米AI輸出プログラムに78件の申請、商務省が発表
この発表の要点
- 米商務省はAI輸出プログラムに78件の申請があったと発表した。
- 本プログラムは、米国主導の国際的なAIエコシステム創出と米国製AI技術の輸出促進が目的。
- 申請は、国家安全保障上のリスク軽減措置や政策目的に沿うか審査される。
企業・自治体への影響
AI関連技術を開発・輸出する企業や、米国とのAI分野での連携を検討する企業に影響があります。特に、米国の輸出管理規制や国家安全保障政策への適合が事業展開の重要な要素となります。また、国際的なAIエコシステム構築に関わる政府機関や研究機関も動向を注視する必要があります。
対応すべきこと
- 米国AI輸出プログラムの採択案件の動向と審査基準の詳細を注視する。
- 自社のAI技術や事業が米国の輸出促進政策および国家安全保障上のリスク軽減措置に合致するか検討する。
- 米国とのAI関連ビジネスを検討する際、関連する大統領令や政策、輸出管理規制を確認する。
- 国際的なAIエコシステム構築における自社の役割や協業機会を検討する。
対象部門: 経営者 法務 情シス 広報 経理
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 米商務省国際貿易局 (ITA) |
|---|---|
| 業界 | AI・ソフトウェア |
| 発表日 | 2026-07-06 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年07月10日
米商務省国際貿易局(ITA)は7月6日、米国人工知能(AI)輸出プログラムに78件の申請があったと発表した。米国は同プログラムを通じて、米国主導の国際的なAIエコシステムの創出を目指している。
ドナルド・トランプ大統領は就任直後の2025年1月にAIなどの規制緩和に関する大統領令を、同年7月にAI行動計画と米国製AI技術の輸出を促進するための大統領令を発表した。これを受け、ITAは2025年10月に、米国AI輸出プログラムの開始を発表した。同プログラムは、計算インフラからアプリケーションに至るまでバリューチェーン全体に、米国の技術を活用した輸出可能なエンドツーエンドのAIシステム(注1)の構築・促進を目的としている。ITAは対象となる案件を、2026年4月1日~6月30日で募集していた(2026年4月3日記事参照)。
ITAは今後、78件の申請について、米国製AI技術の輸出促進を定めた大統領令の政策目的に沿う案件であるかに加え、輸出管理、最終用途・最終利用者、サイバーセキュリティーなどの観点から国家安全保障上のリスク軽減措置が講じられているかを審査する。その後、省庁間の協議を経て、商務長官が採択案件を最終決定する。募集開始時の発表によれば、申請書に不備がないことを確認後、60日以内に採否を決定する。採択案件には、米国政府の公式活動やイベントを通じたプロモーション、輸出許可申請の優先処理、連邦政府の資金調達手段への円滑なアクセスなどの支援が提供される。
トランプ政権は「国家安全保障戦略(NSS)」において、経済安全保障を国家安全保障の基盤とし、産業育成を経済政策の最優先課題に位置付け、AIなどの先端技術分野で世界を牽引することが「米国の核心的かつ重大な国益」「最優先で注力すべき利益」としている。米国の経済安全保障政策の中で、希土類(レアアース)などの重要鉱物の供給多様化が「守り」の政策だとすれば(2026年3月31日記事参照)、米国主導の国際的なAIエコシステムの創出は「攻め」の政策に位置付けられる(注2)。今後、どのような案件が採択されるのかが注目される。
(注1)データの取得から学習、モデルの構築、統合、実行までを一気通貫で設計・運用するもの。
(注2)トランプ政権下の経済安全保障政策の詳細については、2026年2月6日付地域・分析レポート参照。
(赤平大寿)
(米国)
ビジネス短信 317f916a152b11a4
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米AI輸出プログラムに78件の申請、商務省が発表
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/07/317f916a152b11a4.html
時系列
- 2025-01-XX ドナルド・トランプ大統領がAIなどの規制緩和に関する大統領令を発表
- 2025-07-XX ドナルド・トランプ大統領がAI行動計画と米国製AI技術の輸出促進に関する大統領令を発表
- 2025-10-XX ITAが米国AI輸出プログラムの開始を発表
- 2026-04-01 米国AI輸出プログラムの対象案件募集開始
- 2026-06-30 米国AI輸出プログラムの対象案件募集終了
- 2026-07-06 米商務省国際貿易局(ITA)が米国AI輸出プログラムに78件の申請があったと発表
主な数値
| 申請件数 | 78件 |
|---|---|
| 募集期間 | 2026年4月1日~6月30日期間 |
| 採否決定期間 | 60日以内期間 |
この事例から確認すべきポイント
本発表は、米国がAI分野における国際的なリーダーシップを確立し、経済安全保障を強化するための「攻め」の政策を推進していることを示しています。トランプ政権下で発表された大統領令に基づき、計算インフラからアプリケーションまでバリューチェーン全体をカバーする米国製AI技術の輸出促進を目指しており、国家安全保障上のリスク軽減措置が審査の重要な要素となります。企業は、米国のAI関連政策、特に輸出管理やサイバーセキュリティに関する要件を深く理解し、自社の技術や事業戦略がこれらの政策とどのように整合するかを検討する必要があります。採択案件への政府支援は、米国市場への参入や国際展開を目指す企業にとって大きな機会となり得るため、今後の審査結果と採択基準の動向を注視することが重要です。また、米国主導のAIエコシステム構築は、国際的な技術協力や競争環境にも影響を与えるため、グローバルな視点での戦略立案が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-10
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