米商務省、CHIPSプラス法に基づき、次世代パワー半導体の研究開発支援でI-Pulseに2億5,000万ドル助成
この発表の要点
- 米国商務省がCHIPSプラス法に基づき、I-Pulseに次世代SiCパワー半導体の研究開発支援として2億5,000万ドルを助成。
- この助成は、米国の技術的リーダーシップとイノベーションを推進し、地熱開発や重要鉱物掘削の効率化に貢献するSiC半導体技術の開発を加速させる。
- 商務省は助成にあたり、支配権を伴わない少数株主としてI-Pulseの株式を取得した。
企業・自治体への影響
半導体製造業、特にSiCパワー半導体関連企業は、米国の技術投資動向と市場機会を注視する必要があるでしょう。地熱発電や鉱物掘削関連企業は、SiC半導体技術による効率化・低コスト化の恩恵を受ける可能性があるため、技術動向を把握し、新たなビジネスチャンスを検討すべきです。データセンター運営企業や産業活動を行う企業は、先進的な地熱発電による安定したベースロード電源の供給が期待できるため、将来的な電力供給源の多様化に注目できます。
対応すべきこと
- CHIPSプラス法および関連する助成制度の最新情報を継続的に確認する。
- 自社の事業が半導体、AI、量子技術、クリーンエネルギー分野に関連する場合、米国政府の助成プログラムへの申請可能性を検討する。
- 次世代SiCパワー半導体技術の進展が自社の製品開発やサプライチェーンに与える影響を評価する。
- 関連する研究機関や企業との提携機会を模索し、技術革新への参画を検討する。
対象部門: 経営者 総務 法務 広報 経理
対応期限:公募締切まで
基本データ
| 企業・団体 | 米国商務省 |
|---|---|
| 業界 | 半導体 |
| 発表日 | 2026-06-25 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月30日
米国商務省は6月25日、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、I-Pulseに対し、2億5,000万ドルを助成すると発表した。今回の助成を通じて、次世代の炭化ケイ素(SiC)パワー半導体分野において、米国の技術的リーダーシップとイノベーションを推進するための研究開発を加速させる。
I-Pulseは2007年に、鉱業や製造業などさまざまな産業分野におけるパルス電力技術(注)の活用を目的に設立された企業だ。商務省の発表によれば、同社は連邦政府が運営する研究機関や大学などと提携し、高温・大電流・高電圧に対応する新たなSiC半導体の開発を進める。SiC半導体ベースのスイッチデバイスを組み込んだパルス電力ドリルを用いることで、地熱開発や重要鉱物の掘削作業を従来よりも効率的かつ低コストで実施できるとされる。
I-Pulseはプレスリリースで、「掘削コストを大幅に削減することで、米国に広がる広大な高温乾燥花こう岩地層で先進的な地熱発電を実現できる」と述べるとともに、「増加し続けるデータセンターや米国内の産業活動にとって、24時間365日稼働するベースロード電源として、安全かつ低コストな電力を供給する先進的な地熱発電は今まさに求められている」と、同社の技術を活用した地熱発電の重要性を強調した。
なお、商務省は今回の助成にあたり、支配権を伴わない少数株主として株式を取得した。
トランプ政権は2025年9月に、米国のマイクロエレクトロニクス技術を前進させる先端半導体や人工知能(AI)、量子技術などの研究開発プロジェクトの募集を開始しており(2025年9月30日記事参照)、今回の助成はこれに基づくもの。同制度の下、2026年5月には量子コンピューティングに関係する米国内企業9社に対し総額20億1,300万ドルを、6月にはAIや量子暗号技術によるソリューションを扱うスタートアップのサンドボックスAQに5億ドルを助成すると発表していた(2026年6月19日記事参照)。プロジェクトの申請は2029年9月30日まで受け付けている。
(注)電気エネルギーを長時間かけて蓄積し、極めて短時間に一気に放出することで、瞬間的に巨大な電力を生み出す技術。
(赤平大寿)
(米国)
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米商務省、CHIPSプラス法に基づき、次世代パワー半導体の研究開発支援でI-Pulseに2億5,000万ドル助成
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/1cc7d06211e27996.html
時系列
- 2007 I-Pulseが鉱業や製造業におけるパルス電力技術の活用を目的に設立
- 2025-09 トランプ政権が先端半導体、AI、量子技術などの研究開発プロジェクトの募集を開始
- 2026-05 CHIPSプラス法制度の下、量子コンピューティング関連企業9社に総額20億1,300万ドル助成を発表
- 2026-06 CHIPSプラス法制度の下、AIや量子暗号技術のスタートアップであるサンドボックスAQに5億ドル助成を発表
- 2026-06-25 米国商務省がCHIPSプラス法に基づきI-Pulseに2億5,000万ドルを助成すると発表
- 2029-09-30 CHIPSプラス法に基づくプロジェクトの申請受付終了
主な数値
| I-Pulseへの助成金額 | 250000000ドル |
|---|---|
| I-Pulse設立年 | 2007年 |
| 量子コンピューティング関連企業への助成総額 | 2013000000ドル |
| 量子コンピューティング関連企業数 | 9社 |
| サンドボックスAQへの助成金額 | 500000000ドル |
この事例から確認すべきポイント
この発表は、米国がCHIPSプラス法に基づき、次世代パワー半導体分野における国内の研究開発とイノベーションを強力に推進していることを示しています。I-Pulseへの助成は、SiC半導体技術が地熱発電や重要鉱物掘削といったエネルギー・資源分野の効率化に貢献し、米国のエネルギー安全保障と経済競争力強化に資すると見なされていることを浮き彫りにします。商務省が支配権を伴わない少数株主として株式を取得したことは、政府が戦略的技術開発への関与を深め、投資効果の最大化を図る姿勢を示唆しています。また、量子コンピューティングやAIといった他の先端技術分野への大規模な助成も同時に行われており、米国政府が広範な先端技術領域で国内産業基盤の強化を目指していることが読み取れます。企業は、CHIPSプラス法のような政府の助成制度が、自社の技術開発や事業展開にどのような機会をもたらすかを継続的に監視し、関連するプロジェクトへの参画可能性を検討する必要があります。特に、半導体、AI、量子技術、クリーンエネルギー関連企業は、これらの動向を注視し、戦略的な投資や提携の機会を探るべきです。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-30
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