リスクを内包していると言えます。企業は、このような資源国におけるサプライチェーンの安定性や、主要輸出品目の価格変動リスクを常に評価し、事業戦略に反映させる必要があります。また、インド市場の急成長は、新たな輸出機会として注目すべき点です。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-14
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