奇瑞汽車がロスリン工場の開業式を開催
この発表の要点
- 中国自動車メーカーの奇瑞汽車が南アフリカのロスリン工場を開業し、年間10万台の販売目標と2027年半ばの生産開始を目指す。
- 日産工場からの従業員692人の雇用を引き継ぎ、サプライチェーン全体で新たに3,000人の雇用創出を目標としている。
- 南アフリカでは輸入車の急増に対する関税引き上げ議論があり、現地生産への期待と、サプライチェーン全体での価値創造を求める声が上がっている。
企業・自治体への影響
南アフリカ市場に進出を検討する自動車関連企業は、奇瑞汽車の現地生産拡大やサプライチェーン構築の動向、および南アフリカ政府の輸入関税政策の変更リスクに注意が必要です。特に、自動車部品サプライヤーは、新たなビジネス機会の可能性を検討し、関連情報の収集を強化すべきです。
対応すべきこと
- 南アフリカの自動車市場における主要プレイヤーの動向と、輸入規制に関する議論を継続的に情報収集する。
- 奇瑞汽車の現地生産計画やサプライチェーン構築に関する詳細情報を公式出典で確認する。
- 自社の事業が南アフリカ市場と関連する場合、関税政策の変更リスクを評価し、対応策を検討する。
- 海外事業部、調達部、法務部など関連部門へ本情報を共有し、自社への影響について議論する。
対象部門: 経営者 法務 経理 広報
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 奇瑞汽車 |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2026-07-10 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月10日
中国自動車メーカーの奇瑞汽車(チェリー)は、1月に日産自動車から買収したロスリン工場(2026年1月29日記事参照)の開業式を7月3日に開催した。式典には、南アフリカ共和国のポール・マシャティーレ副大統領、ハウテン州のパニャザ・レスフィ州首相、ツワネ市のナシフィ・モヤ市長、呉鵬(Wu Peng)駐南ア中国大使、奇瑞汽車の尹同躍(Yin Tongyue)会長をはじめとする約350人が出席した。
当地報道によれば、尹会長は開業式のあいさつで、「初期段階では約1万5,000台の生産を予定しており、最終的には年間10万台の販売を目指す」と述べるとともに、同社の理念に基づき「投資する場所には必ずコミットし、地域経済、地域社会、そして南アの未来の一部となる」「私たちは輸入業者から製造業者へ、そして市場参加者から南ア産業の長期的なパートナーへと成長する」と今後に意欲を示した。工場設備などへの投資を行い、2027年半ばの生産開始を目指すという。
なお、日産自動車工場の従業員として働いていた692人の雇用は奇瑞汽車に引き継がれるとともに、今後はサプライチェーン全体で新たに3,000人の雇用創出を目指すことも発表された。
今回の工場開業式は、近年、中国やインドからの完成車輸入が急増し、既に南アに製造拠点を構える自動車メーカーの生産や雇用の維持の観点から、南ア政府内でも議論が沸き起こっている中で行われた。南ア自動車ビジネス協議会(NAAMSA)によると、2025年には、特に小型自動車(乗用車および小型商用車)のインドからの輸入が前年比26.4%増の21万9,796台、中国からの輸入が76.0%増の9万1,326台に上った。市場に占める輸入車の割合も7割近くを占めている。こうした状況下、南ア国会では中国、インドからの完成車輸入に対する関税引き上げも議論すべきだとの意見も出されていた。
また、自動車産業職員協会(MISA)も、奇瑞汽車の投資、そして従業員雇用が維持されたことは評価しつつも、「南アの人が未来のモビリティーを創造するのか、それとも単に組み立てるだけなのか」として、サプライチェーン全体での価値や技術の創造を求める声明を発表している。
(的場真太郎)
(南アフリカ共和国、中国)
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奇瑞汽車がロスリン工場の開業式を開催
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/e8eecfa69254b546.html
時系列
- 2025-XX-XX インドからの小型自動車輸入が前年比26.4%増の21万9,796台、中国からの輸入が76.0%増の9万1,326台に上る
- 2026-01-XX 奇瑞汽車が日産自動車からロスリン工場を買収
- 2026-07-03 奇瑞汽車がロスリン工場の開業式を開催
- 2026-07-10 本記事が発表される
- 2027-XX-XX ロスリン工場での生産開始を目指す
主な数値
| 開業式出席者数 | 350人 |
|---|---|
| 初期生産予定台数 | 15000台 |
| 最終販売目標 | 100000台 |
| 引き継がれる雇用者数 | 692人 |
| 新たな雇用創出目標 | 3000人 |
| 2025年インドからの小型自動車輸入台数 | 219796台 |
| 2025年インドからの小型自動車輸入増加率 | 26.4%増 |
| 2025年中国からの小型自動車輸入台数 | 91326台 |
| 2025年中国からの小型自動車輸入増加率 | 76.0%増 |
| 南ア市場に占める輸入車の割合 | 7割近く |
この事例から確認すべきポイント
中国自動車メーカーの奇瑞汽車が南アフリカに製造拠点を設立し、現地生産を開始する計画は、同国市場における中国企業の存在感の拡大を示す重要な事例です。この投資は、雇用創出や地域経済への貢献を強調する一方で、南アフリカ政府や既存の自動車メーカー、労働組合が輸入車の急増に懸念を抱き、関税引き上げを議論する中で行われました。特に、自動車産業職員協会(MISA)がサプライチェーン全体での価値創造を求めている点は、単なる組み立て拠点に留まらない、より高度な技術移転や現地化への期待が現地にあることを示唆しています。今後、奇瑞汽車の事業展開が南アフリカの自動車産業政策や市場競争にどのような影響を与えるか、また、現地での技術・価値創造の要求にどう応えるかが注目されます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-10
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