三菱電機製数値制御装置における数値の入力に対する不適切な検証
この発表の要点
- 三菱電機製CNC装置に数値入力の不適切な検証に起因する脆弱性(CVE-2024-7316)が存在する。
- 細工されたパケットによりサービス運用妨害(DoS)状態となり、復旧にはシステムリセットが必要となる。
- 対策版の適用またはファイアウォール、VPN、IPアドレスフィルタ機能等の回避策の実施が推奨される。
企業・自治体への影響
製造業において三菱電機製CNC装置を使用している企業・自治体は、生産ラインの停止や業務中断といった運用上の重大な影響を受ける可能性があります。特に、生産管理部門や設備管理部門、情報システム部門は、この脆弱性への対応を検討する必要があります。
対応すべきこと
- 自社で対象の三菱電機製CNC装置(M800V/M80Vシリーズ等)を使用しているか確認する。
- 対象製品の場合、開発者提供の情報や取扱説明書で具体的な製品名・バージョンを確認する。
- 対策版が提供されている場合はアップデートを、未提供の場合はファイアウォール、VPN、IPアドレスフィルタ機能等の回避策を適用する。
- 関係部門(製造、IT、設備管理など)へ情報を共有し、対応計画を策定する。
対象部門: 経営者 情シス 広報
対応期限:速やかに確認
基本データ
| 企業・団体 | JPCERT/CC |
|---|---|
| 業界 | 製造 |
| 発表日 | 2024-10-17 |
| 分類 | サイバーセキュリティ |
発表された内容
公開日:2024/10/17 最終更新日:2026/07/02
JVNVU#92054409
三菱電機製数値制御装置における数値の入力に対する不適切な検証
三菱電機製数値制御装置(CNC)には、数値の入力に対する不適切な検証に起因する脆弱性が存在します。
影響を受ける製品のシリーズ名は次の通りです。
M800V/M80Vシリーズ
M800/M80/E80シリーズ
C80シリーズ
M700V/M70V/E70シリーズ
具体的な製品名・システム番号・バージョン、確認方法の手順等の詳細については、開発者が提供する情報および各製品の取扱説明書を確認してください。
三菱電機製数値制御装置(CNC)には、数値の入力に対する不適切な検証に起因する脆弱性(CWE-1284、CVE-2024-7316)が存在します。
当該製品のTCP 683番ポート宛に送信された、細工された不正なパケットを処理すると、当該製品がサービス運用妨害(DoS)状態となる可能性があります。
なお、復旧には、システムのリセットが必要です。
対策版が提供されている場合:
アップデートする
開発者が提供する情報の「■製品での対応」箇所を確認し、対策版が提供されている製品を利用している場合は、三菱電機窓口や三菱電機の支社、代理店へ相談をしてください。
お問い合わせ|三菱電機FA
対策版が提供されていない場合:
ワークアラウンドを実施する
対策版がリリースされていない製品を利用している場合、開発者は次の回避策を適用することを推奨しています。
当該製品をインターネットに接続する場合には、ファイアウォールや仮想プライベートネットワーク(VPN)等を使用し、不正アクセスを防止する
当該製品をLAN内で使用し、信頼できないネットワークやホストからのアクセスをファイアウォールでブロックする
IPアドレスフィルタ機能(※1)を使用し、信頼できないホストからのアクセスをブロックする
当該製品および当該製品が接続されたLANへの物理的なアクセスを制限する
(※1)IPアドレスフィルタ機能の詳細は、開発者が提供する次の取扱説明書を参照
M800V/M80Vシリーズ取扱説明書「16. 付録3 IPアドレスフィルタ機能」
M800/M80/E80シリーズ取扱説明書「15. 付録2 IPアドレスフィルタ機能」
ベンダ
リンク
三菱電機株式会社
三菱電機数値制御装置におけるサービス拒否(DoS)の脆弱性
ICS Advisory | ICSA-24-291-03Mitsubishi Electric CNC Series
CVSS v3
CVSS:3.0/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:U/C:N/I:N/A:H
基本値:
5.9
攻撃元区分(AV)
物理 (P)
ローカル (L)
隣接 (A)
ネットワーク (N)
攻撃条件の複雑さ(AC)
高 (H)
低 (L)
必要な特権レベル(PR)
高 (H)
低 (L)
不要 (N)
ユーザ関与レベル(UI)
要 (R)
不要 (N)
スコープ(S)
変更なし (U)
変更あり (C)
機密性への影響(C)
なし (N)
低 (L)
高 (H)
完全性への影響(I)
なし (N)
低 (L)
高 (H)
可用性への影響(A)
なし (N)
低 (L)
高 (H)
この脆弱性情報は、製品利用者への周知を目的に、開発者がJPCERT/CCに報告し、JPCERT/CCが開発者との調整を行いました。
JPCERT 緊急報告
JPCERT REPORT
CERT Advisory
CPNI Advisory
TRnotes
CVE
JVN iPedia
2024/10/21
[参考情報]にICS Advisoryのリンクを追加しました
2025/02/20
[対策方法]を更新しました
2026/07/02
[影響を受けるシステム]を更新しました
Copyright (c) 2000-2026 JPCERT/CC and IPA. All rights reserved.
出典: jvn@jvn.jp
URL: https://jvn.jp/vu/JVNVU92054409/
時系列
- 2024-10-17 脆弱性情報が公開されました。
- 2024-10-21 参考情報にICS Advisoryのリンクが追加されました。
- 2025-02-20 対策方法が更新されました。
- 2026-07-02 影響を受けるシステムが更新されました。
主な数値
| 影響ポート | 683番ポート |
|---|
この事例から確認すべきポイント
本件は、製造業において基幹設備となりうる数値制御装置(CNC)にサービス運用妨害(DoS)の脆弱性が確認された事例です。攻撃が成功した場合、システムリセットが必要となるため、生産ラインの停止や業務中断といった重大な影響が想定されます。企業は、自社が使用する三菱電機製CNC装置が影響を受ける製品シリーズに該当するかを速やかに確認し、具体的な製品名やバージョンに応じた対策(アップデートまたは回避策)を講じる必要があります。特に、インターネット接続環境や信頼できないネットワークからのアクセスがある場合は、ファイアウォールやVPNによる保護、IPアドレスフィルタ機能の活用、物理的なアクセス制限といった多層的な防御策の適用が不可欠です。産業制御システム(ICS)のセキュリティ対策は、事業継続計画(BCP)の観点からも極めて重要であり、定期的な脆弱性情報の収集と迅速な対応体制の構築が求められます。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-07-02
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