油田などでのガスのフレアリングが世界で3年連続増加、エネルギー安全保障にも影響、世界銀行が報告
この発表の要点
- 世界のガスフレアリングは2025年に1,670億立方メートルに達し、3年連続で増加している。
- フレアリングによるガスの浪費は年間540億ドル相当に上り、エネルギー安全保障に影響を与えている。
- フレアリング削減の主要な障害は技術ではなく、規制、資金、インフラ、優先順位付けといった構造的な問題である。
企業・自治体への影響
石油・ガス採掘を行うエネルギー企業は、フレアリング削減への国際的な圧力の高まりに直面します。ガス回収・利用技術を提供する企業には新たなビジネス機会が生まれ、各国政府はエネルギー政策や環境規制の見直しを迫られる可能性があります。
対応すべきこと
- 自社のガスフレアリングに関する現状と削減目標を確認する。
- ガス回収・利用技術への投資やパートナーシップの可能性を検討する。
- 関連する国際的な規制動向や各国のエネルギー政策の変更を注視する。
- フレアリング削減に向けた取り組みをステークホルダーに積極的に情報開示する。
対象部門: 経営者 広報 経理 法務
対応期限:要確認
基本データ
| 企業・団体 | 世界銀行 |
|---|---|
| 業界 | エネルギー・石油・ガス |
| 発表日 | 2026-06-23 |
| 分類 | 経済・産業トレンド |
発表された内容
2026年06月25日
世界銀行は6月23日、ガスのフレアリング(油田などでの随伴ガスの燃焼)に関する報告書「2026 Global Gas Flaring Tracker Report」に関するプレスリリースを発表した。同報告によると、世界のフレアリングは3年連続で増加し、2025年には1,670億立方メートルに達し、540億ドル相当のガスが浪費され、エネルギー安全保障にも影響するという。
2025年のフレアリングの量はアフリカ全体の年間ガス消費量に匹敵し、また、ペルシャ湾を通る年間の液化天然ガスの量を上回るとの推計だ。国別のフレアリング量を見ると、ロシア、イラン、イラク、ベネズエラ、メキシコ、リビア、アルジェリア、ナイジェリア、米国が多く、9カ国でフレアリング量の5分の4以上を占めるという。
ガスの浪費から利用へ
同報告では、多くの国が高価なガスを輸入する一方で、油田では大量のガスを燃焼させているとした。
特に貧困国がエネルギー不足に直面する中、ガスを回収することで、エネルギー安全保障を強化し、ガス収入が増加するほか、発電を行い、雇用創出や経済活動を支えられるという。加えて、フレアリングを抑えることで温室効果ガス排出量を削減できる可能性もある。
報告書では、フレアリングの削減や回収の障害となっているのは、技術的な問題ではなく、不十分な規制、資金不足、インフラの未整備、事業者と政府が優先事項と捉えていないなどといった構造的な問題だと指摘した。また、世界的な通常のフレアリングを削減するには、推定700億~1,000億ドルが必要となるが、これは現在浪費しているガスの年間価値の2倍未満だとした。
(井澤壌士)
(中東、世界、アフリカ)
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油田などでのガスのフレアリングが世界で3年連続増加、エネルギー安全保障にも影響、世界銀行が報告
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出典: www.jetro.go.jp
URL: https://www.jetro.go.jp/biznews/2026/06/2948b5fbb2a96cb2.html
時系列
- 2026-06-23 世界銀行が「2026 Global Gas Flaring Tracker Report」に関するプレスリリースを発表
主な数値
| 世界のガスフレアリング量 (2025年) | 1670億立方メートル |
|---|---|
| 浪費されたガスの価値 (2025年) | 540億ドル |
| フレアリング削減・回収に必要な推定費用 | 700億~1000億ドル |
| フレアリング増加継続期間 | 3年 |
| フレアリング量の8割以上を占める国数 | 9カ国 |
この事例から確認すべきポイント
この世界銀行の報告書は、世界のエネルギー産業、特に石油・ガス採掘企業にとって、ガスフレアリング削減への国際的な圧力が強まっていることを示唆しています。報告書が指摘する通り、削減の主な障害が技術的なものではなく、規制、資金、インフラ、優先順位付けといった構造的な問題である点は重要です。これは、企業が単に技術的解決策を追求するだけでなく、政府や他のステークホルダーとの連携を通じて、政策提言や資金調達の枠組み構築にも積極的に関与する必要があることを意味します。広報担当者は、自社のフレアリング削減への取り組みやガス回収・利用に向けた戦略を明確に伝え、持続可能なエネルギー移行への貢献をアピールする準備が求められます。また、ガス回収・利用技術を提供する企業にとっては、新たなビジネス機会が拡大する可能性を示しています。
公式出典
更新履歴
公開日: 2026-06-25
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